2008年02月07日

ファラオの復讐対策をマカオで復習する〜香港ぶらぶら雑感記 其の四〜

今回、初めてのマカオが本当に楽しみだった。
やはり想像したとおりで、香港とは違う匂いのする街だ。
旧ポルトガル植民地らしく、やはり南欧の風情がそこかしこに残っている。
街も人ものどやかで、瀟洒な南欧風の洒落た街並みの裏には中華な生活風景があり、ああ良い風情だなあと思っていれば、途轍もなくエゲツナイ電飾満艦飾なギンギラギン的大型カジノも当たり前のように立ち並んでいる。

そして、驚いたことにこの街では、道を渡ろうとするとドライバーがブレーキを踏む。
日本にいると、まあほぼ当たり前のことなのでナンノコッチャと思われるだろうが、ヨーロッパ各地でもイスタンブルでも、そして香港でも、大概「歩行者を見たらアクセルを踏む」という反応が当たり前なのだ。

1990年ごろのカイロも「ブレーキを踏む国」だった。
しかし年月が経つにつれて、次第にアクセルを踏むドライバーが増えたような印象がある。
人の心が荒れてきたのかなあ、と、少し寂しい思いをしたのを覚えている。

だから、どこかの街に出かけて「ブレーキかアクセルか」を観察していると、街の住民のテンションが感じられるような気がする。
個人的な思い込みではあるけれど。

夕暮れ時に南欧風の街角をぶらぶらしていたら、懐かしいものを見つけた。

サトウキビのジュースサトウキビのジュースだ。
カイロの街角でもよく売っている。
住んでいたころは
好きでよく飲んでいた。
暑くてバテ気味のときなど
暑気払いにもってこいなのだ。


マカオの街角でも機械で潰すように絞ってくれる。
飲むとどうも結構冷やしてあるので、冷たいジュースはどうもなあ・・・と思いながらも、懐かしさともども一気に大きなコップ一杯飲み干した。

さて、話はここから始まる。
どうもこれが「アタリ」だったらしいのだ。
マカオで大当たり、といえばこれはギャンブルで大もうけしたようだが、我が家は夫婦そろって賭け事の才も甲斐性もない。
だからカジノに興味もない。
当たったのは、ワタクシの胃腸・・・エジプトで言う「ファラオの復讐」だ。
やれやれ。

散歩から戻って二時間ほど後、どうも胃と鳩尾の辺りに違和感がある。
む・・・?と胃腸薬とビオフェルミンなど飲んでしばし、違和感は明らかな不調に変わり、そしてチクチク刺すような痛みに変わっていった。

よもやまさか、何故どうして、しかしこれはイヤハヤまったく・・・かつては「鉄の胃腸」を誇ったはずの、この私が・・・うっそー、ヤダこんなの!

ああ、やれやれ。
こういうときにはドウシロコウシロなんていう記事を書いたこともあったっけなあ。
過去記事は以下参照。

【第3話】 ファラオの復讐 〜水(その2)〜
再び、ファラオの復讐について 【第61話】(前編
再び、ファラオの復讐について(其の二 対策編) 【第62話】

さて、上記記事では「対処は早めに」「すぐ医者を呼べ」などと偉そうに書いていたのだが、いざ我が身になるとどうもやっぱり億劫なものだ。
私の場合はもう既に何度となく似たような状況はくぐっているので、自家療法で何とか対応してしまった。
「話が違うじゃないか!」という怒りの声が飛びそうだが、私も状況次第ではドクターを呼ぼうと思ってはいたのだ、と一応申し上げておこう。
少なくとも、感染後数時間、症状が出て30分後に対処はした。
別に威張るつもりもないが、慣れた症状だけに初動は早かったのだ。
カイロあたりで泣き声のSOS電話をかけてくるのは、大概まる一日以上我慢を重ねた挙句、耐え切れなくなった人たちだ。
別に威張っているのではない。
誤解しないでほしい。
単に私はこういう状態に妙に慣れている、とそれだけの話だ。
それでこの「早めの対処」が功を奏したのか、回復も早かった。
ドクターも呼ばずにすんだ。

さて、初動でとりあえずやったのは「体内洗浄」だ。
オカシイナ・・・と思った段階で、ぬるま湯をたくさん飲んでは胃の中のものを無理矢理全部吐いてしまう。
尾篭な表現だが「上下マーライオン状態」とでも言おうか・・・ううむ。
状況にもよるので判断の難しいところだが、こういう場合は吐き気が来るまで待っていると、そのぶん体が参るのだ、と私は信じている。

