2008年05月27日

森川久美『イスタンブル物語』など 〜トルコ関連図書のこと〜

ずいぶん前に、この本の紹介をした。
忘れた今頃に『復刊ドットコム』から「50票入りました」という連絡が来た。
正確には「到達しました」とあった。
まさに「到達」という言葉が似合う。
紹介記事からニ年三ヶ月たっている。

ケマル・アタチュルクのトルコ建国話は、色々ありそうなものだが案外出ていない。
実に二枚目だったし、女性関係も華やかな武人であって、いくらでも小説や映画のネタになりそうな人物なのだが、悲しいかなトルコの法律で「アタチュルク侮辱禁止法」なるものがあるために、研究者であろうと誰であろうと、この建国の偉人のディテールに迫りにくいからだ、という話を聞いたことがある。
2代目大統領イノニュによって規定されたものだ。

それを考えると、当時の日本の少女漫画とはなんと幅広かったことよ、と思う。
むしろ漫画だからこそできたことなのかもしれない。
メインになるのは、架空の美男美女の惚れたハレタの話だ。
なんだ・・・と思われるだろうが、この作品に描きこまれたディテールはなかなかのもので、少女漫画に関心がなくてもトルコの歴史に関心があれば、十分に読みきれるものだと思う。

この少し前にトルコ近代史の本が、これは無事に復刊されたという通知もきていた。
私は未読だが、以下の本である。

■『トルコ近現代史 イスラム国家から国民国家へ』
【著者】新井政美
【発行】みすず書房
【定価】4,410円(税込み)
【発送時期】6月上旬

面白そうな本なのだが、ちょっと値段が張るので検討中。
しかしこの類の本は初版が出たらそれっきりなので、欲しいと思うならば買っておくのが正解ではある。
正解と経済力が常に均衡しない浮世の矛盾よ。
嗚呼。
最近の我が家は猫に焼き鳥を買う資金が、知的正当性を凌駕しているのである。
夫婦そろって進んでやっていること故に、誰に不満を言うものでもないのだが、嗚呼。

そして、もっと前から復刊運動中のブノアメシャンの中東三部作も、改めて見たらまだまだ遠い道のりらしい。

この三部作など、これだけトルコはじめ中東各域に日本人観光客が跋扈する今、ハンディーな文庫になったらきっと売れるだろうに・・・と思うのだがなあ。

そういえば時は五月末。
イスタンブルが最も美しく楽しい時期だ。
空港から仕事のオファーのあったホテルまでの途中で、タクシーの窓越しにマルマラ海に降り注ぐ美しい初夏の陽射しをぼんやりと眺めていたものだった。

あの時は色々と大変なことが続いていて、正直なところ「日本に戻ってやり直し」という選択肢もあったのだったが、あの海のきらめきにやられて到着前にイスタンブル移住を決めてしまったのだった。

27歳で独身だった。
あの年代で、独身最後の一年余りとなった時期をイスタンブルで過ごせた。
これは今でも、僥倖のように素晴らしいことだったと思っている。

そういえば、現在顎の腫瘍で闘病中のヒメちゃんも、この翌年にイスタンブルで生まれたのだった。
手元で生まれた手のひらにおさまるような仔猫が、15年後の今すっかり偉くなって私にアレコレと指図をしている。

最近どうもこういう感慨が多いような気はするが、そりゃあ私が中年になるわけだなあ、としみじみ思う。  

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2008年05月25日

『トルコで私も考えた』最新刊、そして涙の完結!

『トルコで私も考えた』の第5巻が出た。
ユーモラスな絵柄の少女漫画なのだが、トルコ好きの間に根強いファンがいる本だ。



1996年に著者の高橋由佳利さんがトルコへ旅行に出かけ、見るもの聞くものまあ面白い・・・!という情況で始まるのが1996年発行の第一巻。
その後12年の間に、トルコ人男性と結婚し息子が生まれ、家族で日本に渡ってはたまにトルコへ里帰り・・・という生活になっていく。

