2007年11月21日

ドルマとトルコ春巻(?) 〜トルコ料理を食べてきた 其の三〜

トルコ料理、続きます
場所は以下のまま。

イズミル
最寄駅:阿佐ヶ谷
料理:トルコ料理
採点:★★★★☆
一人当たりの支払額(税込み):5,000円〜10,000円
用途:夕食



シガーラボレイ東と西の間にあって云々というのは
トルコ料理でよく言われるが
初めてトルコ料理を食べる同席者が
「春巻だ」と言うので気がついた。
確かに春巻だ。中身はチーズだが。


中身はフェタ・チーズ…と期待してかぶりついたが、これは普通のチーズだった。
シガーラ・ボレイという。
シガーラというだけに、現地ではタバコのような細巻きで、中身はしょっぱい白チーズのことが多かった記憶がある。
だから「春巻」というイメージがないのだろう。
何でも現地には、この「シガーラ・ボレイ」を巻く機械があるそうだ。
ドイツでは手巻きの紙タバコをよく吸うので、「煙草巻き機」は見たことがある。
あれと原理は同じなのだろうな。
シガーラを巻くわけだから。
本来はそのくらい細かくて面倒な作業なのだ。
これも家族近隣の女性たちが一斉に集まって作業するとやら。


ドルマこちらはドルマの盛り合わせ。
野菜などに米や香草を詰め込んだ料理だ。
写真のものは大人数用に
既に切り分けてある。
この日はトマトとピーマン。

この「詰め物料理」の定義は中東各地で違うのだが、アラビア語では「マハシ」と呼んで、やはり湾岸からエジプト辺りにかけてはどこでも出てくる。
ギリシャ料理にも「ドルマデス」または「ドルマダキア」という名前で、そっくりそのまま同じような料理がある。

この「マハシ」や「ドルマ」で、現地にいると一番よくあるのが、塩漬けしたブドウの葉で巻いたもの。
ブドウの葉の独特のえぐみと塩気が日本人には不人気らしい。
逆に喜ばれるのが、同じような形だが変わりにキャベツで巻いたもの。
私も現地に居るときは、ブドウの葉でなくキャベツで巻いたもののほうが好きだった。
これは日本のロールキャベツのようで懐かしくてよく食べていたが、どうもよくよく考えてみると発祥はトルコ辺りなのかもしれない。
こういう料理がよく出てくる地域と旧オスマントルコ帝国の勢力図に重なるような気がする。

話がそれるが、日本では西欧料理の定番になっているものが、実は中東起源だったようなことは他にもある。
「ピラフ」がいい例だ。
これはトルコ語の「ピラウ(pilav)」からきていて、英語の大きな辞書なんかを引くと「オリエンタル風に調理した米料理」という定義になっている。
これが日本に来て、洋風炊き込みご飯の代名詞になった。
言葉って面白いものだ。

このあと、マントゥが出て来て、メインディッシュにつづく・・・。
  

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2007年11月14日

パンと前菜 〜トルコ料理を食べてきた 其のニ〜

トルコ料理の宴はつづく・・・というか、前回のマントゥの場合は偏愛のあまり順番を変えたのだ。
どこの国の料理も不思議とそうなっているが、冷たいものから温かいものへとコースを取る。
ざっと思い出してみて大概どこの国でもそうだから、それが人間の生理にあっているのだろう。

トルコも例外ではなくて、冷たい前菜から始まる。
まずは前菜盛り合わせをもらったが、瞬間で消えてなくなったので気に入ったものを追加した。

前菜は「メゼ」。
冷たいものも温かいものもそう呼ぶ。
アラビア語では「マッザ」になる。
メインに行き着くはるか前に、びっくりするほど多種多様な前菜が出て来る。
このメゼ(マッザ)の多彩さが、中東料理のひとつの華と言えるかもしれない。


ナスサラダホウレンソウとヨーグルト






左はパトルジャン・エズメ(なすのペースト)。
右はウスパナック・タラマ(ホウレンソウとヨーグルトの和え物)。
パトルジャンはナス、ウスパナックはホウレンソウだ。
「エズメ」とつく冷たい前菜はいろいろあって、皆ペースト状のもの。
パン(エキメキ)で拭うようにして食べる。

この日は出てこなかったが、ナスを使ったものでは胡麻のペースト(ターヒン)と練り合わせた「ババガヌージュ」というものもあって、こちらはアラブ世界でもおなじみの一品。