こういうウィルス感染系の病気は何であれ似たようなものだと思うのだが、下手に我慢して耐える時間が長いほど、症状は悪化し回復は遅れる。

今回の私の場合、とにかくひたすら体内を洗った。
確かにウィルス性だったのは間違いなくて、結構な痛みが鳩尾から下をキリキリ絞りにくる。
ぬるま湯を飲むと、ちょっと間をおいてキリキリとサシコミがくる。
トイレで全部吐いて出すものを出す。

これを3〜4回やったら少し治まって、汗が出たりトイレで小水がでたりするようになる。消耗はしているものの峠は越えた感じになった。
ビオフェルミンを飲んで海老状に丸まって寝る。
海老姿勢の理由は・・・単にまだお腹が痛いからだ。
あのあとしばらくの間、海老を見るたび軽い憎しみを覚えたが。
憎しみのあまり、食べたりもした。ふん。

翌朝、どうも少し熱が出ている感じがする。
このまま熱がガンと上がってくるようならばドクターだ、と思っていたのだが、もうしばらく寝ていたら体が楽になってきた。

下痢や発熱はしんどいものなので、ついつい止瀉薬やら解熱剤やらをすぐ投入したくなるが、これは素人判断でやらないほうが良い。
上記の記事にも書いたが、下痢発熱は体内の抵抗軍(もとい抵抗力)が侵略軍(もといウィルス)と戦っている証。
下痢発熱という形で、侵略勢力は外に発散されている。
これを薬で止めるのは、逃げ出そうとする侵略勢力の出口を塞いでいるようなものだ。むしろ、ぬるま湯やビオフェルミンのような援軍を送りながら、多少苦しくてもとっとと出て行ってもらう逃げ道拡大に協力することにしている。

イラクだって、放っておけば早晩サダムが死ぬか消えるかして、自然体で状況が良くなったかもしれないのに、なまじアメリカが出張ってきたおかげで国情が泥沼化したではないか。
なんとなく、そんな感じ(?)

ついでに偏見混じりに言ってしまうと、抗生物質投与は敵味方入り乱れる戦場に核弾頭を打ち込むようなもの、だと思う。
敵は壊滅するが、味方も同様。
ウィルスからくる諸症状は治まるが、かわりに体が参る。
私の場合は、ということだが。
もちろん飲むべき時は当然あるので、ここはドクターの判断になる。

昼ごろにはかなり回復して、とりあえず「薬膳スープと粥と薬膳スイーツが食べたい」くらいの気分にはなってきた。
多少食欲が出てきたらこっちのものだよ、というわけでホテルをチェックアウトして街に出る。
アタリを引いたのが麺粥薬膳の国だったのは、不幸中の幸いだったと思う。
こういう体調で食べたいものが、街中いたるところで美味しそうな湯気を立てている。実際こういう広東薬膳の類は、本当にこういう状態の胃の腑に滲みる。
健康なときよりよほど旨く感じられたんだから、とりあえずそれでよしとするべきなのだろう。
そうにちがいない。

この翌日にはもうほとんど普通に食べていたのだが、本当はこういう無茶は体に良くない。まあ、体が食べたいというものを食べて、もういらないと思ったら食べるのをやめればよいので、この辺は体調と相談なのだが。

尚、以上はあくまでも、極私的自家療法であることをきちんと申し上げておく。
本来は自己判断でこういうことをしないほうがいいし、今回の症状は特段重篤なものでもなかったからこれですんだのだ。

一応、帰国後お医者さんに対処の内容を説明したら「それで正解」ということだったけれど、「でも、それはあくまでもアナタに自己判断できるだけの経験があるからです。普通の人は無理」という但し書きがついたことも付け加えておく。

だから、皆さんはむやみに真似をしないでください・・・。
まあ、一応なにかのご参考までに。

恨めしいのは、寒空の下で飲んだ一杯の冷たいサトウキビジュース・・・あの時ヘンなエジプトへの郷愁めいたものに駆られていなければ、あの晩はマカオ料理三昧の予定だったのだ。
これだけはしみじみと、口惜しく悲しい。

自業自得とはいえ・・・ああ、やれやれ。

自分でも書いているじゃないか。
「冷たいものの一気飲みはいけない」と。
「睡眠はきちんととりなさい」と。
「旅先での馬鹿喰い無茶喰いはいけません」と。

以上、深い自己反省とともに、改めて旅に出る皆さんに注意喚起する次第。
とほほ。

  