この辺りの高橋さんの生活の変化も、第一巻から読んでいると感慨深いのだが、あわせてその背景にあるトルコの生活の変化も面白い。

何しろ4ページほどの短いエピソードが、月一回ペースで連載されていくわけなので、一冊分たまるまでが実に長い。
今回の第5巻も首を長くして待った挙句、忘れた頃にひょっこりと出たのだが、なんでもこれが最終巻との由。
実に寂しい話だが、まあ仕方がないですね・・・。

どうもひねくれた私的感覚なのだが、他人の書いた海外旅行記や生活記というものは、書いた本人や関係者にはそこそこ面白いのだが、第三者の目線からは「だからなんだ」とつい思いたくなるものが大半だ。
私の目には少なくともそう映る。
しかし、このシリーズにこと関しては、特に肩肘張らない柔らかな目線で捉えたトルコの衣食住、日常生活、そして周囲のトルコの人々や高橋さんの家族たちの姿が生き生きしていて、独特の世界になっているので何度読み返しても面白い。
飄々としたユーモラスな絵も、実は辺りのディテールがきちんと綿密に書き込まれていて、貴重な記録になっている。

少女漫画かあ・・・と手に取りかねている方がいたら、是非ご一読をオススメする。

品切れの巻が結構あるのだが、短編集なので間が抜けてもなんとか読める。
いい本なので、是非版を重ねていってほしいものだと思うのだけれど。

ちなみに、我が母校の中央アジア史が専門の某教授も絶賛太鼓判のシリーズでもある。
トルコに関心ある方は是非どうぞ。  
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2006年11月01日

日本・トルコ協会 創立80周年記念シンポジウム

上記シンポジウムが、11月9日に行われる。
なんとはなしに内容を見たら、これはなんと、盛りだくさんで内容充実。
万障繰り合わせて参加の価値あり、とみて早速申し込みをした。

詳細は以下の通り。

__________________________________________________

日本・トルコ協会 創立80周年記念シンポジウム(助成:(独)国際交流基金)
「21世紀の日本・トルコ関係 〜世界平和の礎に〜」
 
日時:2006年11月9日(木) 15時〜18時15分
会場:第一法規株式会社 講堂(東京・青山)

プログラム *総合司会 永田雄三(明治大学文学部教授)

第1部(15:00〜16:30)

基調講演1 内藤正典(一橋大学大学院社会学研究科教授)
「イスラーム世界と西洋との架け橋としてのトルコ〜
21世紀における日本との友好関係の意義」

基調講演2 ジャン・エルキン(アンカラ大学助教授)
「トルコ語に翻訳された日本文学の“日本−トルコ関係の将来”における意義」 


第2部(16:45〜18:15)

講演3 ヤマンラール水野美奈子(龍谷大学国際文化学部教授)
「21世紀の文化交流“日本とトルコにおける美の接点”」

講演4 森永堯(元・伊藤忠マネジメントコンサルティング代表取締役社長)
「ビジネスマンから見た“日本人とトルコ人の特別なパートナー・シップ”」
パネル・ディスカッション、質疑応答 *司会:鈴木董(東京大学東洋文化研究所教授)

参加費:無料

申込み:
《「シンポジウム参加希望」、氏名、所属(勤務先・学校名等)、
連絡先(住所、電話番号)》を明記の上、事務局へ電子メール、
ハガキ、ファックスでご送付ください。
セキュリティーと準備の都合上、事前に申込みがない場合は
ご入場いただけませんので、ご了承ください。


交通手段:東京メトロ 銀座線・半蔵門線/都営地下鉄 大江戸線 「青山一丁目」駅
より徒歩3分
第一法規蠅悗里問い合わせはお控えくださいますようお願いいたします。


(申し込み・問い合わせ先)
日本・トルコ協会
 〒107-0061 東京都港区北青山2−5−1伊藤忠ビル内
電話:03-3497-8039 ファックス03-3497-8038
メール tkjts@itochu.co.jp