エキメキこの日はこんなパンが出た。
直径15cmくらいのかわいい自家製パン。
トルコの食卓を見てたまげるのは
パンの消費量だ。
なにしろ物凄い量のパンを食べる。
しかも安くて抜群に旨い。


この辺はアラブ諸国やエジプトもよく似ているが、トルコ人ほどパンの味自体には執着がないように思える。

ともあれ、パンが食べやすいように前菜がこうなるのか、それとも前菜がこうだからパンが進むのか・・・と、つくづく考えてしまうくらい、パン抜きのトルコの食卓は考えられない。
日本でこういうレストランに行くと、上品に一切れずつ出してくれることが多い。
下手をすると催促するまで出てこないことすらあって、これはフォークやナイフの出し忘れより寂しいものがある。

ただし、特に写真のような平たいパンは一種の時限爆弾で、ワシワシ野放図に食べていると胃の中で突然膨れる。
食べすぎは自爆テロ行為。要注意だ。

パンの形は地方によりいろいろで、イスタンブルあたりでは欧風のバゲット型のほうがはるかに多い。
実はトルコ滞在中は、貧乏&暇なしのおかげさまで専らイスタンブルに張り付いていた。
どこかに出かけたとしても駆け足数泊程度だったから、地方のパンがどうだったか、というところまではよくわからないのだ。
しかしトルコ国外のトルコ料理屋に行くと、上は高級店から下は路上のサンドイッチ屋まで、押しなべていろいろな形の平たいパンを出してくる。
たぶん地方ではこちらのパンが主力なのだろうなあ、と想像するのではある。

パンについては以下の過去記事も併せてご参照いただきたく。

『トルコで一番大事な食べ物・・・とは?』


地中海サラダこれは地中海サラダ(アクデニズ・サラタシ)。
キュウリやトマトなどを細かく刻んだサラダに
塩気の強い白チーズを入れたもの。
これもパンにあう。
このサラダはギリシャ料理の定番でもある。


もっといろいろメゼを食べたいが、メイド・イン・ジャパンの胃袋を考えると、このくらいの容量でやめておくのが無難。
彼我でキャパシティーが、どうしてこうも違うのかね・・・と嘆きながら次に進む。


宴の会場はこちら↓
イズミル
最寄駅:阿佐ヶ谷
料理:トルコ料理
採点:★★★★☆
一人当たりの支払額(税込み):5,000円〜10,000円
用途:夕食

  
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2007年11月12日

マントゥ 〜トルコ料理を食べてきた 其の一〜

「つづく」としながら、話が途中になっているものもあるのだが、久しぶりにトルコ料理を食べてきたので御紹介など。

今回行ってきたお店はこちら。

イズミル
最寄駅:阿佐ヶ谷
料理:トルコ料理
採点:★★★★☆
一人当たりの支払額(税込み):5,000円〜10,000円
用途:夕食


以前何度か触れているが、なにしろ水餃子が好きだ。
この偏向した愛はもれなくトルコ風餃子にも向かい、当然「マントゥ」というトルコ餃子に激しく執着することになる。

羊肉にミントなどの香草を混ぜた餡を皮で包み、茹で上がりにヨーグルトをどっさりかけた餃子だ。
日本的感覚では、単に薄気味悪いだけだろうと思う。

イメージしにくいと思うので、以下写真(クリックすると拡大します)。

マントゥ
これが実物。
私がイスタンブルに居たころ
三日にあけず食べ続けていたものに
比較的近い。


正確に言うと、イスタンブルで私が食べていたのは「カイセリ・マントゥ」というもので、一個が小指の先ほどの大きさだ。三角錐型をしている。
こちらのお店の方によると、マントゥ自体がそもそも手のかかるものなのだが、カイセリ・マントゥになると、もう到底無理!なのだそうだ。
小指の先ほどの大きさだから、さもありなん、と思う。

マントゥ作りは家族総出でやるのだ、とも。
トルコは大家族だから、家族総出といっても日本とは規模(?)が違う。
まあ、我が家でも私が子供の頃は、満州育ちの亡父の号令一下、家内工業状態で水餃子を作っていたっけな。
なんだかちょっと懐かしい風景が目に浮かぶ。

ちなみに「カイセリ」というのは町の名前だ。
カッパドキア観光の拠点になる空港がある。
この町の名物、ということらしい。


マントゥのアップさて、ちょっと寄ってみた。
こちらは三角錐は同じだがもうちょっと大きい。
普通サイズのフォークの先が写っているので
大きさを比較してみてください。
赤いソースはニンニク風味。