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2008年02月03日

香港ぶらぶら雑感記 其の三 〜眠らぬ街で眠れぬ人となる・・・中国茶の不思議〜

香港のありがたいところは、街が眠らないことだ。
今回は特に実行しなかったが、深夜であろうが早朝であろうが、なにかしら食べ物にありつける。
店の閉店時間も遅いので、夕食時間が常に遅めな私にはありがたい。

しかしこの「眠らぬ街」で、実はちょっと不可思議なことが起きていた。
何故か不眠症状態だったのである。
生活が不規則になりがちな仕事柄もあって、元々寝付きも寝起きも悪い夜型の私だが、旅行に出れば結構すとんと眠ってしまう。
ところが、今回ばかりはどうもおかしい。
明け方まで輾転反側状態。
目が爛々と冴え渡って、まったく眠りが訪れる気配すらない。

最初は「眠らぬ街の興奮が乗り移ったかねえ」などとのどかなことを考えていたのだけれど、相当な寝不足状態でやってきたのに、二晩続けてこの状態はどう考えても変だ。
「ちょいと食べすぎかなあ」とも思ったが、過食のせいで不眠になるなら、私は日本じゃ年中無休の不眠症だぞ・・・。

なにが原因だろうかと考えてみて、はたと思い当たったのが「中国茶」だ。
驚いたことに香港で食べるものは不思議と酒を呼ばず、むしろお茶のほうがはるかに料理が美味く感じられる。
食事に酒は欠かせないほうなので、これは本当に不思議だったが、食事中はひたすらお茶をがぶがぶ飲み続けていたのだった。

私は酒はわりあい強いほうだが、カフェインにはどうも弱い体質らしい。
これは高校生くらいのころからわかったいたことなのだが、どうもついうっかり忘れがちで、こういう状態になってはじめて気付く。

よく飲んでいたのは普洱茶(プーアル茶)だった。

夜のお茶を控えたらかなり落ち着いたので、やっぱりカフェインかぁ・・・と勝手に納得しながら帰国。
一応念のため、横浜中華街にある中国茶の専門店で尋ねてみたら、確かにカフェインは結構入っていますよ、との由。
「普段あまり飲んでいないものをたくさん飲むと、過敏に体が反応することもあるかもしれませんね」とも。

ほーれ、ビンゴだビンゴ!と頷く私に、中国茶のプロは「・・・ですから、カフェイン含有量の少ないプーアルくらいにしておくのがよろしいようですよ」というではないか。

・・・また謎が増えてしまった・・・。

首をかしげながらあちこち調べてみたところ、別の犯人(?)が出現。
カフェインもそうだが、どうも中国茶というものは交感神経を刺激するらしい。
そうそうそういえば、ウーロン茶に減肥効果ありなどとよく言うではないか。
細かいメカニズムはよくわからないが、たっぷり飲んだお茶がありがたくも脂肪燃焼を促進してくれる間、体がまったり眠る状態にならないのは無理もないなあ、と、これまた自分勝手に納得した次第。

逆に昼間活動するときに飲めば、まことに霊験あらたかだろう。
犯人呼ばわりなど、被疑者扱いしてマコト申し訳ない。
飲み方が間違っていただけなのだったよ・・・とプーアル茶に心の中で謝ってみた。

(尚、あちこち見たが、以下のサイトを参照した。

http://www.white-family.or.jp/healthy-island/htm/repoto/repo-to60.htm

さて、減肥効果のほうだが、帰国後体重計の針はキッチリと2訴ほど跳ね上がっていた。
「あれほど喰ったのに、中国茶のすばらしい効果でこの程度で済んだのだ」と考えるべきなのか、それとも・・・と考えたが、とりあえずは「減量」という課題に先に取り組むことにして思考停止中。

ついでにもう一つ付け加えると、帰国翌日に最近お世話になっている鍼灸の先生のところで「背中の艶が全然違うなあ」と驚かれたのもまた事実。
漢方薬膳、医食同源、実に侮りがたい。
単に栄養過多なんじゃ・・・などとは考えぬのが花というものだろう。

以上、根拠もいいかげんな実にどうでもいい話だが、お茶など飲むと寝つきの悪くなる向きはお気をつけあれ、ということでご参考までに・・・。

尚、このあたりの話に詳しい方がいらしたら是非ご教示賜りたく、よろしくお願い申し上げます。  
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2008年01月18日

香港ぶらぶら雑感記 其の二 〜ホテルの部屋割りについて〜

今回の旅行では、ホテルは日本から手配していった。
旅行代理店勤務の友人に値段が安いところを数軒選んでもらって、なんだか街中だなあという印象のホテルを選んだ。
海だ山だと自然に親しむのが目的でなければ、とりあえず街から離れていないほうが足回りが良い。うちの夫婦はなんとなく二人で出かけても途中で別行動になることがよくあるし、別々に出かけて後で待ち合わせるのにも、ホテルが街中ならば部屋に戻ってくればよいので面倒くさくない。