____________________________________

特に個人的に関心大なのは、内藤正典教授の基調講演1と、森永堯氏の第4講演。

内藤教授は、イスラームとヨーロッパの関係について、非常に深い考察をおもちの方で、お話も迫力ある。

ヨーロッパのイスラーム系移民の状況に通じた方で、トルコとも関わりが深い。

以下、著作などご参照を。
ヨーロッパとイスラーム―共生は可能か

以前にも御紹介したが、最近よく取り上げられるヨーロッパのイスラーム系移民の現状がまとまった一作。

イスラーム戦争の時代―暴力の連鎖をどう解くか

こちらはその後発刊された著作で、前作をさらに掘り下げた内容になっている。

また、森永氏はかつてイスタンブル駐在時代に、政財界との前向きなパイプを築いて「この人あり」と知られた方だ。
ビジネス面でのトルコが見えようかと思う。

しかも、司会はかの鈴木董教授。
私の興味はいつも偏っていけないが、何度か御紹介した「トルコ食文化史」の名著、
食はイスタンブルにあり―君府名物考
はじめ、トルコ関連の好著多数の方だ。

なかなか贅沢なシンポジウムなので、関心ある方は足を運ぶ価値ありだ。



  
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2006年06月11日

トルコ大使講演会

以下のような講演会があります。
関心ある方はどうぞ。

第6回「各国大使シリーズ〜トルコ大使と語る〜」開催のお知らせ
講演テーマ:“Turkey, Bridge between East and West”
講演者:ソルマズ・ウナイドゥン駐日トルコ共和国特命全権大使
(共催:青山学院大学、日本・トルコ協会、ジャパン・タイムズ、毎日新聞社 後援:
外務省)


 日本・トルコ協会は青山学院大学、ジャパン・タイムズ、毎日新聞社との共催、外務
省の後援にて、当協会名誉総裁でもあるソルマズ・ウナイドゥン駐日トルコ共和国大使
の講演会を開催いたします。お誘いあわせの上、ふるってご参加くださいますようお願
いいたします。
(*本講演会に参加するためには事前申込みが必要です。下記要領をよくお読みの上、
お申込み下さい。)

《講師紹介》ソルマズ・ウナイドゥン(H.E. Mrs.Solmaz Unaydin)
1942年アンカラ生まれ。1965年Bryn Mawrカレッジ(米国)政治学部卒業、1984年同大学
大学院国際関係学修士課程修了。1965年首相府通訳、1967年外務省入省。アフリカ局三
等書記官、1969年国連トルコ代表部三等書記官、1973年在エジプト大使館二等書記官、
1974年外務省政務局係長、1976年国連局係長、1977年国連トルコ代表部一等書記官、19
84年人事課係長、1985年二国間政務局課長、1988年同局長代理、1992年スウェーデン大
使、1996年ポーランド大使、1999年広報担当局長、2000年政策企画長を経て、2003年よ
り駐日大使。トルコが日本へ派遣した初めての女性大使。英語・仏語に堪能。趣味は音
楽鑑賞、スポーツ、ファッション。



【記】
日 時:2006年6月27日(火) 13:00〜14:45(12:30受付開始。質疑応答時間を含む

場 所:青山学院大学(青山キャンパス) 総研ビル12階大会議室
    銀座線・半蔵門線・千代田線 表参道駅より徒歩5分、
JR・銀座線・東横線・半蔵門線 渋谷駅より徒歩10分
言 語:英語(同時通訳付)
参加費:無料
申 込:往復はがき(1名に付1枚)に下記事項を記載し、青山学院大学庶務部庶務課に
送付。

*6/18当日消印有効。折り返し受講証が送られてきます。当日は必ずご持参ください。
(宛先)〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25 
青山学院大学 庶務部庶務課 トルコ大使講演係
(記入事項)氏名、年齢、住所、電話番号

* 日本・トルコ協会会員は「日本・トルコ協会会員」と明記してください。
* 日本・トルコ協会から本講演会について情報を得た方は、その旨記入してください

募 集:150名(応募者多数の場合は先着順)
問い合わせ先: 青山学院大学 庶務部庶務課トルコ大使講演会係
  
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2006年05月28日

嗚呼、イスタンブル! 【第57話】〜後編〜

(前編http://arima.livedoor.biz/archives/50486707.htmlからの続き)

●そして、イスタンブル・・・

今まで住んで、どこが一番居心地がよかったか、と言われると、私にとっては
イスタンブルになる。

今もそう変わっていないようだが、やはり旧ローマ帝国の街の迫力というのは、
ひしひしと肌身に感じるものがあって、この誇り高き「古都」の空気は、
ミュンヘンにもカイロにもないものだ。

