2007年04月11日

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「オリーブ」と「油」 〜不思議なルーツをぶらぶら辿ると・・・〜

先日、ポルトガルのオリーブオイル生産業者と仕事をする機会があった。
そこで、ちょっと面白いことがあったので、その話を。
欧語の「油」の語源について、だ。

このクライアントが持ってきた商品は、100%有機生産の高級オリーブオイルだった。
私はポルトガル語などわからないので、瓶に書いてある名前が商品名と信じて疑わなかったのだが、商談先の担当者が「この"AZETE"というのが商品名ですね」と確認したら
「"AZETE"は単に『油』だ。そう書いてあるだけだ」
「ええと、じゃあ、商品名は・・・?」
「だからうちの製品は、100%純粋な有機オリーブ・オイルで・・・」
「・・・商品名は・・・」
「だから、うちの製品は・・・」

ようするに、実に素朴に、瓶に「油」とだけ書いた、手詰めの手工業製品なわけである。
「商品名」だの「ブランド」だのという発想すらない。

クライアント氏、そこでふとつぶやいた。

「スペイン語では"aceite"というだろ。スペイン語には、ポルトガル語の"z"を"c"に変えた
言葉がたくさんあるんだよ・・・」

関係ない話だし、この商談にも仕事(一応「英語の通訳」ということになっていた)にも、
実はどうだっていいのだが「あ?!」と思わずつぶやいてしまった。

「アゼーテって・・・アラビア語で油はザイトだのゼートだのと言うなあ・・・。
オリーブはザイトーンだし・・・トルコ語じゃオリーブはゼイティンだ・・・」

なぜ頭に「ア」が付くかといえば、定冠詞の「al」がリエゾンしたんだろう。
それで、ポルトガル語の「油」は"azete"、と・・・。

一瞬職務を忘れて、なんだか不思議な連想に走ってしまった。

オリーブ・オイルというものは、紀元前5000年くらいから紀元前1500年くらいにかけ、
クレタ島からシリア経由で北アフリカに広まったのが発祥だそうだ。
と、いうことは、ひょっとして遥々と地中海の縁をぐるっと巡って、オリーブとその油は
ポルトガルにたどり着いた、ということなのだろうか。
そして「油」=「オリーブ」という感覚も、地中海を一巡りしてきたのだろうか。

まあ、仕事中にそういう夢想に耽っているわけにも行かないので、帰って調べたら
語源にまつわる話がよくまとまっているサイトを発見。

http://www.eigo21.com/etc/kimagure/092.htm

面白いことにイタリア語になると「油」は「olio」で、アラビア語の影響はない。
こちらは遡っていくと、ラテン語、そしてギリシャ語に語源がある。

そして「オリーブの旅」はヨーロッパを北上し、北のほうでは英語で「油」が「oil」
のように、一見何が語源だかわからない姿に変わっていく。

厳密に言うとどうなのか、今ひとつ自信がないので、よくご存知の方がいらしたら
是非補足をお願いしたいのだが、こういうどうでもいいようなことを、あれやこれやと
考えるのは、大変楽しい。

そういえば商談のほうも、気が付いたらなんとなく盛り上がっていた。
無責任な通訳もいたもんだ、と思うのだが、この「AZETE」をいつかどこかの店先で
見かけるといいなあ、と思っている。

いまや「油」と言えばガソリン、というイメージだが、源は「オリーブ」なのだ。
そうそう、うろ覚えだけど、ロシア語では「石油」をネフチとか言うそうだが、
アラビア語ではナフトとも言うのだな・・・これは関係あるのだろうか?

誰か詳しい方、教えてください。


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この記事へのコメント
語学には疎いのですが、ナフトは石油系の油の呼称で確かアラビア語がオリジナルです。 英語で一次精製油のNaphthaの語源ですね。
ゼイテとかは植物油系で、ファットは脂肪系とか同じ「あぶら」でも色々ありますね。 日本語でも油、脂、膏と…。
Posted by とも2 at 2007年04月14日 08:58
とも2さん

そうそう、ナフサという物質があることを、化学オンチ以前の私は数日前に知りました。
その辺の話、続編ということでちょこっと広げようかと思ってたところです。

そういえば「脂」のほうは考えていませんでした。
ちょっと宿題、ですねえ・・・。
Posted by アリーマ at 2007年04月14日 11:31
そりゃ〜「脂」系の教祖を奉ろうとしている我々としては外せないワーディングでしょう!
確か協議の一つに「全てのモノは油脂から生ずる」ってありませんでしたか?
おっと、ブログ違いですね。 彼のBBSに行って論議しましょうか?
Posted by とも2 at 2007年04月14日 20:04
とも2さま

ううむ。
脂と油・・・いや、始めると果てない謎が口をあけそうなテーマではありますね・・・反動で脂質の大量摂取に走らないように気をつけないと・・・。
Posted by アリーマ at 2007年04月15日 00:24
アリーマさんのところ、来るたびに興味深いお話展開されていて、楽しいですね〜!
 アゼーテ、アセーテ、ザイトゥーン、ゼイティンまでお話は発展して勉強になりました。ザイトゥーンだけしか知りませんでしたが、スペイン・ポルトガルからトルコ語もつながっているのを見させていただいて、イスラム帝国の歴史に沿ったような言葉のつながりを確認できました。
 また、楽しみにしていま〜す。
Posted by miriyun at 2007年04月15日 22:46
miriyunさん

いや、単なる暇人の白昼夢みたいなもので・・・。
私もこれは、考えて調べて、なかなか面白かったのですが。

実は「ナフト」にも別のルートがあるようなのですよ。

言葉って面白いですねえ。
Posted by アリーマ at 2007年04月15日 23:07
ナフサの語源について調べたのですが、コメント送信ができません。
「使用禁止用語が含まれている」か、エラーがでるのですが…。
Posted by かもめ at 2007年04月27日 12:00
かもめサマ

申し訳ありません。
どうも、ライブドアのサーバー自体が不調を起こしていたようです。
今は解決済みのようですが・・・。

ご迷惑をおかけいたしました。
Posted by アリーマ at 2007年05月04日 13:56

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