いや、ちゃんと地図が読めて常人並みの方向感覚があれば、そういうことまで考えなくっても良いのだが、なにしろ私は世界で二番目に酷い方向音痴なのである。
本当は世界最悪だと思っていたけれど、結婚して自分より酷い人類がいるのを知ってそうとうがっくりきたものだ。
どうでもいいけど「メカ音痴」も同様。

まだうら若き未婚の時代、「結婚すれば道と機械で困らなくてすむようになる・・・♪」という実に美しい期待と夢を胸に抱いていた。
結婚に夢を描くようなカワイラシイところはなかったが、そこんとこだけはなんとか、と願い信じていたのである。
こういう日和見は、神の試練を呼ぶらしい。
たったそれだけの夢を、何故完膚なきまでに壊したもうたか、ああ神よ。
「甘えんな」ということだろうか。そうだろうな。

さて「ホテル裏話」をここで一つ。
馬鹿馬鹿しい話で旅行記ですらないのだけれど、なんとなく思い出しついでに書いておく。ご参考までに。

ホテルにチェックインして部屋に入った。
部屋が何処にあるのかよくわからなくて軽く嫌な予感がしたのだが、案の定これがちょうどエレベーターの真横、というよりむしろ「真裏」にある部屋だった。
小さめのダブルベッドが一つ、部屋の真ん中においてある。
ダブルなので「お二人様用」と言い張れば言い通せる部屋だ・・・が、しかし・・・。

なまじ元がホテルの人間だったので、チェックインでごった返すロビーの風景とともに、悲しいかなストーリーが全部読めてしまった。
ドアに張ってある避難経路などを示したフロアプランを見ても、これは「添乗員乃至はとても運の悪い客」に振るべき部屋、つまり「スカ部屋」なのだ。
トランプで言えば「ババヌキのババ」。

まずそもそも、エレベーターの真横の部屋は、かなりしっかりした作りの一流ホテルでも案外音が耳につくことが多い。
もちろん世界中どこのホテルでも同じだ、ということでは決してないのだが、程度の差こそあれ廊下の人の出入りや、ホテルの構造によってはエレベーターの音などまでが耳につくことがよくある。
この辺の感じ方は個人差があるので気にならない人も結構いるが、自分が夜寝るときなど周囲の音に神経質なほうだという自覚があったら「エレベーター真横は避けてほしい」というリクエストを出したほうがよいかもしれない。
どうせ出すなら事前の予約時に言っておいたほうがよさそうではあるが、この辺は結構微妙なもので、ホテルによってはおっそろしくワンフロアの廊下が長いところもある。
しかもこういう「スカ部屋」が廊下の端にある場合もある。
だから、忙しい人はチェックインの段階で「エレベーターの真横は避けてほしい」という希望を伝える程度にするのがとりあえず無難ではある。
我々のような暇人はとりあえず部屋に上がるが。

さて、読めてしまったストーリーとは、以下の通りだ。

1.この日、このホテルは満室だ(→あとで聞いたら「オーバーブックしていた」そうだ。かわいそうな深夜着の客が何組か、近隣のホテルに送られたはずである)。
1.満室ということは、ホテルのありとあらゆる部屋をうまく割り振らないといけない。
1.本来は添乗員や一人客に回すような部屋だって、ナンダカンダと二人突っ込む算段を考えなければいけない。
1.しかし、こういう部屋に体のでかい欧米系の夫婦などを突っ込んだら、即座にフロントに戻ってきて暴れまくられるのが目に見えている。その点、日本人は体が小さいし(うちのオットは日本人としては完全に規格外なのだが、そこまで予測しているはずがない)、おとなしいのであまり不満を言わないはずだ。
1.日本人ならば、とりあえず欧米系のようにクレーム大爆発の危険性は薄い。
但し、法人契約などのある現地企業からの予約客にうっかりこういうことをすると、ホテルで暴れなくても現地で手配した担当者にクレームが入ったりして、あとの取引に障りが出かねないので、これは避けなければいけない。
1.現地のオペレーターのアテンドがつくツアーグループの場合は、やはりクレームになりやすい。これもアウト。