本来、今まで行った町で一番好きになって、恋情すら覚えるのが「ローマ」。
実はローマに行ったのは、イスタンブルからカイロに引っ越したあとなのだが、
はじめてローマの街を歩いたときの、あの胸の高鳴りは忘れられない。
だから、イスタンブルに惚れるのも無理はないわけだ(?)。

いろいろな意味で、いい街だった。
何しろ若い連中が元気なのである。
そして私もまだ三十路を超えていなかった(遠い目・・・)。

映画はヨーロッパあたりとほぼ同時に封切りだし、街のヘソになるタキシム広場
にあるホールでは、しょっちゅうオペラだコンサートだとイベントをやっている。

実は一度モーツァルトの『魔笛』を観に行っただけだが、一番いい席でも1000円
もしない。
安い席は300円くらいらしくて、学生と思しき若い連中が、普通に普段着で
観に来ていたのが印象的だった。

その『魔笛』がまた、トルコ語版だ。
元が皆目わからないような演目じゃなくて良かったと思ったものだ。

クラシックもそんな具合に、わりあい自然に溶け込んでいたし、ジャズのライブ
もなかなか迫力があった。
ホテルの同僚に連れられて行った、巨大なライブハウスはヘビメタ専門で、
その日に市内のドームでコンサートをやった「メカニカ」というグループが
深夜過ぎくらいに現れて、突然にわかライブがかかっていたこともある。

とある友人は(ゲイだった)、家に山ほど映画館用のフィルムを抱え込んでいて、
ちょっと親しくなった友人は誰でもよんで、自宅で上映会をやっていた。
で、おのおのが持参した食べ物や酒でちょいと飲み会をやって解散、なんていう
面白い集まりもあった。

フィルムはどうしたのか聞いてみたら、トルコの映画会社というのは価値が
わからないから、ちょいとした伝を頼って「オクレ」と言えば、二束三文で
譲ってくれるんだそうだ。
今はどうだか知らないけれど、おかげでもう二度と観る機会はないかなあと
思っていた、黒澤明の『デルス・ウザーラ』なんかみせてもらった。
「お別れ会」という名目だったんだけれど。

結局、ひとつの街への思い入れというのは、街自体の魅力半分だが、あとは
個人的な体験で決まるものなのだろう。
イスタンブルでは、本当にいい仲間に恵まれて、楽しい遊び場も山ほどあって、
Mr.ヤマグチと結婚に至ってなかったら、今でもまだいたかもしれないと
思うことがある。

蛇足だが、5月29日は、奇しくもうちの夫婦の結婚記念日でもある。
陥落したのはどっちで、させたのはどっちだ、という話は、
とりあえず突っ込まないでおこうと思う。
どっちみち、もう13回目だ。

ただ、ウェディングドレスのまま式などを仕切り倒したのは、このワタシ。
式のあとの新郎挨拶では、下を向いて神妙なふりをしながら「黒子」をやった。
白いウェディングドレスの黒子というのは、言い得て妙だが、
私と親しい友人らは「アリーマが、いつマイクをふんだくって
自分でしゃべりだすかと気が気ではなかった」と口をそろえていっていた。

う〜ん、下を向いていたのに、空気でわかったのかなあ?

今年は、イスラム教徒の皆さんには申し訳ないが、豚肉料理の名店にて
祝う予定になっている。



  
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2006年05月27日

嗚呼、イスタンブル! 【第57話】〜前編〜

●5月29日

この日は何の日か?
オスマン・トルコがコンスタンティノープルを陥落した日だ。

コンスタンティノープルというのは、ギリシャ語ではコンスタンティノポリス
といって『コンスタンティヌスの町』という意味。
この辺、読み方がギリシャ語、ラテン語、英語と交錯していて、
いちいち説明をつけているときりがないので、コンスタンティノープルに
コンスタンティンで統一してしまう。悪しからず。

ここでいうコンスタンティヌスとは、勿論かつて東ローマ帝国を建国した
コンスタンティン大帝のことだ。

ちょうどヨーロッパとアジアの分岐点にあり、北に中央アジア、南にアラブから
アフリカへつながる通商路の、丁度交差する地点にある。
よくぞここを選んだものだと思う。


●「イスタンブル」か「イスタンブール」か?

