2006年09月01日

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再び、ファラオの復讐について 【第61話】(前編)

●お詫び

この冒頭、実はこの連載で結構多い、という事実に気がついて呆れた。
呆れるだけで、反省につながらないのはいけない。
いけないと思うが、結局三歩歩くと忘れて、しょっちゅう「お詫び」になる。

こんな筆者を、暖かく励ましてくださる皆様のお気持ちに支えられ、なんとなく休載
していたが、これまたなんとなく再開せんと原稿を書き始めた。

だらしのないことで申し訳なく思うが、エジプト化した猫人間の書く、中東がらみの
徒然の記と思っていただければ幸いである。

マーレーシュ。

ああ、いい言葉だ。
日本語に翻訳不能な言葉だが、敢えていえば「まあまあ、ね」「いやぁ、どうも・・・」
「それはまた、ねえ」「いやいやまあまあ」というような様々なニュアンスがある。

そして、言われた相手も「マーレーシュ」と答えるのである。
返事の場合は「おお」とか「ああ」とか「いや、まあ」みたいなところか?
ともかく、言ったところですでに「赦し」が成立している。

この微妙なユルさは、実にエジプト的だ。
全てがグレーエリアで、ゆるゆると流されていくのである。

と、いうことで、エジプト人のふりをして勝手にお許しをいただいて、
久しぶりに本文に入ろうと思う。



●ファラオの復讐について

実は、夏休みの前に一度「ご注意」ということで上げておこうと思っていたのだが、
今日になってしまった。

でもエジプトのツアーは秋口以降が本番だから、ここで書いても遅すぎはしないだろう
と思う。

いや、別に新しい話題ではなく、昨年の春頃に以下のような話は書いているのである。
関心ある方は、あとで読んでみていただきたく。

http://arima.livedoor.biz/archives/17070534.html


簡略に行こう。

エジプトには、俗にいう「ファラオの復讐」という病がある。
何のことはない「一種の食中毒」なのだけれど、症状は相当きつい。
端的にいうと「強烈な嘔吐、激烈な下痢、灼熱の高熱」と、言いようによっては詩的に
さえ響く病状だ。
しかし、実際に当たったときの「肉体的な」響きは、詩的なものとは程遠い。

その辺の話と予防、ということでもう一回、敢えて書きなおしたい。



●水関係

1.エジプト現地には、ミネラルウォーターがある。
 
 生水については、慎重な人は飲まない。だからといって、別に毒ではない。
 私はカイロで過ごした最初の一年を生水で過ごした。
 やめたのは「たかが20円程度で美味しい水が2リットル買えるのに、
 なぜこの不味い水に耐えなければいけないのか?」と、ある時ふと思ったからだ。
 現地の水は、硬くてカルキが強くて、住居用などは消毒もきつい。
 はっきりいって不味いのだ。

 じゃあ何故ひたすら生水に固執したかって、それは25歳当時の「若気の至り」
 としかいいようがない。
 今思うと馬鹿げてるが、なにか妙なコダワリを持ちたくなる年頃だったのだ。
 かわいいものである。まあ、いいじゃないですか。

 毒物に近ければ、歯を磨いた瞬間におかしくなろう。
 そして、原則その心配はない。

 ただし、水質が硬いのでカルキ分は強い。
 「水が変わると水あたりする」という現象は、極端に言えば九州の人が東京にきて
 も起きることなので、ましてやエジプトならばミネラルウォーターを飲むのが
 常識といってよいだろう。

 だから、飲料水はミネラルウォーター、としても、あとはあまり神経質になりすぎ るのは
 考えものだ。 

 ちなみに、私はエジプトから日本に一時帰国すると、いつでも最初の一週間くらい
 お腹の調子がいまひとつだった。
 まあ、そんなものだと思っているので、普通に飲み食いしているうちに平常に戻る。
 疲れがたまっているときなど、お腹が結構ちくちくした(繰り返すが
 エジプト在住時「日本で」のことだ)、諸事に追われているうちにおさまる。

 もっと気の毒な例を上げれば、来日したエジプト人が日本でホテルの生水を飲んで
 「逆ファラオの復讐」にあうケース。
 
 こういう人たちには、ひっそりと「シャイ・ビ・ナァナァ(ミントティー)」を
 ホテルの部屋に差し入れたものだ。
 お気の毒すからね・・・。
 同じような目にあって苦しんだ経験のあるものとしては、やはりこういうときは、
 出来るだけのことをしてあげたいと思う。

 そう、余談だが、私も現地で数回は経験している。
 別に無傷で十年過ごしたわけではない。
 大抵、他所の国にしばらく「出稼ぎ」に行っていて、戻ってから一ヵ月後くらいに
 発症するのだが、しまいには慣れてしまった。

 私にとっては「愛の帰国歓迎セレモニー by ファラオさま」のようなもの、
 だろうか?


