(前編http://arima.livedoor.biz/archives/50452070.htmlより続く)
●回数の違い
Nさんによると
「アメリカは一回、欧州は左右の頬へ各一回とスコットランド人の友人が言っていました」
との由。
これは驚いた。
ヨーロッパでも中東でも「基本は二回」だからだ。
ちなみにフランス人だと
「二回は挨拶だけど、三回は特別な人だけ」となるらしい。
二回キスしてから「もう一回ね」と、頬を寄せる。
女性同士ではないけれど、女性から男性の場合はどうなのだろう?
ドイツにいるとき、フランス生活の長いレバノン人の留学生が仲間にいて、いつもそんな感じだった。
長身金髪碧眼の美形美丈夫だった。
いまでも顔が緩む。ふっふふふ。
あの「はい、もう一回ね」は、露骨ではないが微かに男女の匂いが漂う。
あれはあれで悪くないものではありました。
へへへ・・・とか喜んでるようじゃ、いけないんだろうな、ワタシ。
前回徹底糾弾(?)したオジサマがたの「矛盾しとるだろうがオマエ!」
という怒号が聞こえてきそう。
スミマセン。
●例外イベントは大晦日
これも「男女に限る(ゲイ・ピープルを除く)」話だけれど、
ヨーロッパでは大晦日にあっちこっちでパーティーがあって、年越しの瞬間「誰とでもキスしてよろしい」という習慣(?)がある。
それは知っていた。
でも、たまげたのは南アフリカだった。
一度だけ、夫と二人クリスマス休暇を南アのケープタウンで過ごした、
その時の話だ。
人々の日常生活にまでは触れられなかったけれど、少なくともお正月期間は「唇でブチュ」が新年のご挨拶らしい。
私たちは、ホテルのガラディナーなんぞ柄でなー(?)、とか言いながら、
町場のよさそうなパブのカウンターに腰をすえたのだった。
ニズナという、インド洋沿いの静かな落ち着いた町だ。
わいのわいのと町の人で盛り上がる飲み屋で、結構いろんな人と楽しく飲んだ。
で、年明けと同時に、みーんな一斉に「ブチュ」の嵐。
男女のみだけれど。
お正月気分の間、この「ご挨拶」はそこいら辺中で当たり前に見かけたから、一般化していいのだろうと思う。
たとえば、ホテルのフロントのお姉さんと、お客を迎えにきた顔なじみらしい旅行会社のオジサンが、ハッピー・ニュー・イヤー!とハグして軽くブチュっといく。ブチュブチュという擬音はなんだか下品で気恥ずかしいが、本当に「ブチュ」と音を立てるのだ。
だから、そういう「お作法」らしい。
南アフリカ旅行は10日間ほどだったけれど、本当に忘れがたく楽しかった。
この話は、そのうちにまた改めて。
と、こう、かくして、挨拶の形というのは各地で本当に違う。
「日本と欧米では習慣的に安心できる人と人の間の距離に差があるとか。
日本の方が遠いんだろうと思います」と、Nさん。
改めていろいろ教えてくださった、読者のNさんに感謝申し上げます。