2006年09月09日

再び、ファラオの復讐について(其の二 対策編) 【第62話】

(其の一の続き)


●それでも、当った場合・・・

さて、前回は「ファラオの復讐 その予防法」だった。

私が経験した限り、暴飲暴食を避け、冷たい水をがぶ飲みしない、としていると、
かなりの確率で「当り率」は下がる。

実際、私の友人など、言うこと聞いてるうちは大丈夫だったのに、
ある日ルクソール西岸であまりの炎天下に耐えかねて、止める間もなく
「冷たいミネラルウォーター、イッキ飲み」に走り、結果、その晩は一晩「P状態」
で泣き暮らしたことがある。

この場合は、特に高熱を発したり吐いたりしていたわけではなかったので、夕食は雀
の涙程に押さえ込んで(本人食欲もなかったし)、早く寝てもらったら翌日には回復し
ていた。

勿論「シャイ・ビ・ナーナー(ミントティー)」をしっかり飲んでもらった。
軽い不調は、これで何とかなる。
と、いうか、何とかなってほっとした。

用心していても、やっぱり当るときは当る。
そういう場合、恨みがましく思っても仕方がないので「ファラオに愛された証」
と考えれば、少しは気がラクになろうか?

さて、ここで一番いけないのは、素人療法と痩せ我慢である。
(注:上記の友人の話で、ワタシがやったこともまあ「素人療法」の範疇だけれど、とりあえず一晩様子をみて、状態が悪くなるようだったらドクター、と思っていたのだ)。

どこかのSNSなんぞみていると
「正露丸を倍量飲んで、日本の下痢止めと風邪薬を飲めば治る」
などと、想像するだに恐ろしいことが書き込んであったりして、なにか書き込んで
注意喚起すべきかどうか、結構悩むこともある。
これなど、空恐ろしいことに、某添乗員さんの「知恵」らしいのだ・・・ヤメテクレ!

正露丸は水当たりくらいにしかきかない。
倍量なんぞ飲むと、胃が荒れて余計辛いだけだ。
また、あまりの辛さに手持ちの止寫薬を服用して、下痢と吐き気を止めようとするの
も危険だ。

これはお医者さんに聞いた話なのだが、下痢や嘔吐というのは、体内に入ったバイキ
ンなりウィルスなりの「異物」を、生理的に肉体が追い出そうとしている状況なので、
素人判断で止めると、出て行くべきものが体内にとどまることになるから、余計ひど
いことになりかねない。

発熱も同じで、体内の抵抗勢力と侵略軍が熱く戦っている証拠、なのである。
軍事情報っぽくいうと(?)。

そこに「解熱鎮痛剤」など送り込むと、どっかの先進国の外部勢力が余計な介入をしたように、戦況を泥沼化させることがある。

この熱を、どのタイミングでどのように下げるかは、素人が判断しないほうがいい。

風邪薬???
日本で「こりゃ流感だ〜」なんてとき、「風邪薬」で治そうとしますかね?
と私は聞きたい。
まったく、どこの誰がそういう何の根拠もない「素人療法」を得意げに吹聴するのだ
ろうか。

SNSのコメントに思いっきり「バカタレ!」と書き殴りたい衝動と戦うのに疲れてきたので、最近はあまりみないようにしているのだけれど。

尚、一点重要なのは「水分補給」だ。
上下ともシンガポールのマーライオン化している(おお、失礼)ので、当然脱水症状になる。

もちろん「冷えたミネラルウォーター」などでないのは当然で(もう目の仇にしてい
るのだ)、理想的には「ぬるいお湯」。
もし手持ちで「ポカリスウェット」の類などあれば、吸収がいいので
「冷やさないで」飲む。

こういうときに、日本からこっそりスーツケースに忍ばせてきたティーバッグの日本
茶の類は実にありがたい。若干でも食欲があるなら「インスタント味噌汁」でもいい。

あともうひとつ、こういう状況下「熱いお湯がほしい」と思ったら、
日本人が常駐しているような「高級ホテル」であれば、ルームサービスに電話をかけて

"Boiled water, please!(ボイルド・ウォーター・プリーズ!)"