・・・で、我々の場合は「レジャーできた個人客。日本人。アテンドなし」だ。
爾後のビジネス取引に支障はなく、予約元から怒鳴り込まれても大方「ゴメン」ですむ。
しかも、レートを安く上げるために全額前払いのバウチャー持参なので、いくら暴れてもホテルの変更は不可能。出て行ってくれるならば、事前支払い分を全て掛け捨てにせざるをえない。
こういう状況のホテルにしてみればむしろ嬉しいくらいだ。

このように書くと、このホテルは極悪非道で悪辣に思えるかもしれないが、こういう日のフロント責任者に課せられた使命は「なんとかしてこのスカ部屋を穏便にどこかの客に押し付けること」だ。まさにトランプのババヌキの世界。
お客様全ての満足よりも優先させるべき責務を背負って、つらい一日を過ごしているのである。
上手なババヌキが、その日の仕事の全てといってもよい。
そもそも、我々の払っている宿泊料は部屋タイプ指定のあるものではないので、ホテル側に原則部屋の割り振りを決める権利がある。
だから、こういうことがあっても大声で怒り狂う権利まではない。
この場合は、まず「お願い」から始めるのが無難だ。

それにしても、一泊で出て行くならともかく、三泊しようという客(ワレワレ)にババを抜かせるなんてあまり感心しない部屋割りではある。
ホテル・ビジネスは一応「ホスピタリティー・ビジネス」なのだからね。

とりあえずフロントに電話をかける。
なんといって状況を説明するのが一番穏便にコトが進むのかなあ、とちょっと考えて、小賢しくて鬱陶しいようだが本当のことを言ってしまうことにした。

小薀蓄をたれるようで気が引けるが、こういうクレームをつけるときに感情的になってもろくなことはない。
多少英語の出来る日本人ゲストが「現地人スタッフ」を居丈高に罵っているのを見たこともあるが、こうなるともう相手のホスピタリティーは引き出せない。
自分も気分が悪くなるので、いいことなしだ。

フロントに電話して、チェックインを担当してくれた日本人のスタッフに
「こういう日に文句を言って申し訳ないけど、この部屋なんとかしてくれませんかねえ」と、頼むことにした。
「私、あんまり言いたくないけど、実は元ホテル業界の人間なのですよ」と付け加えた。
「どうせババヌキをやるんなら、別のお客さん相手にやってもらえないかなあ。
私たちは三泊もするけど、夜遅く来て明日出て行くような人もいるでしょう」

別にフロントの責任者に言っても良いのだけれど、まあとりあえずは現場で処理してもらうほうが丸く収まることもあるのだ。
その段階で埒が明かなかったり、対応に誠意がなかったりした場合には、正式なクレームとして責任者を呼び出せばよい。

結果、速効でもっと広いまともな部屋が出てきた。
さっさと部屋を取り替えてくれた以上、感謝こそすれ不満はもうない。

付け加えると、このホテルの日本人スタッフのMさんには、その後大変親切にしてもらって、大変ありがたかった。

以上のストーリーを反芻すると、妙に可笑しくなってくる。
こういうババヌキ話はすっかり忘れていたので、一瞬だけれども懐かしさまで覚えてしまった。
忘れた頃にババを引く、かあ・・・などと、感慨すらあった。

部屋替えの間に街に出た。

看板気のせいかもしれないが
香港の看板はむやみに巨大で
字も馬鹿馬鹿しく大きい。
オットにそう言ったら
「香港の人は目が悪いのだろう」と・・・
いや、そこじゃないと思うんだけれどなあ。


本当のところ実寸で図ったらどうなのか、ちょっと気になるところではある。  
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2008年01月13日

香港ぶらぶら雑感記 其の一 〜摩天楼が怖い・・・〜

どこが「中東ぶらぶら」だ?!という内容が最近多い。
一応反省とともに自覚はしているのである。
ごめんなさい。
今年もこんな調子でやっていくことになりそうな予感はするものの、細々とでも継続予定なので、たまにお付き合いいただければ何より幸い。
よろしくお願いします。

だから、というのも変だが、外れついでに年末年始に出かけた香港・マカオの旅行雑感など。
他人の物見遊山の話など、本来面白くもなんともないものだとは思うけれど、たまにエジプトなどを思うこともあったので「雑記」ということで書いておこうと思う。

おかしなもので、どこかで何か変わった物や事態に遭遇すると、何故かカイロをつい思い浮かべて比較対照している自分がいる。
東京や横浜はその次だ。
一体何がこの身に染み付いたのかわからないが、反射的にそうなる。
今回しみじみと実感した。

食べ物関係に関心ある向きは、別ブログ御参照のこと。
旅行というよりも、単に場所を変えて中華を喰い散らして歩いただけなので、喰い意地至上主義な日常生活の延長。
中華圏に関しては果てしなく無知なので、本当に口を半分あけてのどやかに「ありゃ、こんなところにあんなもんが」と思ってオシマイ。
なんら深い洞察も知見もない。
あるはずもないが。

