2006年05月01日

続 キスと抱擁〜各地各様・・・でも、ホントのところ〜【第54話】後編

(前編http://arima.livedoor.biz/archives/50452070.htmlより続く)

●回数の違い

Nさんによると
「アメリカは一回、欧州は左右の頬へ各一回とスコットランド人の友人が言っていました」
との由。

これは驚いた。
ヨーロッパでも中東でも「基本は二回」だからだ。

ちなみにフランス人だと
「二回は挨拶だけど、三回は特別な人だけ」となるらしい。

二回キスしてから「もう一回ね」と、頬を寄せる。
女性同士ではないけれど、女性から男性の場合はどうなのだろう?

ドイツにいるとき、フランス生活の長いレバノン人の留学生が仲間にいて、いつもそんな感じだった。
長身金髪碧眼の美形美丈夫だった。
いまでも顔が緩む。ふっふふふ。

あの「はい、もう一回ね」は、露骨ではないが微かに男女の匂いが漂う。
あれはあれで悪くないものではありました。
へへへ・・・とか喜んでるようじゃ、いけないんだろうな、ワタシ。

前回徹底糾弾(?)したオジサマがたの「矛盾しとるだろうがオマエ!」
という怒号が聞こえてきそう。
スミマセン。


●例外イベントは大晦日

これも「男女に限る(ゲイ・ピープルを除く)」話だけれど、
ヨーロッパでは大晦日にあっちこっちでパーティーがあって、年越しの瞬間「誰とでもキスしてよろしい」という習慣(?)がある。

それは知っていた。

でも、たまげたのは南アフリカだった。
一度だけ、夫と二人クリスマス休暇を南アのケープタウンで過ごした、
その時の話だ。

人々の日常生活にまでは触れられなかったけれど、少なくともお正月期間は「唇でブチュ」が新年のご挨拶らしい。

私たちは、ホテルのガラディナーなんぞ柄でなー(?)、とか言いながら、
町場のよさそうなパブのカウンターに腰をすえたのだった。
ニズナという、インド洋沿いの静かな落ち着いた町だ。

わいのわいのと町の人で盛り上がる飲み屋で、結構いろんな人と楽しく飲んだ。
で、年明けと同時に、みーんな一斉に「ブチュ」の嵐。
男女のみだけれど。

お正月気分の間、この「ご挨拶」はそこいら辺中で当たり前に見かけたから、一般化していいのだろうと思う。
たとえば、ホテルのフロントのお姉さんと、お客を迎えにきた顔なじみらしい旅行会社のオジサンが、ハッピー・ニュー・イヤー!とハグして軽くブチュっといく。ブチュブチュという擬音はなんだか下品で気恥ずかしいが、本当に「ブチュ」と音を立てるのだ。

だから、そういう「お作法」らしい。

南アフリカ旅行は10日間ほどだったけれど、本当に忘れがたく楽しかった。
この話は、そのうちにまた改めて。

と、こう、かくして、挨拶の形というのは各地で本当に違う。

「日本と欧米では習慣的に安心できる人と人の間の距離に差があるとか。
日本の方が遠いんだろうと思います」と、Nさん。

改めていろいろ教えてくださった、読者のNさんに感謝申し上げます。  

Posted by arimaburabura at 00:01Comments(0)TrackBack(0) | Amazon.co.jp | 楽天市場 | ブログ

2006年04月29日

続 キスと抱擁 〜各地各様・・・でも、ホントのところ〜 【第54話】 前編

●各地各様あれやこれや

アメリカ在住の読者のNさんから、お便りをいただいた。
現地で結婚して長く生活しておられる方なので、アメリカの事情がよくわかった。

以下、Nさんのお便りを併せて、前回の補足をしておこうと思う。
ちょっと「中東」から離れるが、お許しいただきたく
(皆さん、知りたくありませんか?)。

前回の記事で、
「なんだか男同士でブッチュと接吻する「挨拶」も所によりあり、ときいた」と書いた。
どうもロシアの方面らしい。
実態は如何なのであろうか?
是非ロシアに強い方に教えていただきたい。

Nさんによると「唇」というのは、実はアメリカでは「あり」だそうだ。
男女の場合で、かなり親しい間柄の「挨拶」とのこと。

曰く、
「親しい友人の男女や、近所付き合いでは顔を寄せ合いますが、
半分以上は頬で音だけではなく実際に軽く唇を合わせます。
これは流石にダメです。ごく親しい奥さん達との挨拶の時には困惑します」

う〜ん、ハリソン・フォードばりの「近所の旦那さん」だったら、
結構嬉しいかも・・・と思ってしまった私は、所詮「日本のオヤジの一種」です。

困惑する相手としない相手がいそうな気が・・・でも、横で夫が他のオンナと・・・
と考えると「やっぱりだめ!」と思う私はやっぱり日本人です。

オヤジと馬鹿にした皆さん、ごめんなさい。
私も根っこの部分は皆さんと同じであります。
許してくださいまし。

ただし、同性同士はないようだ。
もちろん、ゲイ・ピープルをのぞいて、ということだけれど。
あるなら金輪際「渡米移住」という人生オプションは捨てようと思う。


●キスの回数と「お作法」(?)