と各自申し述べていただきたい。

日本人のスタッフが対応してくれるケースも勿論あろうが、ゲストはあなた一人では
ない。
だから、他のことで駆けずり回っている場合など、逆に対応が遅れかねない。
ルームサービスに直接頼むほうが、間違いなく早い。

ホントウです・・・ホントウなんです・・・(経験者、談)。


●ドクターを呼ぼう

そういうわけで、できれば旅行保険に入っておいて、ホテルなどでドクターを呼ぼう。
旅行者のこの類の症状は、本人まことに深刻ながら、申し訳ないことに現地関係者は
「慣れっこ」だ。

カイロのホテル時代、必ず発生する会話の定形があった。

「お薬だけあればいいですから」
「いえ、現地のお薬を中途半端に飲むのは危険ですから、お医者さんを呼びましょう」
「お医者さんを呼ぶほどではないですから」
「こちらのお薬が必要なほどの状態でしたら、お医者さんに来ていただくのが一番です」
「・・・でも・・・」
「30分以内にドクターがお部屋に参りますので、お手伝いがいるようでしたらお電話
下さい」

で、ヨロシクドーゾ、なんていってドクターを呼んでいたものだ。

逆のパターンを日本のホテルでも経験したし(ゲストはエジプト人。第33話参照)、心情的にはよく理解できる。部屋までドクター往診というのは、ものすごい大事のようで気が引けるのである。
でも、旅行保険に入っておけば、薬代まで申請すれば戻ってくるのだから、そのほう
が得だ。

そして、大事なのは「ん??!!」と来た初期に押さえ込むことだ。
我慢強く日本から持参の薬を飲み続けて、状態を悪化させたゲストを何人見たかわか
らない。

エジプトのドクター、と言われると、申し訳ないけれど正直なところ「大丈夫なの
か?」と思いたくなるが「ファラオ関係」に関してはプロだ。

「日本に帰れば、いいお医者さんが・・・」というのもケース・バイ・ケースで、とりあえず「きちんと信頼できるドクター」を呼んでもらって、一応診察を受けることをお勧めする。

別に脅かそうというつもりはないが、カイロのドクターなら即座にわかる単純な病状
が、日本のドクターには「得体の知れぬ奇病」であったりするケース、なくはないの
である。

これは元在住者のケースだが、カイロで特殊な食中毒を起こした人が、丁度帰国直前で「日本に帰ってちゃんと診てもらうから」と帰国して、病院に即駆け込んだが原因不明。
検査検査でたらい回しにされているうちに、不幸にも亡くなられた、という話もあった。
カイロだったら「よくある病気」で、即対応してもらえた状態だったという。

これは極端に特殊な例ではあるが、意外に「現地の病は現地の医者が強い」というのは、半分くらいは真実だとおもう。
少なくとも、エジプトでは。
勿論、病状にもよるので100%とは言わないが、少なくとも日本の医療は万能ではない
し、エジプトにも信頼できるドクターはいる。

まあ、ろくでもないのも勿論いる。
でも、そういう「ヤブ」は日本にもいる。
だから、その辺を言い出したらきりがないのではある。

とにかく旅行者と病気というのは、彼の地では切っても切れない縁深いモノなので、
安宿から高級ホテルまで、とりあえずドクターは呼んでもらえる。
その辺は、下手をすると日本のホテルよりしっかりしているかもしれない。

ただし、各個人差のあることなので、健康上の不安がある方は、あくまで念のため、
出発前に主治医に相談をして、そういう場合の対応策を聞いておくとよいかと思う。

そして、どうせドクターにきてもらうなら早いほうがいい。
熱がでた、吐いた、という段階で、変に手持ちの薬でごまかさずにお医者を呼ぶべし。
我慢して長引かせるだけ、体は消耗する。

尚、ホテルによっては24時間呼び出し体制のドクターがいる。
これが、日本の高級ホテルだと「救急車対応」になるときいて、たまげたことがある。
この辺は、エジプトのほうが濃やかだ。



●水よりからだにいい飲み物

だんだん説教臭さがエスカレートして、書いてる本人疲れてきたから、少しは楽しい
話。

「現地のお飲み物」

けっこうお腹によい飲みものがあるのだ。
お試しあれ。

「シャイ・ビ・ナーナー」:ミントティー

何度かでてきたが、消化整腸作用がある。
ビュッフェでつい食べ過ぎたかなあ、などという時にも、胃がさっぱりしてよい。
苦手な方も、薬だと思ってお飲みください、是非・・・。


