2007年03月13日

ベリーダンスの魅力とは? 〜ニュースのお時間です〜

最近三回ほどベリーダンスの話を書いたが、ちょうど折りよくこんなニュースが上がったので
御紹介を。

以下記事、ご参照下さい。
女に磨きがかかるというベリーダンスの魅力とは?

日本でも最近人気の「お稽古事」としてのベリーダンスの実態を取材、という記事で、
取材先は友人もたまに出ている『シェヘラザード』という東京は四ツ谷のクラブ。

詳しくは記事のほうを読んでいただくとして、欧米などで一気に人気が出た背景と、
事情や動機が似ているのが面白い。
「女性らしい、柔らかで官能的な動きが身につく」ということだ。

ずいぶん昔、欧米で女性らしいエロスを求めて、ベリーダンス教室に通う女性達が大勢いると
聞いたとき、さすがは性的にオープンなヨーロッパだなあと妙に感心したことがある。
別にレズビアン系の女性、ということではなく、「女性らしい動きを学んで、フェミニンさを磨きたい」ということだ。

私本人は、腰をくねらせたり色っぽいしなを作ったり・・・という仕草とは、
実にまったくもってキッパリと「無縁」(というのも見栄で、単に「無能」)なのではあり、
考えただけでコッパズカシイわい!ということになってしまうのだが、
そういうフェミニンさを美しいものとする感覚は、まあわからないでもない。
特にドイツ辺りの女性は、そういうところがあるかもねえ、などと他人事のように思いつつ
まあ日本で一般化するのは難しいだろうなあと感じたものだ。
一時代前の日本の感覚では「官能とエロス=隠微にして男性専科」だった。
こういうオープンな官能性を、女性が明るく健康的なものとして前向きに受け止める空気は
まだまだなかったと思う。

しかし、最近はそういったフェミニンな官能性を、一部とはいえオープンに受け入れて
身につけようと考える女性が日本にも現れた。

まるで時代遅れのオッサンのような感慨だが、「日本の女性も変わったなあ」と、
しみじみ思う。
言い方を変えれば、性に対する感性が、ポジティブな意味で強く逞しくなったのだろう。
一方で、男性の方はどうなのかしらん、とつい思ってしまう。
まあこれも個人的な感慨にすぎないし、余計なことだが、こっちは「相変わらず」
なんじゃないの、と思えてならないのだけれど。

ベリーダンサー参考までに。
ダンサーは日本人とヨーロッパのハーフ、とのこと。
エジプト辺りで見かけるダンサーは、
こういうイメージの体型の人が多い。
東京・目黒のエジプト料理レストラン
『ネフェルティティ』にて。

しかし・・・記事冒頭にある
「たるんだお腹を“ビシッ!と引き締めたいなら“ベリーダンス”がいいらしい」
というのはどうなんだろう?
その辺、筋肉質に引き締まっちゃうと、揺れるベリーが無くなっちゃうんじゃ・・・?
エジプト辺りのダンサーも、お腹回りはけっこう「ふくよか」だった記憶がある。
そもそも、あの界隈で本来「美しい」とされるのは、筋肉質に痩せたタイプよりは、
豊満でふくよかな肉体の女性だ。
本来ダンサーとしての訓練をつんでいる人が、引き締まった筋肉質な肉体美を身につけていることはあろうが、ベリーダンスだけでお腹がびっしり締まる、ということは、
どうもなさそうな気がするのだが・・・。

は、ワタクシ?
美醜体型以前の問題だろうなあ(・・・無論そういう問題もある。当然ある)。
こういう人こそがやるべし、などという内容も記事にあるけど、仕事の取材で体験レッスンに
強制的に通わされたフラですら、身の置き所のない思いで迅速に撤退した、うっすら女の皮をかぶったオッサン型キャラクター(・・・自分で書いていて情けないわい)。
こんな奴から「官能とエロス」なんざ振っても蹴っても出てこないもんであり・・・嗚呼。

だから、前向きにベリーダンスに向かう女性達は、私の目にはちょっと眩しい。  

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2007年03月08日

続々 ベリーダンスの話 〜朝まで頑張れ!〜

一流ナイトクラブでのベリーダンス鑑賞が、男性といえども「難」で、実は「けっこう現実的で辛い理由がある」などと、やけにもったいぶったことを前回書いてしまった。

いや、何も複雑なことはない。
持って回っていうほどのこともない。

例え一流といえども、カイロのこうしたナイトクラブは「強烈な夜更かし型」だ、と、
本当にそれだけのことなのだ。

エジプトに限らず、中東やら地中海地域やらで生活すると痛感するのだが、
日本人というのは実に健康的で早寝早起きな国民だと思う。
なにしろ夕食が6時だ。
レストランのディナーが8時終了だったりする。
ディナーの時間というのは、各国各地で色々なのではあるが、夕食が6時か、遅くても
7時ごろが常識である国、というのは珍しいのではないかという気がする。
その他アジア諸国の状況をよく知らないのでなんともいえないが、少なくともヨーロッパや
中東の感覚でいくと、これは極端に早い。
まあ、日本の場合は夕食がメインの食事だから、早く食べないと消化に悪い、などという
事情もあるのだろうか。
エジプト人など、5時半頃にランチ、などという話もよくあるくらいだ。
ディナーのピークは10時ごろとなる。
飲み屋じゃなくて、ごく普通のレストランが、である。