その都市名の変遷をたどると、三回や四回ではすまないし、そういう本は山ほど
あるので、近代にいきなり飛ぶ。

日本でひとつ、国としての見識を感じるのは「各都市や国家は現地語読み」
という原則だ。
ただ、誤って入ってきて長く呼び習わされると、それで定着してしまうことも
ある。イスタンブールがいい例だ。

昔々(になるのだろうな、やっぱり)、庄野真代という歌手が歌って流行った
『飛んでイスタンブール』という歌があった。
この「飛んでイスタ〜ンブ〜ル〜〜」というサビが、実にポップかつ演歌調で
秀逸だったせいか、日本人の頭にこの都市名は「イスタンブール」と完全に
インプットされてしまったくらいだった。
でも、原語主義を採るのならば正確には「イスタンブル」が正しい。

では、なぜ「イスタンブール」と伸びてしまったのか、と、ふと不思議に
思って調べたら、ペルシャ語やアラビア語では伸ばしているのである。
たぶんその影響なのだと思う。

でも、トルコ語では「イスタンブル」だ。

*注:尚、この『飛んでイスタンブール』は『異邦人』同様、カラオケで入ると
問答無用で私がマイクをふんだくることにしている。



●「イスタンブル」の意味するところ

これは諸説あって、どれも微妙に無理があるようにも筋が通っているようにも
思えるから不思議である。

ただ、意外や「イスタンブル」という都市名が正式名称となったのは、
1923年にムスタファ・ケマル初代大統領がトルコ共和国を創立した、
その10年後の1933年となる。
それまでは「スタンブル」だの「クスタンティニーヤ」と呼ばれていたそうだ。
いずれもアラビア語で、前者は「コンスタンティノープル」の「スタン」と
「プル」がくっついた略称が定着したもの。
アラビア語では「p」を「b」と発音する癖があるので「プル」→「ブル」と
変成したのだろう。

なぜにその前に「イ」がついたかは調べ切れなかった。
トルコ語は二重に子音を使うことを嫌うので、特に「トルコ語の純粋化」を推進
していたケマル・パシャが「イ」をつけた、という説はある。
逆に、アラビア語の方言では「イル」という定冠詞をよく使うので、
子音とリエゾンして「ル」が落ちて「イスタンブル」になったのかもしれない。
「The Metoropolitan」というような意味になるから、悪いイメージはない。

後者の「クスタンティニーヤ」は、そのままコンスタンティンの名前が残った
「コンスタンティンの町」という意味。

当時のトルコはギリシャとは見事に仇敵同士だった(今でもそうだけれど)ので、
自然とイスタンブルに収まったのかなあ、と思う。

余談だが、梨木香歩の『村田エフェンディ滞土録』という、ちょっとステキな
幻想小説があるのだが、ここの舞台は1899年の「スタンブル」。
村田という日本人の研究者が、この街に滞在して遭遇するさまざまな出来事を
描いた小説なのだが「あの時代」のにおいが感じられる佳作だ。
オススメである。

(後編に続く)


  
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2006年05月10日

トルコ共和国の地誌と軍事(『軍事情報』より)

拙ブログの「親」である『軍事情報』が、最近ブログの体裁で内容を刷新。
より幅広くタイムリーに、興味深い記事が読めるようになった。
メールマガジンとはまた違ったよさが、いかんなく発揮されている。

そこで、以下のように「トルコ共和国の地誌と軍事」という記事が上がったのでご紹介。
ありそうでない情報だし、いろいろな意味で複雑な国家だけに、こういう形でマクロな視点から概観すると改めて興味深い。

以下の記事を是非ご参照いただきたい。
http://okigunnji.com/2006/05/post_6.html

一つの国や地域を考える時、諸々の詳細情報は重要だが、えてして忘れられがちなのが、こういう「マクロな視点」ではないか、と思う。
細かい話を詰めこみ、積み上げているうちに、盲が象見るような状態になってしまうのだ。

これはスカンジナビアのことを取り上げた時に痛感したのだけれど、
とりあえずその国なり地域なりの地図をじっと眺めていると、意外にいろいろなものが見える。
国の大きさ、首都の位置、近隣各国の大きさや距離感などなど、といったところをぼんやり眺めているだけで、ひとつの骨組みが頭に出来上がるのだ。