所謂この「ハギング」の基本形は、握手して顔を近づけて、
左頬に一回、右頬に一回だと思っていた。

繰り返すけど、頬を近づけて「チュ」というよりは軽い舌打ちみたいな音を立てるだけで、唇はつけない。原則として。

でも、Nさんのお話で、面白いコメント
「アメリカ人にも明らかに初対面の異人種をハグする事に躊躇する人がいます。
習慣の違いを思いやってなのか潜在的な人種の壁かは判りません」

これは両方かなあ、と思った。
日本人ほか一般的なアジア人は心理的に抵抗があり、イスラームでは男女は御法度、などという人種と習慣の違いを理解している人たちも少なからずいるだろう。
アメリカのような国ならば、大人になるまでに相手を困惑させてしまって、困った経験のある人もいそうではある。

でも、正直なところ後者もあり、だろう。

あと、前回書き忘れた大事な基本。

Nさんより
「ハギングは初対面ではあり得ませんし、尊敬の念が有る様な場合は握手が普通です。でも、初対面で話をした後のお別れの挨拶はハグになる事は多い様です」

確かに、初めての出会いまでに余程エモーショナルな背景(なんであれ)
がない限り、最初は握手。
いきなりハグってはいけない(?)のです。
気をつけましょう。


●なんとなく私的実践(?)パターン

でも、話が盛り上がったあとは、ハグしてバイバイ、ということにはなる。
ただし、商談では微妙。

私は女性なので、海外からくるよく知っているお客さん(又はその逆)で、そうしょっちゅう会う仕事相手でなければ「じゃあ、お元気でね」という意味で自然とそう体が動くこともある。
空港まで出迎えた時に「わあ、お久しぶり!」という挨拶にもなる。

でも、普通はやらないだろう。たぶん。
あと、男性のほうから、というケースはない。
とりあえず自分で空気を読んで、OKかNGか決めている。
それが本当にOKかNGかは、また別の話になるのだろうけど(OKであってほしい、と祈る)。

ちょっとここで脱線。

最近は、86歳のエジプト人のお爺さん。
亡父の知人が、フランス留学時代の親友が来日するので、私がエジプトに縁があるのを思い出して食事に誘ってくださったのだ。

イスラム教徒といっても、革命前の上流階級のお年寄りというのは、もう本当にエレガントで素敵な人が多い。
明るくてやさしくてホスピタリティーにあふれたエジプト人本来の良さと、ヨーロッパの教養と落ち着きを併せ持った人がいる。
話をしていても、実に教養豊かで、教えられることが多い。
一昔前の「エリート」というのは真に「選良」だったのだなあ、とよく思う。
これは世界中どこでもそうだ。

その方に言わせると「革命がすべてをだめにした」というのだけれど、このあたりの考察は別の機会に譲ろう。

物静かだけれども快活な素敵な方で、どこをどうひっくり返したら86歳というカウントになるんだろ、と驚いた。毎週末はテニスを楽しむそうだ。
昔はナショナルチーム級だったということで「今も右の膝が痛むので、きっちりサポーターでガードしてやってるよ」とのことだった。

私も昔は陸上部で、膝と腰がどうの・・・と、普通に盛り上がれる86歳紳士。
エジプト人としては始めて遭遇した「花の好きな人」でもあった。
三渓園という有名な公園にご案内したら「あの花はなに? この花はなに?」と「花の名前」を山ほど聞かれる。

「ワタシ、エジプトの人に花の名前なんて聞かれるの、初めてなんですけど」と、言ったら、笑っていた。

「どうしてあの木はあんなふうな面白い形に枝を伸ばしているのだね?」
さすが、お目が高いこと。

「日本では、植木というのは一種のアートなのですよ。
彼らはただのガーデナーではなくて、アーティストなの」
「たいした国だねえ、ここは」

素敵な方だった。

で、お別れのときに、そういう風にご挨拶した。
先方も、ごく当たり前に受け止めていた、と思う。

余談でした。失礼。

(後編に続く)
  
Posted by arimaburabura at 07:49Comments(0)TrackBack(0) | Amazon.co.jp | 楽天市場 | ブログ

2006年04月21日

キスと抱擁について 【第53話】 (後編)

http://arima.livedoor.biz/archives/50442274.htmlより続く・・・

●エジプトでは?