だからなにがどうなっているんだよ、という声がそろそろ飛びそうだ。

わかりやすいように、とりあえず一流ナイトクラブのスケジュール例をあげてみよう。

22時  開店。ただし、客はいない。たまに間違って入ってきた外国人が、
     所在なげに人気のない店で極限まで遅くしたディナーを突いていたりする。

23時半 前座のバンドが、チューニングなどしている。
     パラリンポロリンとBGMめかしき演奏が、なんとなく始まる。

深夜0時 やっと客が入り始める。二つ目のバンドがゆるゆると、今度はもう少し
     ライブ感のある演奏をやる。ディナーも終わって、夜はこれから、だ。

そんなこんな感じで、ようやく座が盛り上がり始める。
前座やバンドの数は、クラブによる。

深夜2時 べリーダンサー登場!ダンサーの格によって、前座の若いダンサーが出る     こともある。この辺が本番。

深夜4時 〆に歌謡ショー。有名歌手が出て、大いに座を盛り上げる。
     まあ、氷川きよしや北島三郎とまでは行かないが、
     山本譲二クラスの歌手だろうか。

こんな調子で、夜も明け染める頃に営業が終わるのだ。
これは「一流クラブ」の話であって、朝5時ごろから盛り上がる2次会用クラブも、
ヘタすると朝7時ごろからまだまだ頑張るクラブもあるらしい。
老若男女、果ては子供まで、本来夜更かし体質が強いエジプト人。
本気で夜遊びを始めたら、日本人など到底付いていけるはずがないのである。

まあこういう盛り上がりはディスコなどの類も同じで、昔早朝5時ごろに仕事でホテルへお客の出迎えなどに出かけると、眠くてボーッとしているこちらを尻目に、
テンションをあげまくった夜遊び族とすれ違ったものだ。
早朝から疲労感を増す光景ではあった。

一度夫同伴で出た「ナイトクラブ現場研修」では、ひたすら欠伸を噛み殺しながら、
モウカエリタイヨウという態度もあらわな彼を、ナンノカンノと必死でなだめて過ごした。
当然、木曜の夜(エジプトは金曜が休み)に出かけたにせよ、じっと座って飲み食いしながら
明け方まで過ごすというのは、強力なモーティベーションを要することだ。
なんだかよくわからんままに、妻の業務研修に徹夜で付き合う夫の姿、というのも
実に不思議だが健気ではある。
多少ブツクサ言ったからとて、誰が責められよう。

ついでに本当のことをそっと告白すると、私は女性なのでもあるし、ナイトクラブの
実態を知らなかったとしても、直接の業務に支障はないので、断ろうと思えば断れた
研修だったのでもある。
でも、結局その晩そこに夫まで引きずり出して座っていたのは、純粋に好奇心ゆえだ。
スマヌ、夫よ。
もう時効だと思うから、なんとなく謝っておく。

当時はフィフィ・アブドゥという大御所ダンサーが現役で、別のクラブに週何度か出ていた。
夫もこちらは仕事の接待で行ったことがあるのだが、この日のショーとはまるで格違い
だったそうだ。
私自身もその昔にDinaのショーを見ていたので、その日のショーはなんとも中途半端
に思えた。
一流ホテルのナイトクラブだから、絶対に期待感に沿ったものになるとは限らないのだ。

だから、なにが難かと言えば「朝まで付き合う根性がいる」と、そこに尽きる。
エジプト人始め中東の人たちというのは、夜エンドレスで遊ぶことにかけては、
日本人など想像もつかぬほどパワフルなので、いきなり何も知らないで「ナイトクラブで
ベリーダンスのショーを・・・」などと出かけても、たぶん面食らうだけだと思う。

ちなみに、友人のRさんがみたDinaというトップダンサーのショーは、実に素晴らしい
ものだったそうだ。
お値段は一人US$150と、これもまた素晴らしいのだが「その価値は十分にありました」
との由。
これはフルコースのディナーもつくので、日本でクリスマスのディナーショーなんぞを
観に行くことを考えれば、まあリーズナブルな値段といえるかもしれない。

だから、どうしても一流ダンサーの芸に触れたければ、朝まで盛り上がる気合を持って、
根性を入れて、翌日も半日潰れることを覚悟の上で臨むべし、ということになる。

そして、大切なのは、そこまでやる価値のあるダンサーが出てくるかどうか、しっかり
事前に確認することだろう。

そんなわけで観光客相手とは言っても、所謂「ナイル川ディナークルーズ」はコンパクトに
うまくまとまったショーを、まともな時間に楽しめるので、ベリーダンスを雰囲気だけでも感じたい向きにはオススメできる。
しかも、これならば実に健全なので、女性だけで出かけても、まったく不自然ではない。
きれいな夜景を堪能して、翌朝からの仕事なり観光なりに向けて鋭気を養えるので
「観光客向け」と馬鹿にしたものでもない、と私は思う。

まあ、あの「夜のパワー」を実体験することで、なにか一つエジプトを知ることには
なるだろうから、決して無駄だとまでは言わないけれども・・・。  
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2007年03月05日

続 ベリーダンスの話 〜一流ダンサーは何処に?〜

友人のRさんがカイロに行くにあたって、老婆心ながらちょっと「現地事情」の話をした、
前回書いた。

カイロがベリーダンスの本場にして、世界の拠点であるならば、これはやっぱり一目
「一流の芸」をみたいと思うのは人情だ。
最近あちこちにある、BBSやらSNSやらの類でも「カイロでベリーダンスを見るには
どこに行けばいいでしょう」という質問が見受けられる。
大抵が「観光客相手のものでなく、地元の人が行くようなところ」という希望だ。