「カルカデ」:ハイビスカスティー

現地では、冷やして甘くして飲む。
ジュースのようだが、実はお茶なのだ。
赤い色をしていて、見た目にもキレイだ。

高血圧にきく。体の熱を取る作用があり、ビタミン豊富。貧血にもよい。
現地のものというのは、実にうまい具合にできている。

尚、日本でも最近よく見かけるようになったが、非常に高い。
エジプトなら高級スーパーマーケットなどで買っても、一キロ1000円もしないので、
お土産にもよいかもしれない。

「アシル・リモーン」:レモンジュース

エジプトのレモンは、どちらかというとライムに近い。
これも生のレモンを山ほど絞って、甘くして飲むので、ビタミン補給や体の熱さましに
よい。


食後のコーヒー(いわゆる「トルココーヒー」と言われているもの)も、
現地風の濃厚なものは、アニスやカルダモンなどが入っていて、消化促進や解熱によい。
クセはあるが、是非おためしあれ。
あれだけ飲むと「ナンダこりゃ??」と思うが、現地の食事のあとにいただくと、
なるほど胃がさっぱりする。

郷にいれば、とはよくいったものだなあと、こういう飲みものの効用薬効などをきくたび、つくづく思う。

(2006年9月8日配信)  

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2006年09月02日

再び、ファラオの復讐について 【第61話】(後編)

(前編のつづき)

●自己管理について

気がついたら二ヶ月も連載をサボっていた私に、自己管理のナンタルヤを言われるなど、
読者の皆様にしてみれば噴飯ものであろうが、耐えてこらえて聞いていただきたい。

結局のところ、エジプトなど中東に限れば、旅行中に体調を崩す原因は以下の三つ。

1.寝不足
2.過労
3.暴飲暴食

単純な話だ。
以下、解説。


1.寝不足
大人が一週間も海外に出ようと思ったら、仕事を休むことになる。
忙殺されて寝不足になっているのが普通だろう、と思う。

専業主婦は関係ない?!
とんでもない、主婦だって毎日の仕事プラス留守宅の手配などがあるのだ。
買い物、お土産、挨拶などなど、普段の仕事に乗っかってくる仕事で忙しいのだ。

経験的に、ツアーで最初にダウンするのは若い独身者が多い。
でもこれは「最近の若いもんはだらしない」からでは必ずしもなくて、
一人で全部抱え込んでいるからではないか、と思うことがある。

そういうわけで「疲労との戦い」は、実は旅立つ前からはじまっているのだ。

出発前夜は荷造りに追われ、あるいは興奮してほとんど寝つかれず、挙句に朝が極端に早かったりする。

飛行機の中で寝て行けばいい?
ここでとれるのはあくまで「仮眠」であって、しっかり横になって眠れるわけではない。
疲れは、取れるどころか増しているのが普通だ。


2.過労
1と同じ話だが、とにかく「休暇だから眠れる」という信仰に近い感覚をもって、
皆様それぞれ、最寄の国際空港に向かう。

特に旅程が決まってなければ、行った先の最初の宿から一歩も出ないで、ぐっすり眠るというのもアリだろう。
贅沢だけど、場合によってはありうると思う。
私自身も「休暇旅行=場所を変えた健康的熟睡環境での生活」だった時期がある。

だって「バケーション」だ「バカンス」というのは、本来「空にする」という言葉が
元になっているのだ。まあ、空っぽになる手段は人それぞれ、ということだけれど。

さて、そういうワガママな人種はおいといて、旅程の決まったパッケージツアーだと、
添乗員さんの申し述べた「明日の旅程」は、絶対なのである。

「それでは皆様、明日の行程をご説明申し上げます。

モーニングコール 2時半
お荷物を廊下に3時までに出していただきまして、ご朝食。
チェックアウトを済ませていただいて、ロビー集合は3時半、出発4時と・・・」

カイロから、ルクソール、アスワンなどの上エジプト方面に移動するときなど、
これが普通だ。

本当は、旅程のゆったりした、詰め込み型でないツアーで行くのが理想的だけれど、
なかなかそうもいかない。
ほんの5日か6日の間に、強行軍でエジプトの名所旧跡を訪ねる旅が始まる。