当たり前な人には当たり前な作業かも知れないが、これを忘れてミクロな視点の情報にばかりとらわれてはいけないな、と改めて思った次第である。

尚、身内の話になるが、本当に良質で的確な軍事関連の情報は、実に得がたい。
国際情勢は、ほぼイコール軍事情勢だ。
メールマガジンともども、ブログの『軍事情報』も注目したい。

『軍事情報』
http://okigunnji.com/

この地誌情報は、是非シリーズ化してほしいなあ、と思う。
次はエジプトかなあ?  
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2006年01月22日

『新トルコで私も考えた』

なんと、新連載が始まった。
それも、私が毎号発売日ごとに走って買いに行く『YOU』という漫画誌。
『ごくせん』愛読者の私。これで一粒で二度おいしくなった。
ふっふふふ。

既に4巻出ていて、すでに依然ご紹介済みだが、改めて・・・。

トルコで私も考えた (1)〜(4) ヤングユーコミックスワイド版
高橋 由佳利 (著)







トルコで私も考えた (1)




トルコで私も考えた (2)




トルコで私も考えた (3)





トルコで私も考えた (4)


トルコで私も考えた [少年向け:コミックセット]

  
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2005年11月19日

トルコ敗退

あ〜あ、とすっかり無気力状態で、なんも言う気になれませんでした。
しかも、負けっぷりが悪すぎたし。

思い起こせば2002年、日本も韓国も「対戦国に向かって勝とうが負けようがフェアな応援をして、街の人もあたたかいのに感激した」ということで、トルコ人はいたく感銘を受けたという話を思い出した。
「トルコであれば考えられないことだ」っていうの、なんとなく聞き流してたけど・・・。

こういうことだったんかい!

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/wcup/06germany/preliminary/headlines/20051117/20051117-00000021-spnavi-spo.html

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/wcup/06germany/preliminary/headlines/20051119/20051119-00000013-spnavi-spo.html

もう、スイス選手、到着時から空港でナンノカンノと二時間足止めを食ったりとかなりひどい扱いを受けてたらしいのだけど、負けたらスタンドからスイス選手に石は投げるは、トルコ選手が乱闘を仕掛けるは・・・とまあ、ちょっとお粗末で、トホホ感は寒さとともにより深まるのでありました。

あ〜あ。  
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2005年10月19日

トルコ―イスタンブルは今日も賑やか

トルコ―イスタンブルは今日も賑やか ヨーロッパ・カルチャーガイド』
トラベルジャーナル社

1998年刊行なので、情報が多少古くなっている感はあるが、穴場の観光スポットからトルコ語の言語文化に政治背景、映画やB級グルメにいたるまで、一般のガイドブックにはまず出てこないサブ・カルチャー的な話題満載。
読み物としても楽しい。
  
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2005年10月18日

ヴァン猫はワン猫

訂正というか、一応ご参考までに・・・。

ヴァン猫の話を数回出したのだけど、トルコ語では「ワン」に近い音になる。
一応「ヴァン」という品種名があるから、間違ってるわけではないのだが、表記はワンだったりヴァンだったりする。

ヴァン湖のニャンコはワン湖のワン猫でした・・・ははは。

あと、追加で面白い写真があったので御紹介。
「ワンの町の入り口のワン猫像」だそうで。
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2005年10月17日

図説 イスタンブル歴史散歩

『図説 イスタンブル歴史散歩』
鈴木 董(著)
河出書房新社

以前にご紹介した『食はイスタンブルにあり―君府名物考』と同じ著者。
イスタンブルの史跡を集めた写真集はいろいろとあるが、歴史考証や図版が
緻密で詳しく、徹底している。
イスタンブルで史跡を巡ろうというのならば、一冊持っていけば下手なガイ
ドなど要らないくらいの内容で、単なる写真集を超えた読みごたえあり。
  
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2005年10月14日

ラマダーンの風景 其の三 〜イスタンブルにて〜 【第31話】

●エジプトとそれ以外の国々

エジプト、トルコ、ドイツと10年余り海外で過ごした。
その間、ドイツはミュンヘンに一年、トルコはイスタンブルにも約一年半
住居があった。
だから、イスタンブルとミュンヘンに居た期間というのは、
特にためらいなくするっと口から出るのだけれど、
さて、エジプトは?となると、つい「ううん・・・」と悩む。
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2005年10月13日