基本は同性同士だが、まあそれなりに欧米化した人たちは男女でもやっている。
でも、トルコの都市部のように「アタリマエ」な習慣ではない。

彼の地にきて、日本人が一番驚く光景が、多分この「挨拶風景」だと思う。
なにしろ、髭面のむくつけき男同士が、しっかと手を握り合い、抱擁をしあい、
頬をズリズリすり合わせているのだ。

面白いことに「同性同士のスキンシップ」は特殊なことでもなんでもないので、
仲良く手をつないで歩いている姿もよく見かける。
女性同士だと「ふぅん、仲良しなのね」程度のイメージだが、
男同士のこういう姿を見慣れないと、この国はホモセクシュアルが多いのか?
と思いたくなる。

私がはじめてこういう光景を見たのは、18歳の時短期留学したドイツだった。
リビアの留学生らが、常にみんなして連なってつながって、手をつないで
歩き回っているのを見て、やっぱり「ゲイなんだ」と思い込んでいた。

でも、一ヶ月もすると「ヨーロッパ的悪しき習慣」に馴染むらしくて、
嬉しそうにディスコで女の子とチークを踊っていたりする。
いかにも慣れない感じだが、どうもいわゆるホモセクシュアルではないらしい、
と漠然と思ったのを覚えている。


●ついでに、同性愛について

この辺は非常にデリケートでややこしい話なのだが、はっきりいえば、
表で堂々とスキンシップしている人たちは「ただのお友達」だ。
ゲイではない。

イスラームでは、同性愛は御法度だ。
国によっては死罪、というケースもある。
性交渉はあくまで子孫繁栄のためのものなので、そうでないものはダメ!と
わかりやすい線引きがある。

そのわりに、伝統的に「お稚児さん趣味」という風俗はあった。
以前にご紹介した中世の詩人アブー・ヌワースなどは、その典型である。
参照→ http://arima.livedoor.biz/archives/50066624.html

現代にいたり、トルコであれ、エジプトであれ、傍で様子を見ていると、
明らかに「その種の愛好者」が集まる場所があるらしい。

例えば、日本人の男の子と某ホテルのバーカウンターで飲んでいたら、
ねっとりと絡みつくような視線を感じて、背筋がザワっときたことがある。

別に自惚れるわけではないけど、東洋人の女性というのはよくそういう視線の
対象になるので「ウザイぞ!」と睨みを入れようとしたら、
その視線は私のほうを向いてしゃべっている男の子の「うなじ」に
べっとりと張り付いていたのである。
毛むくじゃらの、いかにも暑苦しい、脂ぎったオッサンだった。

「あのさぁ、場所変えようよ」
「ナンデ?」
「あとで説明する」

で、店を出てから彼に説明してあげたら、悶絶死しそうになっていた。
「あのカウンター、二度と行かん!!」と騒いでいたな。
あのオヤジの姿を見せずに店から連れ出したのは、私の「友情の証」なのに、
「言ってくれたらぶん殴ってやった!」とか怒るから困ったもんだ。

ともあれかくもあれ、男性同士の場合、状況は多分二つに分かれる。

ひとつは単なる「代償行為」。
男女関係の拘束が厳しいし、日本のように風俗産業がおおっぴらにある
わけでもないので、お友達とつい・・・というケースはあるらしい。

でも、この場合はあくまで「やっぱり異性がベター」ということで、
ひたすら押し隠し通すようだ。
根に「これは恥だ」という感覚はある、という。
自分で聞いた話ではないのだが、エジプトの状況を見ていると、
そうかもしれない、と思う。

もうひとつは、いわゆるホモセクシュアル。
これは本当に、お付き合いの実態を目撃してしまったから言えるのだが、
実はカイロに「ゲイのヨーロッパ人」が結構流れ込んでいるのだ。
これはモロッコあたりも多いと聞く。
多分イスタンブルにも、結構きているだろう。

昨今はずいぶん状況も変わってきているが、やはりヨーロッパの自国では
公にできない、又はしたくない人たちがカイロあたりに住み着いている例は
結構見かけた。
中東各地に、そういうゲイコミュニティーはあるらしい。

カイロにいった当初、英語学校もかねているところでアラビア語を
習いにいった。
クラスメートに、そこで英語の先生をやっているイギリス人の男の子がいて、
仲良くするようになったのだけれど、ある日彼が目をテンテン状態にして
「大変なところにきちまった・・・!」と嘆いたものだ。

「ここの英語の教師(全員イギリス人)、10人の内9人までゲイなんだ!」

相手は同国人であったり、エジプト人であったり、ケースはいろいろだが
ひっそりとそういうコミュニティーが存在しているのを、それで知った。


●しかし・・・?!