そして、疲労はますます重なって行くのである。


3.暴飲某食
かくのごとく、パンチドランカー状態の老若男女が遭遇するのが、まずは「飲みもの」、
次に「食べもの」だ。
そして実は、一番ダメージが大きいのが「飲みもの」なのである。

でもまず、食べものについて。

エジプトに限ると、食事はビュッフェが中心になる。
地方では、朝、昼、夜と続くこともある。

イヤミに聞こえると悲しいのだけれど、日本人の行動をみていて「やれやれ」とおもうのが、ビュッフェを皆でいただくときだ。

日本では「バイキング」、またはもっと直裁に「食べ放題」と訳されている。
そこに歪みが生まれる。

私も実は深層意識の中ではそうなのだけど
「ビュッフェ=バイキング=食べ放題」
となって、とにかく片っ端からイッテしまえ・・・となりがちなのだ。

しかし、エジプト現地のビュッフェの料理というものは、例え朝食でもけっこう脂を
使っている。
ランチはビュッフェか定食かわからないけど、きっちり食べる。
そして、ディナーの豪華なビュッフェに突入。

ここで考えてみてほしい。
あなたは、日本にいるときに、一日三食お腹一杯食べていますか?

しかも、中東や欧米に関しては、一見さっぱり見えても相当な油脂類が使われている。
ホテル勤務当時、某高級ホテルの清潔にして整然としたキッチンで「ひぇぇ〜!」と
たまげるほどの油脂が投入される現場を、目の当たりにしてきたから間違いない。

それだけ食べれば、ただでさえ疲れきった睡眠不足の体に「胃もたれ」「消化不良」がついてくるのは、当然のことではなかろうか?

このようなビュッフェでの過食を避けるには、時間さえ許されるなら、いい方法がある。
レストランに着いたらまず、どんな料理が出ているのか、まず一回り見て歩くのだ。
そして、何をどう食べようか考える。

こうしているうちに、脊髄反射的に熱く燃え上がった「行け、食べ放題だ!!」という一時的興奮状態が、少しはおさまる。そうです、皆さん、冷静に・・・。

見慣れない料理が多い場合は、あまり量をとり過ぎないこと。
食べてみて、もっと食べてみたいと思ったらまた取りに行けばよいのだ。

そうして往復するうちに、意識は「きちんと食べよう」という方向に向くものだ。
そのほうが楽しいし、実は格好良くもある。

尚、これはマナー違反だけれど、取ってきたものが口にあわなかったり、どうにも
食べきれないな、と思ったとき、潔く残すのが明日の自分のためになる。
海外旅行の場合、どうしても日常のバランス感覚を失いがちだし、
食べたらイメージが違っていた、ということも多い。

本来ビュッフェで、取ってきたものの食べ残しというのは、あまり格好のよいものではないのだが、無理をして消化不良を起こすくらいならきっぱり残すべし。

ただし、時間が限られるランチなどの場合は、この限りではない。
状況に合わせながらも「腹八分目」を必ず心の隅におかれたい。


●飲みものについて。

現地で暮らしていれば、日本より時期によっては快適であろうとも、初めて来た旅行者にとっては慣れない環境だ。

そこで暑いと、日本人の場合、特に目だってカチンコチンに冷えたものを飲む傾向がある。

氷がいけない、というのではない。
場合によってはそういうケースもあろうが、氷よりもっといけないのは、
日本人の「カチンコチンヒヤヒヤ執着癖」とでもいうべき習性だ。

あなたたち、お爺さんやお婆さんに言われませんでしたか?
夏場は暑い時こそ熱いお茶を飲み・・・あーーーそこのおじいさんっ!
凍ったミネラルウォーターのイッキ飲みは、やーめーーーーてーーーーー!!!

日本にいるときも、暑い時に冷たいものばかり飲んでいれば胃腸が変になる。

それが、エジプトのように、エキセントリックなほど異国情緒あふれる土地で、
過労と寝不足を抱えて慣れないものを食べているのだ。

挙句に、寝不足、過労、過食・・・ときて、ヘタヘタに弱っている胃腸の上に、
冷たい飲みものをドバドバぶっかけたら、弱った体が余計にへたるのは理の当然。

そうおもいませんか?