さて、以前香港の空港と言えば、密集したビルの群れに突っ込んでいく怖さで悪名高かった。
20年ほど前に行ったとき、確かにこりゃあ怖いと思ったものだ。
通り過ぎるビルの中でどこかの家族が食べてる夕食のおかずがわかるような距離感で、なんと飛行機が滑走路に入るのだ。
あの時見えたような気がした鶏のローストは、たぶん錯覚なのだと思うけれど。

1998年に新空港になったそうで、今回はごく普通の空港だった。
昼間でもあって、羽田に着くのと感覚的に大差ない。

しかし、街に向かうバスが走り始めて街が近づくにつれて、なにやら堪らない耐えられないようなムズ痒さが体を這い回り始めた。
遠景に見える林立するビル群が、なんともいえずキモチワルイのである。
生理的な拒否感、とでもいうのだろうか。
ナンダコレは、と不思議な気分になる。

ごちゃごちゃ混んだ街といえば、カイロにしてもイスタンブルにしても、生まれ育った東京にしても似たようなものだ。
「ああ、都会だな」という印象以外のものは感じない。
20年前の香港でもそんなものだった。

カイロの街に20年前に初めて入ったときなど、奇妙に心安らぐのんびりムードまで感じたほどだし、ソウルに行けば毎度説明のつかない懐かしさまで感じる。

遠景に街を眺めて「キモチワルイよう」などと思ったのは、ひょっとしたら初めてかもしれない。

具体的にナニが?、とキモチ悪さを堪えて眺めながら考えた。
どうもビルがひょろひょろと細長くて頼りないかららしい。
それが、痩せた針葉樹林のように密生している。
ううう。

例えばカイロにもボロいビルは結構建っていて、実際地震があると簡単に崩れて瓦礫の山になったりするものも多い。
多い、などと簡単に書くと叱られそうだが、現地で建てる過程を見ていると「さもありなん」と思う。耐震構造云々など明らかに観念外で、一部の高級高層建築を除けばとりあえず下から階を積んでいって、ある程度できたら住み始めてしまうパターンに見える。

しかし、こういった「古くてぼろいビル」の場合、高さもたかが知れているのである。高くたって20階がいいところだ。
高所恐怖症傾向がある私には、十分すぎるほど高くてツライが、まあまあなんとか耐えられなくもない。
そこに住め、とか、窓から半身を乗り出して両手を振ってみろ、とか言われさえしなければ。

香港のビルも多分カイロと似たような高さに違いないのだが、一体どうしてこうムズカユイのか・・・とさらに堪えて眺めていてわかった。
底面積が圧倒的に小さいのだ。
どう見ても5階建てがせいぜいではないか、と見えるビルが20階建てくらいになっているから、ものすごく心許ない感じになる。
ああ、コワイ。

話がずれるが、最近通っている鍼灸の治療院は、横浜中華街のとある怪しげなビルの中にある。年が明けて「香港とは怖いところである」という話の例で、そこの先生に「このビル(6階建て)が20階建てになったようなのが、うじゃうじゃ並んでいるんです」といったら、先生は身を震わせて「考えたくもないなあ」といっていた。
そんなところを想像すると、私もつい脊椎の末端部がキュッと収縮するような気分になる。

怖くてどうもカメラを向ける気にもならなかったが、まあ例えばこんな感じだ。

Happy Valley宿泊ホテル近辺。
前が広々した競馬場だったので
比較的心穏やかに見ていられる風景ではある。
でも、斜面地にニョキニョキ建つ
細長いビルの影がやっぱり怖い。

変なビルなんじゃあ、こりゃあぁぁ!
と、思わず叫んでから
慌ててシャッターを切った。
ちょっと遅かったが・・・
このビルの底部にご注目を。

このビル、下に普通の平たい建物があって、その上に乗っかった構造なのだが・・・一体どういう理由で「つながり部分」を細くシェイプしなければいけないのかっ?!
嗚呼、よくわからない・・・。

薄いビル正面から見ると大きなビルだが
横に回ると映画セットの書割のように
不気味に薄っぺらい建物。
しかも斜面地に建っている。
間違ってもこんなビルに入居したくない。

このままではわかりにくい。
「なんで?どこが?」と思ったら、クリックして写真を拡大してみてください。

20年前の香港で何も感じなかったのは、上に目をやる気持ちの余裕がなかったからだろうか?
それとも私自身の生理的感覚が、20年の間に変わってしまったのか?
ソウルを見てもカイロを見ても他のどこの街を見ても、20年前と生理的に感じるものが大きく変化した、ということはないのだけれどもなあ。