この場合、答えはシンプルで「カイロの一流ナイトクラブへ」ということになるのだが、
これが案外一筋縄ではいかない。

「ベリーダンスが見られるところ」とまず考えると、

1.ナイル川ディナークルーズの観光客向けショー
2.レストランなどでのショー
3.ナイトクラブ

と、まあこの3パターンだろう。
1の場合、以前に夫が行ってきた記事を上げたことがあるし、Rさんも別の船のショーを見てきたそうだが、まあ「芸としての踊りを見る」というよりは、雰囲気もののアトラクションだ。

2になると、これは場所による。
エジプト以外の国では、ダンサーのレベルの高いレストランもあるらしいが、エジプトの場合はディナークルーズと大差ないことが多い。
高級なレバノン料理のレストランでアラブ人客が多いところならば、ひょっとしたらいいダンサーがいるかもしれないが、場所は限られるだろう。

それならばナイトクラブということになるが、勢い込んで出かける前に、カイロなどの
所謂「ナイトクラブ」とはなんなのかを一応わかっておいたほうが良いかなあと思う。

一言で言えば、これは「夜の紳士の社交場」というやつだ。
この類の場所は、日本でも下は場末のキャバレーから、上は銀座の高級クラブまで、
値段と出入りする人間の階層にあわせて色々だが、これはカイロも似たり寄ったり。
違うのは、あからさまにホステスや酌婦の類の女性はつかないところと、必ず「ショーを見せる」という前提でクラブが運営されているところだろうか。

こういう場所にも種類があって、これはシンプルに「高級」と「その他」にあっさり分けて
よさそうだ。
前者は主に一流ホテル内にあるナイトクラブで、こういうところならば女性客を
見かけないこともない。
但し、その場合は男性に同伴されている、という状態がほぼ鉄則に近い。
まあ、女性だけで入れないこともないのだが、銀座の高級クラブに一見で女性が飲みに
行くようなものだ、と考えたらわかりやすいだろうか?
できなくはないが、ちょっと浮き上がった感じになってしまうのだ。

では「その他」は、と言うと、実は私も行ったことがない。
場所により色々あるらしいけれど、話に出たドイツ人の友人などは一人で果敢にも入ろうとして、入場を断られたりしている。
一流ホテルなどの高級ナイトクラブと違い、こちらは「男性専用」なのだ。
カイロ市内からピラミッドへ向かう、いわゆる「ピラミッド通り」に軒を連ねているナイトクラブなどは大半「その類」で、1〜2軒は筋のいいクラブがあるらしいが、大半は「色と酒」が主体となる。
娼婦がいるのかどうかまでは知らないが、この辺で踊るベリーダンサーには「色がらみ」が
ついて回るという話だ。
システムまではわからない。
ご存知の方は、是非お知らせ下さい。
ワタシもどうなっているのか一応知りたい。参考までに。
一生行くことのない場所ではあるけれど。

そういう事情だから、地元の人は普通はナイトクラブなどに出入りしない。
するとしたら、必ずしも信心の深くない金持ちだ。
高級、その他のどちらであれ、庶民が遊ぶ場所ではないのである。
だから「地元の人が行く場所で、観光客向けでないベリーダンスのショーをみたい」
という外国人ツーリストの希望は、カイロの街の実情とずれてしまう。
残念ながら。

さて、Rさんはその友達と二人連れで出かけよう、ということだったので、まずはその辺の
事情を説明して「行くならば一流ホテル内の高級なところへ、できる限り『男性同伴』で」
とアドバイスしてみた。

カイロのような街で、女性だけで「紳士の社交場」に出かけるとしたら、これは間違いなく周りの男性が放っておかなかろう。本人の受け止めよう次第でもあるが、男を漁りに行くわけではないのだから、まあまず鬱陶しいことになる。

ところが「男性と一緒」というだけで、程度の差はあれ周りは遠慮するのだ。
エジプトにしても、その他中東諸国にしても、彼の地の男達は原則として「他人の領域を侵さず」という、案外律儀な「縄張り意識」を持っている。
他の男性が連れている女性を、じろじろ見ることすら「男としての信義に悖ること」となる。
だから、同胞であるエジプト人始め中東系の男性が連れている女性にナンパをかけるなど、
まったくもって言語道断な行動になる。
フェミニズム的な見地から、女性はモノやナワバリではないっ!と怒る人もいるかも
しれないが、まあそれが現状なのだから一応理解しておいて損はあるまい。
これが外国人だとケース・バイ・ケースで、同胞に対してよりは緩いが遠慮はするはずだ。
多少の粉はかかるかもしれないが、ノーガードの状態よりはマシであろう。

「まあ、だから、誰か信頼できる男性と一緒に行ってね」と私は言った。
老婆心ながら。

尚、クラブの格が一流だから、ダンサーもすべて一流とは限らない。
こういうナイトクラブの場合、あくまでも「紳士の社交場」であって、ベリーダンスを観る
というところに第一義はないので、そうそう極端に下手なダンサーは出さないまでも、
超一流のベリーダンサーが出ているとも限らないのだ。
実際、私は「なんだこりゃ?」と思うような「若手ニューウェーブの新星」とやらのショーを
観る羽目に落ちたことがある。
話はずれるが、昔の勤めていたホテルの「現場研修」だった。
ホテルの商品は一通り見ておけ!という指令だが、まさか一人じゃ行けません、と言ったら
「ハズバンド同伴可」となった次第。
夫同行の現場研修。経費で無料でもあれは辛かったが、その話はちょっと置いておいて・・・。