ただしエジプトでは、特に暑い時期、水分補給は必須のものだ。

だから、常温のものを常備して、チビチビ飲むのが正解。
冷たいものしかなければ、噛むようにゆっくり飲んでほしい。
それだけで、相当にファラオさまはお喜びくださるのだ。
本当です。

そして、一度口をつけたボトルの賞味期限は一日。
バクテリアが繁殖するからだ。
夜余ったら、髪を洗うときに頭からドバドバかけてリンスするとか、
歯磨きや洗眼に使うとか、あるいは捨ててしまうとか、手段は色々だが、
「その日のうちの使いきり」をオススメする。

最後に、もう一度、大きな声で繰り返したい!

「ビュッフェの食べ過ぎに注意!」
「冷たい水のいっき飲みはやめよう!」

(この項、次回に続く)
  
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2006年09月01日

再び、ファラオの復讐について 【第61話】(前編)

●お詫び

この冒頭、実はこの連載で結構多い、という事実に気がついて呆れた。
呆れるだけで、反省につながらないのはいけない。
いけないと思うが、結局三歩歩くと忘れて、しょっちゅう「お詫び」になる。

こんな筆者を、暖かく励ましてくださる皆様のお気持ちに支えられ、なんとなく休載
していたが、これまたなんとなく再開せんと原稿を書き始めた。

だらしのないことで申し訳なく思うが、エジプト化した猫人間の書く、中東がらみの
徒然の記と思っていただければ幸いである。

マーレーシュ。

ああ、いい言葉だ。
日本語に翻訳不能な言葉だが、敢えていえば「まあまあ、ね」「いやぁ、どうも・・・」
「それはまた、ねえ」「いやいやまあまあ」というような様々なニュアンスがある。

そして、言われた相手も「マーレーシュ」と答えるのである。
返事の場合は「おお」とか「ああ」とか「いや、まあ」みたいなところか?
ともかく、言ったところですでに「赦し」が成立している。

この微妙なユルさは、実にエジプト的だ。
全てがグレーエリアで、ゆるゆると流されていくのである。

と、いうことで、エジプト人のふりをして勝手にお許しをいただいて、
久しぶりに本文に入ろうと思う。



●ファラオの復讐について

実は、夏休みの前に一度「ご注意」ということで上げておこうと思っていたのだが、
今日になってしまった。

でもエジプトのツアーは秋口以降が本番だから、ここで書いても遅すぎはしないだろう
と思う。

いや、別に新しい話題ではなく、昨年の春頃に以下のような話は書いているのである。
関心ある方は、あとで読んでみていただきたく。

http://arima.livedoor.biz/archives/17070534.html


簡略に行こう。

エジプトには、俗にいう「ファラオの復讐」という病がある。
何のことはない「一種の食中毒」なのだけれど、症状は相当きつい。
端的にいうと「強烈な嘔吐、激烈な下痢、灼熱の高熱」と、言いようによっては詩的に
さえ響く病状だ。
しかし、実際に当たったときの「肉体的な」響きは、詩的なものとは程遠い。

その辺の話と予防、ということでもう一回、敢えて書きなおしたい。



●水関係

1.エジプト現地には、ミネラルウォーターがある。
 
 生水については、慎重な人は飲まない。だからといって、別に毒ではない。
 私はカイロで過ごした最初の一年を生水で過ごした。
 やめたのは「たかが20円程度で美味しい水が2リットル買えるのに、
 なぜこの不味い水に耐えなければいけないのか?」と、ある時ふと思ったからだ。
 現地の水は、硬くてカルキが強くて、住居用などは消毒もきつい。
 はっきりいって不味いのだ。

 じゃあ何故ひたすら生水に固執したかって、それは25歳当時の「若気の至り」
 としかいいようがない。
 今思うと馬鹿げてるが、なにか妙なコダワリを持ちたくなる年頃だったのだ。
 かわいいものである。まあ、いいじゃないですか。

 毒物に近ければ、歯を磨いた瞬間におかしくなろう。
 そして、原則その心配はない。

 ただし、水質が硬いのでカルキ分は強い。
 「水が変わると水あたりする」という現象は、極端に言えば九州の人が東京にきて
 も起きることなので、ましてやエジプトならばミネラルウォーターを飲むのが
 常識といってよいだろう。