1.「生の野菜や果物を食べるな」という話
 これは、人それぞれであって、個人差が大きいので、一概にはいえないことではあ る。
 
 ただ「現地の水で洗っているから生野菜や果物は厳禁」のような言い方も極端だ。
 特に生野菜というのは、消化が必ずしもよくないし、昔から日本でも
 「胃を冷やす」とよくいう。
 それだけに、胃腸のコンディションが万全でないときには消化不良の元になりやす い。
 
 一般のローカルレストランでは、洗い方や水質などは色々だと思うが、少なくとも
 一流といわれるホテルの場合、水はきちんと浄化槽を通っている。
 過去、カイロ市内一流ホテルを某所が調査したところ、雑菌のレベルなどは特段 
 健康に悪いものではなく、場所によってはボトル売りのミネラルウォーターよりも
 よかった、という話を聞いたことがある。

 だから「エジプトの水で洗った野菜を食べると食あたりする」というのは、
 必ずしも真実ではないし、極端ないい方だ、と思う。
 要するに、本人の体調の問題なのだ。
 
 ただし例外的に、ティーン・ショーキ(トゲ付きサボテンの実)のように
 夏場に道端で皮を剥いてもらって食べるようなものは、一応それなりに覚悟を・・・
 といっておく。

 果物自体はよいとしても、露天だけにナイフなどの衛生管理は言わずと知れてい る。
 衛生管理? 
 露天によっては、売ってるおじさんの手ぬぐいなんかでチョチョイと拭いてお終 い、とか、横にあるバケツに突っ込んで手ぬぐいで・・・という「管理」。
 
 用心深い友人は、丸ごと買って自分で処理していた。
 厚手のゴム手袋着用である。
 そうしないと、手のひらがトゲまみれになって、とても痛い思いをするそうだ。

 「ふうん」と、単純に感心しつつ、衛生状態怪しげなナイフで切り捌かれたものを
 道端で買い食いして10年ばかり、特段問題が起きなかった例もある。
 私と夫と、似たような行動形態の奇怪なお友達のように
 
 これで平気なのは、現地で生活していて体調が平常だからなのだ、と思う。
 抵抗力もついているし、何しろ体が現地化している。

 日本に一時帰国して、生水を飲んだらお腹の調子を崩すくらいだ。

 要するに、この場合、水質というよりは「慣れと体調」なのである。


1.当たれば全て、食べもののせいになる
 これに関しては、野菜や果物と同様で、私は以前から疑問に思っている。
 確かに、体調を崩す理由は多い地域ではあるけれど、それを全てエジプトの
 食べもののせいにするのもひどい話だ、とよく思う。

 くどいようだけれど、体調の問題、ひいては自己管理の部分が実は大きい。
 詳しくは・・・(つづく)。
 




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この記事へのコメント
山口様

こんにちは、お久しぶりです。日本は未だ残暑が厳しいとの事ですが、相変わらずお元気でご活躍の様で何よりです。

突然連絡を差し上げたのは、元日航のチーフパーサーが発行しているメルマガを愛読していますが、私が焚付けたせいも有ってこの所「飛行機での旅行を100倍楽しむ方法」と言うシリーズが30回程続いています。私も折々自分の経験談等を投稿していますが、先日旅先での病気に付いて書き込んだ時に山口様の「中東ブラブラ・・・」の「ファラオの復讐編」を紹介させて戴きました。

事後承諾で申し訳有りませんが、多分購読数が少し増えると思います。ご了承下さい。

ついでながら、メキシコではファラオではなく「モンテ・ズーマの復讐」といわれるそうです。もしかしたらメキシコでそう言うとアメリカで言われているのかも知れません。それにしても復讐は怖いですね。

中島茂忠
Posted by 中島茂忠 at 2006年09月20日 10:02
中島さま

おお、ご無沙汰しております。
御紹介まで、ありがとうございます。
そう言えば、最近アクセスが増えたような気が・・・。

「モンテ・ズーマ」ですか・・・インドあたりではなんというのでしょうね。

そう「復讐」と言うだけに、ナメた素人療法はまずいのです。
たぶん、どこでも同じだとおもいます。

横浜あたりのお天気は、実に不安定ですが、陽光と風は何とか秋らしいです。ただ、気候の変動が激しくて参ります・・・いまだに蒸し暑い夜、というのは、カンベンしてほしい・・・。
Posted by アリーマ at 2006年09月20日 12:55

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