トップクラスのダンサーは一ヶ所の専属だが、契約をするクラブは数年ごとに変わる。
しかも、こういうダンサーは毎日出ないこともあるので、確実に出そうな日は要確認だ。
だからまず「今をときめくトップダンサー」がどこのクラブに出ているか、から始まって、
まずは調べなければいけない。
ちなみに、RさんはDINAというトップダンサーの出ているところに行った。
どこに出ているのか、と思ったら、私の昔の職場なのであった。
「儲からないからナイトクラブは潰す!」と当時の料飲部長が始終言っていたものだが、
マネジメントの方針が変わったらしい。
組織や物事の方針が、たまげるほどドラスティックに変わることがあるのも、エジプトの
特徴なのではある。

ここで、え〜、それってズルイ・・・などと口走ってしまった私は、単に心の狭い人間だ。
DINAのショーならば、何度でもみたい。
大昔に一度、ピラミッドのほうの超一流ホテルと専属契約を結んでいたころにショーを
観に行ったが、これは素晴らしいものだったのを今でも覚えている。

さて、話が脱線しているが、じゃあ男性ならば、そういう一流のショーを気楽に観に行って
問題ないわけだね、という結論にくると思う。
でも、これがやっぱり「難」なのだ。

けっこう現実的で辛い理由があるので、だんだん歯切れが悪くなるが・・・
まあ、しょうもない理由だ、ということで次回に続く。  
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2007年03月01日

ベリーダンスの話 〜フォークロアの様式化?〜

友人のRさんがエジプトに行って来た。
彼女にとっては、初めての中東だという。
ベリーダンスを習っていてステージにも上がるくらいだから、本場カイロは憧れだったそうだ。

「本場」とあっさり書いてしまったが、これは色々と語弊があるかもしれない。
でも、色々な意味で今も昔も、カイロがベリーダンスの世界的な拠点になっているのは間違いないので、とりあえずそういうことにしておく。

ベリーとは"belly"、つまり「腹」で、文字通り女性が腹部をくねらせて踊る形を
そう呼んでいる。
ベリーダンスの発祥や歴史の話になると、これは諸説あって、ヘタをすると遥かに
5000年ばかり歴史を遡ることになりかねないので、これは私が語れる話ではない。
単純に「中東世界に中世からある官能的な踊りのこと」としておこう、とりあえず。

「とりあえず」が頻発するが、いちいち突っ込んでいくとキリがないのでお許しを。

イスラームは女性が肌を露出することをタブーとするし、ましてや人前で官能的な動きを表現するなど言語道断なので、ベリーダンスは宗教とは別に発達してきた文化だ。
別ではあるが、表裏一体の「裏」の部分ともいえる。

モラルに反するとしながらも、彼の地の人々は踊るのが好きだ。
プロのダンサーでなくても、身内の集まりなどでちょっとした弾みで踊りだす女性達は、色々な形で見かけた。
男性も踊る。
エジプトの場合、他のイスラーム諸国よりに比べて「男女の別」が比較的緩やかな部分があるので、中東では珍しく、男女一緒にパーティーなどの席で踊ってはしゃいで盛り上がる姿を見ることもある。
様式化されたプロのベリーダンスとは違う世界なのだけれど、リズム感や動きは
どこか似通っていて、見ていると面白い。

これを考えはじめると、さてそれではアラブ的な踊りのルーツとはなんぞや、などとややこしい迷路に入り込んでしまう。
だから「とりあえず」この辺でやめておくが、エジプトに限っていえば、こうした踊りは
ほとんどDNAに刷り込まれたようなものに見える。

そして面白いことに、エジプトのベリーダンスは技術的な様式化が意外に進んでいないらしい。
技術的にはイスラエルやトルコ、さらにはヘタをするとアメリカやドイツ辺りのダンサーが遥かに上を行くことがあるという。

アメリカ?
ドイツ??

そう、欧米諸国では過去数十年来というもの、ベリーダンスがメジャーな女性の
「お稽古事」なのだ。
日本でも、ハワイのフラやスペインのフラメンコを熱心に学ぶ人たちがいるようなもの、
といったらわかりやすいだろうか?

ベリーダンスも最近は教室が増えてきたらしい。
こういう教室の場合は、当然だがDNA的な刷り込みのない外国人向けに、きちんと
様式化された基本ステップから応用へ、というスタイルがあるので、例えばエジプト人が遺伝子の呼ぶ声に従って体を動かしながら覚える姿とはかけ離れた世界となる。

ちょっと大げさな対比をしてしまったが、中東土着のフォークロアが欧米を経由して一つの完成された様式が生まれ、源流のある国を部分的に凌いでしまった、というイメージだ。

そこでやっと友人のRさんに話に戻る(やれやれ)。
「本場のエジプト」と言いながら、技術的には意外に見るものはないかもしれないよ、と、余計なお世話だとは思いつつ言ってみたのだ。
「でも、生活に根ざしたソウルの部分で、強く感じるところはあるらしいんだけれど」

一応申し添えれば、以上は昔カイロで仲のよかったドイツ人留学生の受け売りだ。
彼女はドイツからイスラエルに留学して、その後カイロにやってきたのだが、ミュンヘン辺りの
トルコ料理屋で週末はダンサーをやることもある、という人だったのだ。
お蔭様で、けっこう色々面白いところに連れていってもらえて、思いがけず楽しかった。
持つべきものは友達である。

