
解説すると、この北欧の酒は芋から作る蒸留酒で、キャラウェイ、クミン、アニスといったスパイスで香りがつけてある(確か白濁すると記憶しているが、どうだったろう?)
Aquavitという名前は"Aqua-vitae"というラテン語起源で「命の水」の意。
16世紀ごろにノルウェーから北欧全体に伝わったものだ。
ヨーロッパ経由でワインが入り、ワインを蒸留して作るブランデー(ブランデーはそもそも"brandwijn"という「焼いたワイン」という言葉からきている)の製造法が伝わり、草もろくに生えんところで葡萄が採れるわけはないので、山ほど取れる「ジャガイモ」を原料とした、というのが元らしい。
現地では、恐ろしいことにビールをチェイサーにするそうである。
また、酒の蒸留法の起源は中世アラブ世界にある。
この辺は
第35話をご参照いただきたく。
で、弟に「北欧の各国国民性」について問い質したところ、
「え〜、大体おんなじ、って感じじゃないの」
と、いい加減なことをいう。
そもそも、どうして北欧でアクアビットに遭遇しなかったのだ。
「カネ、なかったもん」
そうか、まあそれはわかる気がするな・・・。
「ん〜、でもねえ、そうそう、フィンランドは別ね。
人も言葉も文化も違うみたい。
スウェーデンはオシャレでスマートで、かっこいいけど、ノルウェーはちょっと田舎っぽいかなあ。
で、デンマークはなんか結構無理してる感じがした。どっちかっつーと、ベネルクス向いてる?
気のせいかもしれないけど」
ふうん、そうか、どうもありがとう。
「たまには俺んちのほうに飲みにこいよ」
「遠いからやだ」
「でも、このバーのマスター、かっこいいんだぜ」
「花見のころに考えよう」
さすが血を分けた弟、鋭いところをついてくるのである。
そういうわけで、とりあえず北欧酒事情はすばやく抑えたのではあった。
弟よ、そっちにいったら、かっこいいマスターに紹介してね。