ところで、トルコでも日本でもマントゥを食べるたびに、じつは「なにか」が不満だったのである。
昔イスタンブルで住んでいた住居の近所に、実に美味いマントゥの専門店があった。
夜中まで出前もしてくれたので、実によく世話になった挙句の果てに、イスタンブルを離れてカイロに移住したとたん禁断症状に襲われた。

別に探し求めて出会った店ではないので、どこでもこのくらいのもんが出ているのだろう、と思ったら大間違いなのだ。
エジプトのトルコ料理はたかが知れているので、イスタンブル遠征もしてみたが、結局のところ同じ店にタクシーを飛ばすことになった。

イスタンブルでも、うまいマントゥはありそうでない。
だから、日本に来てしまったら絶望的・・・と思いきや、この店のものは大変美味かった。
おかげさまでよくわかった。
不満だった「なにか」が。

「皮」だ。
水餃子でも同じことだが、マントゥは一個が小さい分、よけいに餡より皮が大事になるのだ。
この店のものは、皮がモッチリしていて食感が良い。
そうかそうか、皮が問題だったのだな。

思い返すと、一応懐かしくはあるものの、多くは皮がゆるい。
三角錐型でなくて、ラビオリのような平らなものになると、なぜかよけい皮がふにゃふにゃした食感になる。

その他のものもいろいろ食べたので、順にアップしようと思うが、まずはマントゥのご紹介である。

別のブログにも記事を上げたので、併せてご参照を。

このブログの過去の記事でも、なんだかしつこくマントゥの話が出てきている。
一応、ご参考までに・・・。

『マントゥ』のいろいろ
マントゥ
愛し懐かしトルコとトルコ料理編 其の二

  
Posted by arimaburabura at 22:31Comments(2)TrackBack(2) | Amazon.co.jp | 楽天市場 | ブログ

2006年03月18日

『マントゥ』のいろいろ

比較的近隣に一軒トルコ料理屋がある。
以前一度行って、悪くないなと思っていた。

そしてある日、強烈にマントゥが食べたくなった。
電話をしたら「あったりなかったりだけれど、今夜はある」との由。
夕刻5時の開店と同時に駆け込んだ。

「こんばんは」とトルコ語で挨拶したら、店主が「マントゥだね」という。

ついでにラクを一杯に、ほうれん草をヨーグルトとにんにくで合えたサラダを
もらう。
前回も思ったけれど、ここの前菜類は変に日本人向けに妥協して、無味無臭に
なっていない。
ガツンとにんにくが利いていてうまい。

「おいしいね、サラダ」といったら、
「でも、この季節の日本のほうれん草は甘すぎる。
夏はあるんだけど、冬はみんなあまい。探すけどない」と、店主が嘆く。

確かに、トルコのほうれん草は、結構しっかりした灰汁抜きが必要だった。

そして、マントゥ登場。
ヨーグルトに覆われた餃子のようなものに食らいつこうとしたら、
「ソースがまだだ。待ちなさい」といわれる。

ソース登場。マントゥのソースらしからぬ、妙にスパイシーな香りが漂う。
カレーっぽい、と思ったら、クミンだった。

不思議そうに鼻をヒクヒクとさせて、さらに不思議そうな顔つきでマントゥを
つつく私に、店主はどうも不満そうだった。

「懐かしいだろ。どうだ?!」

こういうときの返事は、本当に難しいけど、思い切っていった。

「こういうソースって、おいしいけど初めてだなあ・・・」
「じゃあ、どういうのを食べてたんだ? 
 あ〜〜、トマトソース入れて焼いたやつだろう?」
「それは知ってる。違う種類です」
「じゃあ、なんだい?」
「ヨーグルトと赤っぽいソースがちょっとかかったやつ!」
「は、なんだそりゃ? そんなのきいたこともないぞ。」
「だって『カイセリ・マントゥ』って、有名じゃないの!」

そこで、隣の席に座って話をきいていた別のトルコ人(お友達)が、
ぶっとふきだした。
「そういうマントゥは、あるよ、兄貴」
「なんだそりゃ」
「俺の田舎の辺はそういうやつだよ」

その「お友達」は、カッパドキアあたりの出身なのだ。
「兄貴」のほうは、地中海沿いのかなりシリア寄りらしい。

笑い出した彼が説明してくれたところによると、マントゥというのは本当に
地方によって違うそうで、まあ日本のラーメンみたいね、と。

なるほどね。

それにつけても、あの昔住んでいた家の近くの「カイセリ・マントゥ」が
食べたい!!
  
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