もっとも、こんな薀蓄などRさんは既に承知の上だったので、本当に余計なお世話ではあった。

だからもう少し建設的に役に立てるアドバイスはないか、と考えて、一応知っている限りの現実的なことを話してみたら、これは多少参考になったらしい。
どんなムダ話でも、役に立つなら嬉しいことではある。

(つづく)  
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2006年09月23日

アズハルパーク in カイロ

シタデルをのぞむ私設特派員がここで「会食」をした、と。
ハンハリーリー市場とAuto Strad Roadの間に、昨年『アズハルパーク』という公園ができて、新しい市民の憩いの場になっているそうです。

レストランもあって、遠くにシタデルとモハメッド・アリ・モスクが見えます。



ちょっと人工的な印象はありますが、娯楽といえば「日暮れ後のお散歩」のカイロ。
車がないとアクセスが厳しいようではありますが、のんびりするにはよさそうです。


レストラン1開店前のレストラン。
イメージ的には「高級」です。
遠くにシタデルを臨みながらのお食事、寒くない時期ならば雰囲気よさそう。




レストラン何故か女性の後姿も写っちゃってますが・・・白いテーブルクロスなどかかって、落ち着いた雰囲気。

ナニ食べたの?
美味しかった??

と、聞いたら「よくある普通のエジプト料理。普通」との由。


まあ、雰囲気が大事、と言うことで。
ただし、お酒は出ません。



旧市街公園から旧市街が見渡せます。
いまだにこんな、中世そのままの町並みも残っているのです。







旧市街2靄がかかったような美しい夕暮れ・・・と言いたいところですが、この「靄」は埃と排気ガスの層ですねえ・・・。

でも、遠目にはぼんやりときれいな夕焼け。

そろそろラマダーンも始まることだから、断食明けのイフタルで、このレストランも賑わうのでしょうか?


  
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2006年07月01日

カイロの夏の過ごし方 【第60話】後編

前編に続く)

●夏の楽しみ

夏の間、日中カイロの街を歩いている人間はぐっと減る。
なにかトチ狂って徒歩で外出した、どこぞのホテルの日本人営業マンが
「うわ〜、しまったぁ〜〜〜」などとスーツを着こんで肩で息をしている
などという、かなりイレギュラーな光景もときになくはないが、
これは本人の学習能力が猫並み以下だからであって、
たいていは室内か日陰でじっとしている。

そして、陽が落ちるとともに、人々は活動的になる。

どこでなにをするか、というと、特になにをするわけでもなく、
なんとなく外を家族でそぞろ歩いて、どこからか現れる露天の物売りを
冷やかしたり、もう少し高級志向だとエアコンの効いたショッピング・
モールにでかけてみたり・・・と、実に楽しげに町をお散歩する。

ハンハリーリー市場など、観光地ではあるが地元のカイロっ子たちにも
楽しいところで、こちらも賑わう。

そんな中、全身黒ずくめの女性の集団も通る。
サウジ方面からの避暑客だ。

公園などでは、いつの間にかお弁当を持参した家族が、涼みながら晩御飯
などという光景もある。

それぞれ、家族で楽しくはしゃぎながら過ごすので、夜は結構騒々しくなる
夏のカイロの風景だ。


●そして、日本で・・・

さて、そして東京や横浜あたりでは、夜になっても相変わらず蒸し暑く、
湿度が上がれば、体がアタマが湿気を吸ってぶよぶよしてくるような
気分になる。

これは中国人の漢方の先生に言われたのだが、私など十余年もそういう
地域で過ごしたので、特にとりわけ「体が湿気を吸いやすい体質」に
成り果てているのだそうだ。

実際、中東圏で長く過ごした駐在員が帰国して、変な咳が止まらなくなり
どこの医者にいっても、さっぱり原因不明だったのが、また中東に出たら
全快した、などという話も聞いたことがある。
だから、私だけではないらしい。

季節がピークに来ると、湿気たせんべいが、水でブヨンとした物体に
変わっていくような状態で、ヘマなことばかりしでかす。

嗚呼、悲しきことかな、私は体質はエジプト化したままだ。
何年かすればなれるかと思ったが、一向に改善しないところを見ると、
適当なところで日本を脱出するまでは、とりあえず我慢するよりほか、
手の打ちようはなさそうである。

だから、せっせとベッドと布団に夏モードで乾燥機をかけ、迫り寄って
身体をぺったりとくっつける猫たちを、いじけない程度にあしらい、
ひたすらにひたすらに、夏の終わりを待つ次第である。

このシーズンほどカイロが恋しくなることはない。

(6月22日配信)

  
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2006年03月26日

カイロの娯楽 其の二 〜カイロの夜の遊び方〜 (3)【第49話】

(前回からの続き)


●エジプトの娯楽

先ほど「娯楽のないカイロで」と、さらっと書いてしまったが、要するに
日本的な娯楽ということだ。
彼らの生活は夜を中心に回る。
楽しみはある。日本と感覚が違うだけだ。

家に帰って「ランチ」を6時ごろ食べると、家族の楽しい団欒の時間となる。
この「家族団欒」は、非常に大事なイベントで、皆でテレビを見たり、
山盛りの激甘菓子をむさぼったり、豊富で美味な果物をキロ単位で消費したり
して過ごす。