 だから、飲料水はミネラルウォーター、としても、あとはあまり神経質になりすぎ るのは
 考えものだ。 

 ちなみに、私はエジプトから日本に一時帰国すると、いつでも最初の一週間くらい
 お腹の調子がいまひとつだった。
 まあ、そんなものだと思っているので、普通に飲み食いしているうちに平常に戻る。
 疲れがたまっているときなど、お腹が結構ちくちくした(繰り返すが
 エジプト在住時「日本で」のことだ)、諸事に追われているうちにおさまる。

 もっと気の毒な例を上げれば、来日したエジプト人が日本でホテルの生水を飲んで
 「逆ファラオの復讐」にあうケース。
 
 こういう人たちには、ひっそりと「シャイ・ビ・ナァナァ(ミントティー)」を
 ホテルの部屋に差し入れたものだ。
 お気の毒すからね・・・。
 同じような目にあって苦しんだ経験のあるものとしては、やはりこういうときは、
 出来るだけのことをしてあげたいと思う。

 そう、余談だが、私も現地で数回は経験している。
 別に無傷で十年過ごしたわけではない。
 大抵、他所の国にしばらく「出稼ぎ」に行っていて、戻ってから一ヵ月後くらいに
 発症するのだが、しまいには慣れてしまった。

 私にとっては「愛の帰国歓迎セレモニー by ファラオさま」のようなもの、
 だろうか?


1.「生の野菜や果物を食べるな」という話
 これは、人それぞれであって、個人差が大きいので、一概にはいえないことではあ る。
 
 ただ「現地の水で洗っているから生野菜や果物は厳禁」のような言い方も極端だ。
 特に生野菜というのは、消化が必ずしもよくないし、昔から日本でも
 「胃を冷やす」とよくいう。
 それだけに、胃腸のコンディションが万全でないときには消化不良の元になりやす い。
 
 一般のローカルレストランでは、洗い方や水質などは色々だと思うが、少なくとも
 一流といわれるホテルの場合、水はきちんと浄化槽を通っている。
 過去、カイロ市内一流ホテルを某所が調査したところ、雑菌のレベルなどは特段 
 健康に悪いものではなく、場所によってはボトル売りのミネラルウォーターよりも
 よかった、という話を聞いたことがある。

 だから「エジプトの水で洗った野菜を食べると食あたりする」というのは、
 必ずしも真実ではないし、極端ないい方だ、と思う。
 要するに、本人の体調の問題なのだ。
 
 ただし例外的に、ティーン・ショーキ(トゲ付きサボテンの実)のように
 夏場に道端で皮を剥いてもらって食べるようなものは、一応それなりに覚悟を・・・
 といっておく。

 果物自体はよいとしても、露天だけにナイフなどの衛生管理は言わずと知れてい る。
 衛生管理? 
 露天によっては、売ってるおじさんの手ぬぐいなんかでチョチョイと拭いてお終 い、とか、横にあるバケツに突っ込んで手ぬぐいで・・・という「管理」。
 
 用心深い友人は、丸ごと買って自分で処理していた。
 厚手のゴム手袋着用である。
 そうしないと、手のひらがトゲまみれになって、とても痛い思いをするそうだ。

 「ふうん」と、単純に感心しつつ、衛生状態怪しげなナイフで切り捌かれたものを
 道端で買い食いして10年ばかり、特段問題が起きなかった例もある。
 私と夫と、似たような行動形態の奇怪なお友達のように
 
 これで平気なのは、現地で生活していて体調が平常だからなのだ、と思う。
 抵抗力もついているし、何しろ体が現地化している。

 日本に一時帰国して、生水を飲んだらお腹の調子を崩すくらいだ。

 要するに、この場合、水質というよりは「慣れと体調」なのである。


1.当たれば全て、食べもののせいになる
 これに関しては、野菜や果物と同様で、私は以前から疑問に思っている。
 確かに、体調を崩す理由は多い地域ではあるけれど、それを全てエジプトの
 食べもののせいにするのもひどい話だ、とよく思う。

 くどいようだけれど、体調の問題、ひいては自己管理の部分が実は大きい。
 詳しくは・・・(つづく)。
 

  
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