ワールドカップ トルコ順当にプレーオフへ

12日の三試合の結果。

2005年 10月12日 カザフスタン - デンマーク 1:2
2005年 10月12日 ギリシャ - グルジア 1:0
2005年 10月12日 アルバニア - トルコ 0:1

・・・ということで、2位から4位が順当に勝って、波乱なくトルコがプレーオフ進出です。
ぱちぱち。めでたい。
同時に、ギリシャ国内の不満が肌で感じられますが。
なにしろ、ここでトルコが勝たなければ、ギリシャにもチャンスはあったので。
過去の歴史的因果関係を考えると、デンマークなんて存在してないようなものでしょうか?

ところで、同日行われたウクライナvs日本戦、おっそろしく寒そうでしたね。
日中最高が13度だったらしいです。しかも雨。う、さぶっ!

  
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2005年09月05日

ワールドカップ トルコは? 

さてこの週末、来年ドイツのワールドカップ出場をかけて、実はヨーロッパもアフリカも熱くなっております。

と、レポートしながら、ゲームを見たわけではなく、しかもサッカーが特に好きなわけでもない私ではありますが、許してください。
自分の好きな国が、出てくるかどうかを見てるうち、順位表にはまってしまったわけで。

まずヨーロッパ・リーグでは、4日ウクライナはドイツに次いで来年のワールドカップ確定。
今回トルコもギリシャも隣組で同グループ。
嫌味かと思うほど、両国負けられない状況です。

2002年あんまりな日本の偏向報道に怒って、全ゲーム中「トルコVSセネガル」だけは、オット出張で不在中、たった一人テレビの前でトルコのサポーターでした。
だって、日本の報道を見てると、あの時「トルコは負ける」って話を前提に、セネガルとやったらどうなるという話を、平気でしていたんですね。

主催国のマスコミの態度とは思えん!!
まことに失礼でした。
日本語が国際語でなくて良かった(サッカー圏で)と、しみじみ思いました。
オリンピックもそうですが、日本選手の状況ばかりをむやみに追いかける現状、発展途上国並と感じてしまいます。

ニュースってNewsであって、バラエティー番組ではないのだから。
事実をもっと淡々と伝える番組が見たい、と思うのは、贅沢ですか?(ちょっと愚痴)

ましてや、当時のセネガルは九州某地とかかわって思いっきり話題性があったので、特に理由もなく「とりあえずセネガルはトルコに勝つとしてですねぇ」という趣旨の話が、あっちこっちに流れたのです。ワタシ、サッカーはわかりませんが、あれが大変失礼千万だというのはわかります。

ましてや、ワタシのトルコです。
どんなにエキサイティングなゲームでも、サッカーの場合必ず途中で眠くなる体質のワタシですが、この試合だけは最後まで見ました。そう、ワールドカップ中の話です・・・。

さて、トルコ・・・なんと9月3日のホーム戦でデンマークに引き分け。

まずい!
黒海地中海隣組でメラメラやってるうちに、涼しい顔でデンマークが出てきています。

このヨーロッパ第二グループの場合、一位で出場確定はウクライナ。
あとはどうやっても二位を死守して、プレーオフに持ち込まなきゃいけないのに!!

9月7日の「カザフスタンVSギリシャ」(何点とって勝てるか?!というところか)、そしてウクライナVSトルコ(うう、厳しそう)あたりでもう少し見えるだろうか。

で、ギリシャは10月8日のデンマーク戦がどうなるか?!

勝敗は以下参照。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/wcup/06germany/preliminary/data/europe/eu_group2.html
  
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2005年08月11日

マントゥ

以前にトルコ料理の項で御紹介した『マントゥ』という料理。
ふと気がついたらTBが入っていたので覗いたところ、面白かったのでご紹介。

http://www.blog-headline.jp/food/archives/2005/08/post_235.html

結構いろんな人が、日本でトルコでマントゥを食べている。

しかし「好きだから」というだけの理由で自分でも紹介しておいて、今更いうのもなんだけれど、トルコ料理としてはそれほど一般的とは言い難いこの料理、なぜ突然取り上げられたのだろう?
テレビか何かでやっていたのでしょうか?