お客さんもなんとなく来て、なんとなく帰る。
友人や親戚同士が行ったり来たりして訪ねあうのも、いちいち「これから行く
から」などと電話など入れない。

さて、食べるだけ食べると、やっぱり体はカロリー消費を求める。
そういうわけで、冷え込む冬場以外は「じゃあちょっと散歩にでも行こうか」
ということになる。
「子供は寝なさい」という躾感覚が、限りなく薄い国なので、子供も一緒に
みんなで夜のお散歩。
繁華街や公園や、最近ではあちこちにできたショッピングモールなどを
なんとなくそぞろ歩く。
出没場所は身分階層によって違い、お金持ちはメンバーになっているクラブに
行くし、そうでない人たちは町をぶらぶらするのだ。
ただ、なんとなく。

ちなみに「クラブ」というのは、日本で社用のオジサンたちが行くところでも、
アクセント違いで若者が遊ぶところでもなく(後者は最近一応あるにはあるが)
基本的にはスポーツ施設と公園と、クラブハウスなどを備えた
「会員制クラブ」だ。
先日来日したサッカーチーム「アル・アハリー」も、実はこの類の高級クラブ
のひとつ。

カイロで最高級なのは「ゲジーラ・クラブ」というザマレク地区はずれの広大
なクラブで、ここの緑には私もずいぶん心を癒された。
ここにはハーフでぼろい、いわば「草ゴルフコース」みたいなものまである。

実は私がゴルフを覚えたのもここだが、まったくセンスなしで、結局「コンペ
の座敷わらし」と成り果てたきり、日本での厳しいお約束事の数々に音を上げ
て、クラブセットはお蔵入りしてしまった。

だって下手をすると「コースで一人で打ちっぱなしラウンド」状態なのである。
緑の少ないカイロでは、このゴルフコースは心安らぐ別世界だった。
一人ガラガラとカートを引いて、ポカーン、ヘコーンと球を打ちながら
ピクニック気分に浸るのは、のんきで楽しいものだったが、
結局ゴルフというのはもっと真剣なものなのであろう。

脱線したが、そんなように、夜のお散歩と社交がカイロの娯楽のメインと
いってよいと思う。

そして、結婚して一家を構えた男たちは、家族をどこに連れて行くかで
結構頭を悩ませている。
同僚たちがわりとまじめな顔で「今週末は、どうしよう」などと思案投げ首の
現場はよく見かけた。

「何だってそこまでして、休みの日に出かけなきゃいけないの?」
と聞いてみたら、
「欧米や日本の女性なんかはちがうだろうけれど、
エジプトの女性や子供たちが外で楽しむには、男性のエスコートが必要で、
これは男としての義務なのだよ、アリーマ」
と、しみじみ言われたことがある。

どっちが幸せなのかわからないなあ、と思ったものではあった。

ただし、これはカイロはじめとしたエジプトの話。
違う国の話はまた改めようと思う。

ところで、もうひとつだけ「起きられる理由」を付け足すと、これも単純に
「夜の遊びが(たいていの場合)飲酒を伴わない」と、そこに尽きるような
気もする。
確かに、朝の遅刻の常習犯は、夜飲んで遊ぶタイプばっかりだったっけ・・・
ワタシもふくめて。  
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2006年03月25日

カイロの娯楽 其の二 〜カイロの夜の遊び方〜 (2)【第49話】

前回からの続き)


●日本人駐在員の場合

どうでもいいけど、家がほとんど隣近所状態の日本人駐在員たちは
「XXさんのうちでアザーンを聞く会」などと称する、罰当たりなカラオケ大会
で盛り上がったりしている。
私ももちろん参加していた。

カイロの日本人駐在員宅は大半がカラオケ装備。
「娯楽のない」カイロで、日本からくるゲストを接待するための装備、という
ことになっている。
拙宅も「一応某社カイロ所長宅」ではあったので、是非導入を検討するべきで
あろう、とアドバイスしたのだが、あっさりと却下された。

「キミがよそで何をやろうがかまわんが、家に帰ってきたドア越しに、
キミが一人絶唱してる声を漏れ聞くのだけはいやだ(きっぱり)」

カイロの住宅、一般に壁は石造りで頑丈なのだ。
家自体が隣近所で、大半歩いて帰れるし、そうでなくても深夜にタクシーに
乗るのが危険だ、ということもないから「終電」などという概念は忘れて
すごせる。

もちろん、女性一人の場合は無防備に一人で乗せたりするのでなく、
男性が送っていくなり複数で乗るなり、そうでなければ乗るところまで
きちんと見送ってもらったり、というガードは一応張る。
セクハラ防止のためだ。

で、帰国後、皆が一番苦しむのは「終電に乗らないとおうちに帰れない」
という過酷な現実かもしれない。
次にくるのは「家が狭い」、そしてついでに「壁が薄いから騒げない」という
あたりがくるんだろうか。
まあ、住宅事情については、また別の機会に話を譲ろう(インシャアッラー)。

ただ、いい機会だから、蛇足ながら一言付け加えたい。

海外に行って、特定の国に住むということになると、同国人のよしみで
在住日本人同士のお付き合いが発生する。

中には
「海外まできて、なんだって日本人ばっかりでつるまなければいけないのだ」
と、この風潮を嫌がる人もいるようだけれど、私は決してそうは思わないのだ。

カイロの場合などは、マスコミ、メーカー、銀行、商社、官庁関係、土木土建
などなど、ありとあらゆる業種の人たちがいる。
もちろん留学生もいれば、旅行業関係者もいれば、エジプト人と結婚した
奥様方もいる。