香港自体がニョッキリと、全体に上に向かって伸びたのかもしれない。
成長する剣山のイメージ・・・しかも座りが悪くて倒れそうな・・・と考えて、先端恐怖症の傾向もある私はどうも具合が悪くなってくる。
まったく「摩天楼」とはよく言ったものだ。

ゴジラやガメラやウルトラマンが出てきて暴れられたのは、昭和中期の東京だったからだよねえ、混んでるようでまだスペースがあったねえ・・・などなど、どうでもいいことを考えるうちに、街に入って少し落ち着く。

遠景は怖いが、中に入ってしまえば単なる都会の雑踏だ。
混雑はキライだが、少なくとも生理的な恐怖感は消えてほっとした。
「とりあえず、むやみに上を見ないこと」と自分に言い聞かせながら、バスを降りてホテルに入る。

食べるもののことだけ考えていれば、とりあえず気がまぎれるので(?)、街に出てガツガツといきなり大食をした。  
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2007年12月30日

旅支度について、そして旅行の準備について(どうでもよい長い雑文)

先の記事で今年はオワリとしたつもりだが、なんとなく旅行気分が盛り上がっているなか「いったい旅行の準備は大丈夫ですか?」と心配してくださる方が現れた。

彼女はこのクリスマスに「酒にあうケーキを!」という私の勝手な要望に見事こたえてくださった、いわば恩人である。

だから彼女のために、と言うと相当恩着せがましいが、まあなんとなく私と夫の旅支度の話でもして、今年最後の記事にしようかと思う。

長い話が始まる前に一応申し上げておくならば、彼女が個人的に各種相談に応じてくれる「キッチン山田」のスイーツはスバラシイ。
ケーキやお菓子のご用命は、是非どうぞ。

さて私の旅支度の話。
一応どうも英語ではラチあかんような気がする国に行くときは、
現地語を一日中聞いて耳だけ慣らすことを二週間ばかりする。
旅行会話の超基本形だけを繰り返すテープを買ってきて、ベッドの中でラジカセのスイッチを押し、歯を磨きながら、シャワーを浴びながら、ご飯食べながら、A点からB点に移動しながら・・・と、テープが伸びきるまで聞き続ける。
一生懸命勉強しなくていい。
とりあえず聞き流しておいて、気になったところは暇なときにテキストを眺めたりすればよいのである。

もちろん流暢な会話など望めないのだが、少なくとも駅や空港の構内放送は聞こえるようになるし、自分の要求を口に出した結果、相手の返事する内容に対して、ワカランまでも「わからないからわかりやすくいってくれ」と頼んで同情を買うくらいにはなる。
その程度のナントカなり方、ではあるが、まあやらないよりはマシだ。
たぶんそうなのだ、と信じたい。
低レベルだと笑うならば笑ってクレ・・・。

尚、そういうことをしていた時代からすると、いまはiPodとかいうものができて情勢が変わったらしいが、私と夫がそういう旅行をしていたころは、まだまだ「ラジカセ」が健在だったのだ。

ちなみに夫は「財務・経理・内務担当班」なので「語学・手配・渉外担当班」の行動にはタッチしないことになっている、と抜かす・・・むっとくる、が、この辺のパワーバランスは日本の省庁と大差はなく、結局英語以外の各国語は私に振られておしまいなのである。

でも、今回は香港・マカオだ。
「甘いっ!」といわれりゃあそれまでだが、とりあえずのサバイバルはイギリス旧植民地(マカオはポルトガルだが)だけに英語でなんとかなりそうだ。
私も夫も英語はどうにかなる。
別に自慢でもなんでもなく、各々のナリワイにかかわるものだからだ。

ちなみにさっきの話に戻すと、我が家でフル装備スタンバイしていたのは
「ベトナム語」の教材だった。

しかーーーし!
なんと残念なことに、思いついたのが12月はじめごろ。
ああでもないこうでもない、と言っているうちに、結局フライトもホテルも
「取れることは取れるが、超高額」という事態に陥っていたのだった。

特にホテルがどうにもならない。
高級ホテルにはこだわりません、と友人のトラベル・エージェントに言ったら
「ホーチミンのホテル状況は、昔のカイロのようなものだと思いなさい」と。
彼女はカイロ時代からの友人なのである。