ご存知の方は教えてください。

また、上記の記事でも紹介されていた、
『イスタンブール@トルコフォトダイアリー』というブログでは、
写真入りで作り方が!
う〜ん、これは本当においしそう。
お宝映像といえます。
皆さん是非ご覧ください。

http://istanbul.exblog.jp/2366085#

わざわざ昔の記事に戻るのが面倒な方のために、再度ご紹介すると、
マントゥというのは単純にいえば「トルコ風水餃子のヨーグルトかけ」。

聞いた瞬間「げ」と一言発して引く人も多いでしょう。
日本人の場合、かなり好き嫌いが分かれます。

地方によりいろいろバージョンは違うようで、トマトソースとヨーグルトをかけたものもありますが、私が偏愛しているのは、小指の先ほどの大きさでピラミッド型。これにヨーグルトとにんにくソースだけをかけるもの。
これは「カイセリ・マントゥ」といって、カイセリという町が発祥。

カイセリは、有名観光地カッパドキアから車で二時間ほどのところにあり、ローマ時代から中世にかけて栄えた町。
現在にいたるまで、交通の要所として、また中部アナトリアの商業都市として知られています。

私は残念ながら行ったことがないけれど、今度トルコに行くことがあれば是非とも立ち寄りたいもの。

何のため? 
カイセリ・マントゥのためです・・・。  
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2005年06月04日

トルコはシーフードでも有名だ。

トルコのシーフードの話。

トルコはシーフードでも有名だ。
イスタンブルなら、旧市街の裏側でマルマラ海に面したクムカプ地区や、
ボスポラス海峡沿いに並ぶレストラン群がよく知られている。

肉料理と違って、魚は高価でもあり、庶民の食卓ではそれほど一般的ではない。
料理法も焼くか揚げるかと単純で、肉料理に比べると今ひとつ精彩を欠く感が
ある。

トルコの魚料理は、ドイツ人だ、アメリカ人だ、イギリス人だ・・・
という欧米系人種が絶賛するものではある。
でも、一般日本人の舌を『美味』として満足させるところまでは至らない。
日本人は世界一の魚喰い。悲しいかな、我々のレベルが高すぎるのだ。

羊をあれほど徹底して食べ尽くす国民とは思えないほど、魚の扱いはぞんざい
だ。
なにしろ、大きな魚の丸焼きなどを高級シーフードの店で頼むと、黒服のウェ
イターが現れて、皮、頭、目、骨の周りといった「一番うまいところ」を全部
外してくれるのである。
で、骨一つない状態にしたいわゆる「フィレー」を静々と各自に分けてくれる。

その度に私は「ちょっと待った!」と騒いだもので、持っていかれかけている
「残骸」をいじましく取り返して「魚の目玉」なんかをつついていた。
全員日本人なら良いが、欧米系の友人と同席している時などは気味の悪いもの
を見るような目つきで見られたものだ。
「わー、魚の目玉食ってる!」「気でも狂ったの?」、
などと言われながら、皮をしゃぶり、頭をつつく私なのではあった。

しかし肉攻めの日々にあって、よい息抜きになるのは間違いない。
過大な期待をもたなければ、そう悪くはない。。
ただしあくまで魚は「高級品」なので、現地の物価から考えると、日本でそれ
なりのステーキハウスなどに行く感覚だ。
入り口に並んでいる魚を見て量り売りなどという場合は、値段を確かめないと
値段が跳ね上がることがあるので注意。

市内で手軽なのは「チチェク・パサジュ」というところにある魚市場(バル
ク・パザル)だ。
イスタンブルの中心点であるタクシム広場から旧市街に向かって伸びる、石畳
のイシュティクラル通り沿いにある。

クムカプはシーフードのレストランが密集した地区で、観光客が多い。
値段も味もそれなりだが、街の雰囲気はそれなりに楽しい。

高級店はボスポラス沿いに点在している。
店の良し悪しはさまざまなので、ある程度情報を集めてからいくと良い。
こちらはたいてい要予約だ。

  
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