イスタンブルでもそうだったが、カイロで得た何よりもの宝は、普通に日本で
生活していたら決して個人的に交わることなどなかった人たちと、さまざまな
形で親しくなれたことだ。
この貴重な人間関係は、私にとっては宝物である。

各国現地の友人たちというのも別の意味で貴重だが、異郷での日本人仲間と
いうのも悪くないものだ。
私はそう思っている。

日本に帰れば、日本人同士でも「棲み分け」は結構きっちり決まっているの
だから。


次回へ続く)  
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2006年03月24日

カイロの娯楽 其の二 〜カイロの夜の遊び方〜 (1)【第49話】

●早起きの理由

前回、エジプト人が早起きな理由を書き忘れたのでちょっと補足。
・・ていっても、どうでもいいような私の与太な想像なのだけれど。

なぜ朝起きられるのか?
「お祈りの習慣」が大きいような気がするのだ。

一日五回、メッカに向かって行う礼拝は、別にモスクに行かなくても、自宅の
ベッドの横でもできる。
敷物などあればよいが、なければないで何とかなる。
道端でダンボール敷いて礼拝しているおじいさんをよく見かけるくらいなので、
礼拝はどこでやってもよいのである。

話がそれたが、一日五回のうち一回は夜明け前だ。
初めて中東圏に行った人は、たいてい度肝を抜かれるのだが、
夜明け方の町中に祈りの時を告げるアザーンが大音量で鳴り響く。
尚、このアザーン、言っちゃ悪いが「上手下手」は明らかにあって、
音痴で悪声のムアッジン(アザーンを行う人)が近所のモスクにいると
結構つらいものがる。
なにせ、一日五回聞かされるわけですから。

さて、そういう夜明けの呼びかけに応えて、イスラム教徒が全員まじめに
起き上がって祈っている・・・などということはないと思う。
もちろん多くの人は励行しているのだろうが、まあいろんな人がいるから、
ちゃっかり寝てる者もおるに違いない。

でも、少なくとも「起きてお祈りすべし」という深層意識は間違いなく
あるはずだ。
それに、エジプトというのは大家族が多いので、まあ家庭にもよるだろう
けれど、全員が罪悪感ゼロで天使の寝顔、というのは少数派だろう。
お爺ちゃん、お婆ちゃんなどは、そのまんま起き出してしまうかもしれない。
そんな風に誰か彼かが起きてくると、まあ家族全体が「起きる空気」になって
いくだろうし、起きてこない若い息子など「モハメッドはどうした?」と、
結局起こされてしまう、なんていうこともあるだろう。

なにしろこの国では、親や年長者の言うことは絶対なのである。

だから、そういう習慣になって、いつのまにか早起き体質の人が多くなるん
じゃないだろうか。

ものすごいベタでつまらない想像だが、そんなわけでどんなに激しい夜更かし
をしても、翌朝は起きちゃうから仕事に出てこられるんではないか・・・
と私は想像している。
人間なんてシンプルなものですよ、ね・・・?


次回へ続く

  
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2006年03月16日

カイロの娯楽 其の一 〜食事の時間と「夜の生活」〜 【第48話】

●宵っ張りで早起きな人々

カイロに住んでいて、いつも心底エジプト人に感心することがあった。
彼らは一般的に早起きなのである。
まあ、人にもよるのだろうが、全体に朝はきちんと起きている印象がある。

これだけでも、自称低血圧で要するに「朝寝坊の帝王」である私にとっては、
大変な尊敬に値する。

では、夜は早く寝るのかといえばとんでもない、彼らの人生は夜に花開く。
いや、こう表現すると人口が減らない理由云々に繋げられてしまいそうだが、
そういうことではなくて、とにかく彼らの人生の中心は、私の目で見る限り
「夜の生活」にあるのだ。

日本語で書くと、前述の問題に戻ってしまうが、英語で「ナイトライフ」と
言えばわかっていただけるだろうか?

もちろん病人は別なのだが、乳幼児から老人まで、ひとたび夜の集まりが
始まると、もう信じがたいほど、とことんエンドレスに続く。
普通の日本人は、下手をすると子供にも老人にも勝てない。

でも、翌朝はちゃんと出勤している(たいていの場合は)。
出てこられる、というのはすごいと思う。

いったいここまでパワフルな国民が、どうして発展途上国のままなんだ?

理由は簡単、仕事中にきちんと体を休めているからである。

もちろんそういう人たちばかりではないが、私がいたころはかなりの部分で
この原則が当てはまるだろう、と思うが、どうだろう?

中には、8時出勤で昼に終わり、夕方また出勤、というパターンもある。
本来はこういう勤務体系のほうが一般的らしい。


●ランチは5時過ぎ?!

これはラテン系の国にいっても思うけれど、日本人はつくづく早寝な国民だ。
八時閉店の夕食の店など、ヨーロッパや中東辺りでは、いかにもな日本人ネタ
ジョークとなって、存在さえ信じてもらえまい。

日本じゃ入院すると、病院の晩御飯が5時ごろ出るんだよ!
古いタイプの旅館だと、晩御飯の時間でリクエストできるのは六時なのだ!