ところが、昨今の「鳥インフルエンザ」の大流行で、アメリカあたりを中心に
この「キスしてハグ」という挨拶を嫌がる傾向が出てきたというから驚いた。

詳しくは以下の記事をご参照のほど。

http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1867790/detail

これは中東の話ではないが、そうなってくると世界的に諸々のマナーが
変わるなあ、と考え込んでしまった。

どっちにせよ、これが中東に入り込んで浸透することはなさそうな気が
するのではあるけれど。  
Posted by arimaburabura at 10:20Comments(0)TrackBack(0) | Amazon.co.jp | 楽天市場 | ブログ

2006年04月20日

キスと抱擁について 【第53話】 (前編)

●挨拶のいろいろ

日本人は、挨拶というと反射的になんとなくお辞儀をする。
よーよー、と手を振ったりすることもあるが、
まあ「とりあえずお辞儀」がスタンダードだろう。

これは、実は日本人以外からすると、かなり奇妙な光景らしい。

胸を張って相手の目を見て、がっちり握手
・・・というところからビジネスが始まる欧米系の連中なんかからすれば、
目線を合わせず頭をひょこひょこ上下させる姿は滑稽らしく、
日本人を馬鹿にする小ネタによく使われている。

実際「礼」にも型があって、あの「ひょこひょこ型」は正しいお辞儀じゃない、
と思うけど、私もついやるから人のことは言えない。
でも、カイロやイスタンブルのホテル時代、VIPのお客様をお見送りする際は、
正面玄関前で深々とお辞儀をすることにしていた。
「これが日本の『礼』なのである」という、自分なりの自己主張だったけれど、
今となってはカワイイもんだね、と笑いが漏れる。
若かったなあ。

さて、ところ変わって欧米に行くと、親しい仲間で女性同士や男女の場合、
頬を軽くつけて、チュと音をさせ、軽く抱擁する、という習慣がある。

ご存知ではあろうが、あれは、音だけだ。
唇ベットリつけたりすると、ちょっと薄気味悪い。

キスについては男同士でやってるのはあまりみたことないが、
親しい同士だと代わりにがっしりと抱き合ったりしている。
いわゆる「ベアハグ」というやつ。
女性同士、又は男女でも、社交とはいえ親しければ抱擁の強弱に違いはある。

この辺、日本人的には実に照れくさいのだが、慣れれば悪くないものだ。
なんとなく、距離をおいた「お辞儀」より、親愛の情が増す感じがする。
ただ、日本人で海外駐在のオッサンなど、相変わらずあれを「挨拶」じゃなくて
「接吻」という刷り込みが消えない人もいて、こういう人がやると
なんかさりげなさがない。

XXさんて、結局典型的な日本のオヤジだったのね・・・と、失望したこと数知れず。
あれは「挨拶」です!

3歳の子供からお婆さんまでに適応されるもので「若い女の子」とだけする
ものではないんです。
「キスしてもらっちゃった〜」とか、あからさまに喜ぶ姿は、
可愛いといえば可愛いけど、ちょっと悲しくもある。
気をつけてくださいね。
思うんなら、心の中に収めてください。お願いです。
そういう気持ちの場合、挨拶でなくセクハラになります・・・。

なんだか男同士でブッチュと接吻する「挨拶」も所によりあり、ときいた。
相手が女性だろうが男性だろうが、こういうのだけはパスだなぁ、と思う私は
やっぱり日本人だとおもう。

イヤだ、そんなのは!


●中東の場合

さて、ところ変わって中東。
やはり「キスと抱擁」は親しい仲間同士の挨拶では基本となる。

ただし、男女ということになると、これは国によって違う。
トルコの特に都市部では、男女でも欧米型。
ただ、違うのは「男同士」でも普通の挨拶、というところだろう。

日本の男性諸氏が一番気分的になじめないのは、
この「男同士の挨拶」らしい。
まあ、いやだろうよなあ、と同情する。
あのヒゲのびっしり生えた脂っこい頬と自分の頬が触れるのは、
親しくても抵抗があるだろう。
ワタシは女性でよかったです・・・。

まあ、無理してやることもないので、握手だけしてうまくかわす、
という手もあり。
郷にいれば、と頑張るか、うまくかわす技を編み出すかは、ご本人しだい。

イスラームでは、本来は肉親や夫婦でない男女が肌を触れ合うのは御法度。
握手すらだめ、なんである。
だから本当のところよろしくないのだけれど、トルコではなんとなく
男性同士、女性同士に加えて、男女でも割と普通にそういう「挨拶」をする。

ただし、男女の場合は、相手を見ることは大事だ。
トルコでも、敬虔なイスラム教徒は「女性同士」「男性同士」そして「親族」
に限られる。

(つづく)


  
Posted by arimaburabura at 21:50Comments(0)TrackBack(0) | Amazon.co.jp | 楽天市場 | ブログ