そう、こういうときにトラベルエージェント経由で泣きついてくる個人観光客など、現地のソコソコ高級なホテルにすればネギを背負って鍋までぶらさげた鴨、なのであったよな、嗚呼。
これって「業」というものだろうか、嗚呼。
そして「こういう土地」の高級でないお手軽ホテルの場合は、自分の目で見て確認せずに泊まるなど暴挙だ。

ホーチミンに行ったことがないので、私の知っていた時代のカイロとどの程度違うのかわからないが、土地勘のない場所で家なき子になってウロウロするエネルギーを他に回したい場合、そういうことになる。

ああ、ご旅行は計画的に・・だねえ、と諦めた次第。

そこで次の候補に上がったのが、台湾、シンガポール、バンコク・・・といったところだが、香港、ときたところで「あああああああぁぁぁ、行きたぃぃぃぃ!!」となった。
香港と言えばマカオだからだ。
マカオと言えば最近読んでどっぷりとはまった、バリー・アイスラーのジョン・レインシリーズに出ていたではないかいな。

(ちなみにジョン・レインとは、日米ハーフでベトナム帰りの、主にCIAをクライアントとする殺し屋。設定だけ聞くとアホらしくてたまらないが、読めば必ずはまる。A.J.クィネルにはまった経験のあるヒトは必読ですぜ。できれば、一冊目から。東京を舞台に日本の政治に暗躍する巨悪に立ち向かいます。あ、そりゃあアホ臭い、とかいわずに、まあ読んでみてください)

雨の罠 (ヴィレッジブックス)


しかもこの界隈ならば、二週間集中洗脳術のようなことをせんでも、どうにか英語でイケそうであろう。
「イケそう」というのは、即ち「ウマイモノの飲み食いに困らなさそう」ということなのだが。

ウマイモノというからには、やはりそれなりの準備を・・・と思えば、そういうことも特になく、「誰かなんかあったら教えてね」といって歩く程度だ。
最近信頼度急上昇の「地球の歩き方」だけ買ってはある。

さて、昨夜のこと。
夫、突然いわく
「旅行に持っていく本はもう用意できたの?」

私が夫の海外出張にあたって、妻らしく準備をするのは「本」なのだ。

「今回は本はいらないでしょ」
「いや、どうせキミのことだから、部屋で寝ながら本ばっかり読んでいるんじゃないかなあ、と・・・」

イヤミのつもりだったらしい。
だから、ちょいと極端ではあるが、我々夫婦の旅行形態を思い出させてあげるために、敢えて言ってみた。

「本ばっかり読んでグダグダ暇暇に寝てばっかりいたって、香港でもマカオでもお腹が空いて外に出れば、ホテルの向こう三軒両隣には香港やマカオの麺屋・飯屋・粥屋なんかがあるんだから環境は十分違うでしょ!」

香港・マカオはそういうところらしいと聞いて、そういうホテルを選定済みでもある。ホテル探しが面倒くさいので、日本から手配可能な安ホテルで手を打つあたり、よくも悪しくも年を喰った感じはするが。

尚、私は商用でない旅行の場合は、ホテルは清潔に寝られればどこでもいい。
ホテルライフにほとんど個人的関心のない元ホテルマンなのだ。
ついでに言えば、観光もどうだっていい。
観光や名所旧跡にほとんど個人的関心のない元観光ガイドで、元観光業関係者なのだ。嗚呼。

実はひっそりと情報は集めてあるし、なんかうまいもんを食べに行くもんね♪と、ルンルンしているのだが、その辺の計画に関しては「財務・経理・内務担当班」の関知する所ではない。
ふん。

高級店に行くつもりもないので、一週間くらいならば多少の着替えで済む。
まあ、確かにあとは本だけだな。
読んでなくて読みたい本なんぞ、部屋にナンボでも積み上げてあるから、別に悩むことではないのだが。
だがそれをあからさまに言うと「書籍代が家計にのしかかる云々かんぬん・・・」が始まるので、賢く口をつぐんでいる私なのではある。
夫の分は、ジョン・レインで十分であろう。

忘れてはならない重要事項としては「猫の預け先」だが、この数年毎年お世話になっているかかりつけの獣医さんにお願い済み。
ゴメンね、おまえたち。ヨイコにしていておくれ・・・。

あとは手近にあるカバンなどに、着替えと本などを適宜突っ込んで、パスポートと航空券などを確認すればよい(自分の荷物とパスポート以外は「財務・経理・内務担当班」の仕事ではある)。

と、いうことで、単に長い独り言でありんした。

行って参ります。
  
Posted by arimaburabura at 06:10Comments(5)TrackBack(1) | Amazon.co.jp | 楽天市場 | ブログ