バカ受けするだろう。
間違いない。

私のカイロの同僚など、5時の終業後に家へすっ飛んで帰って「ランチ」を
していた。

「で、そんな時間にランチだったら、夕食はどうするわけ?」
と聞いたら、夕食は家族や友人とのイベントでもない限りは軽く、
チーズとパンくらいで済ませてしまう、ということだった。

まあ、この同僚は相当強烈な愛妻家だったから、極端かもしれない。
彼のレバノン人の妻は、たいそうな美女な上、もう料理が抜群だと言う。
残念ながら、招かれるほど親しくなかったのだが、妻の手料理食べたさに
とにかくできる限り定時でぶっ飛んで帰っていたところを見ると、
相当な腕だったのだろう。

今思ってみれば、もっと仲良くなればよかった、と涎をぬぐうのではある。

でも、なかなか仲良くなれなかったのには理由があった。
奴がジェット噴射の排気を私に吹き付けて帰るころ、私はちょうど
館内日本人ゲストのアテンドで忙しくなる時間帯だったのだ。

これは本来セールスの仕事範囲ではないのだが、なにせ日本人は私一人だから
5時ごろまで営業の人、その後は館内ゲストのよろず御相談コンシェルジェ、
という二束の草鞋をはいていた。

で、電話が鳴りまくり始めるころ同僚は帰り、私が半狂乱状態に突入する頃
「彼の妻」から電話が入ってくるのである。

「うちのハズは、もう帰ったのかしら。あらぁ、何時に出たのかしらぁ〜ん」

優しい声で親切な応対をできないのは、やっぱり私の心が狭いからですか?

で、たまりかねて同僚に「何だってあんな電話がかかってくるの?
奥さん、あなたの就業時間は良くご存知だろうが」と、きいたら

「熱いものは熱く、冷たいものは冷たく、最高のコンディションで
待つためなのだ」と、胸をはっていた。おいおい・・・!

当時私はレバノン料理に対してまったく執着がなかったから、
この問題は、個人的な犬猫喧嘩のようないがみ合いまで発展したが、
今だったら犬のように何でもいうことを聞いたかもしれない。

そう、レバノン料理といえば、アラブ世界に冠たる美味の殿堂。
レバノン人で、美人で、しかもそこまで料理のうまい妻がいる同僚は、
素直に自分がカイロで一番幸せな男だと信じているようだった。

「それだったら事務所を出る時に家に電話をかけたらいいんじゃないの?」
と、アドバイスしたら「そりゃ、いい考えだ」と感心してたが、
結局早く家に帰りたいあまりに、電話するのを忘れて吹っ飛んで帰っていた。

今度カイロに行ったら、草の根分けても居場所を見つけて、
自宅に押しかけてやろうと固く誓っているのである。

モハメッド・ナギーブ、お前のことだぞ!!

尚、日本人だと「何を非常識な」だが、エジプトでは親しい友人知人の家に
押しかけて夕食(又は昼食)というのは、普通のことだ。


●もうちょっと一般的な食事時間

最近は、就業時間や仕事の性質などによっていろいろだが、地中海方面では
一般的に「シェスタ」などといって、長い昼休みを取って家に帰り、
豪勢なランチをいただいてから昼寝して、そして再度ご出勤あそばす・・・
という習慣がある。

エアコンなどなかった時代、暑い地方で効率的に仕事をするには、
そのほうが良かったのだろう。

エジプトも、その例に倣っているらしい。
私の場合は、周りにいたのは外資系やホテルのエジプト人ばかりで、
そういう伝統的なパターンの就業体制で働いたことはない。

こういう"9 to 5" という勤務形態が一般化したのは、割合と最近のことだ。
なぜそう思うかといえば、エジプトの同僚たちの食事時間が、非常にいびつ
だったからだ。

この辺は結構いろいろなところでヒアリングした(ホテル内だけれど)から
少なくとも、過去私がいた職場の、かなりスタンダードな食生活パターン
だとおもう。

朝7時ごろ 朝食
 エジプトの朝は、フール・ミダンミスという干しそら豆の煮込みで始まる。
 これに白チーズにパンとお茶が標準形。
 アレクサンドリアでは、穀類をミルクで煮込んだオートミールのような
 ものがあって、これはお気に入りだった。

9時 出勤
 ただし、遅刻をしたら人間失格みたいな環境はない。
 
昼ごろ 
 さてこの辺で、各階級各職掌で行動が変わってくる。

 管理職はホテルのビュッフェでランチ。
 この場合、夜までびっしり働く気合が入っている類の人はしっかり食べ、
 上記の「家でランチ」族は、軽く何かをお腹に入れる。

 一般職は、しっかり食べるなら(つまり夕食が遅いなら)社員食堂に現れ
 そうでなければ、社員用の喫茶室でデニッシュかなんかを齧っている。

 どっちにしろ、お菓子か食事か何かしらで虫ふさぎをしているのだ。
 この習慣を理解して以来、予約の伸びない企業(首脳部は納得しているが
 現場の予約担当者に浸透していない、というパターン)への営業は、
 「11時ごろ、当ホテル自慢のおいしい高級デニッシュ山盛り」持参
 となった。
 面白いもので、翌日から着実にブッキングが増えるのである。
 なお、このセオリーは日本でも場所により有効だった、と付記しておく。
 日本だったら、2時半か4時くらいですけれどね。

夕刻
 このように、無駄にカロリーだけ体内に積み上げて終業に至ると、
 皆、いち早く帰路につく。
 住んでいる場所や職場との距離にもよるが、とりあえず5時半〜6時に
 「ランチ」が始まる。

さてその後、人々の『夜の生活』が、華やかに始まるのだが、
ここは勿体をつけて、次号に続く(インシャアッラー)。
  
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