四季の移り変わりを感じにくいエジプトで、やはり夏の風物詩といえば「モロヘイヤ」だろう。
厳密にいえば「初夏から夏の初め」くらいがピークで、後は硬くなってしまうのだが、八百屋や町の露天売りにモロヘイヤが出始めると暑くなり、あれ、見かけないなと思うとなんだか涼しくなっている。
レシピは先日もご紹介したが、各家庭、各レストランで色々だ。
東京は四谷に、エジプト料理の専門店が一年ほど前にオープンした。
前から一度いってみようと思っていたので、モロヘイヤ食べたさに横浜からオデカケ。
詳しくは以下をご参照くださいまし。
http://honyarara.livedoor.biz/archives/50643901.html
ところで、現地エジプトで「モロヘイヤが食べたい!」となっても、意外に出している店が少ない。
シシカバブのような、特殊な設備がいるものは別として、エジプト人は基本的にあまり外食しないからだ。
モロヘイヤの料理となると、これは完全に家庭料理の範疇で、現地のエジプト人は
「家で食べるもの」と思っている。
うちのカアサンの作るやつが一番ウマイのに、なんだって外で高い金を出して食べねばならんのだ、ということだ。
だから、外国人がこれにありつくには、先日ご紹介したカイロはダウンタウンの
『アラベスク』とか、一部高級ホテルのアラカルトメニューに限られてくる。
そうでなければ、エジプト人の家庭に招かれるしかない。
(尚、その他レストランで出しているところがあったら、ご一報を!
私の情報は何しろ古いので)。
さて、そして、こういうと申し訳ないが、やっぱり家庭が一番なのではある。
その代わり、とにかく大量に出すのが彼の地のホスピタリティーであり、出されたものを山ほど食べるのが答礼になるので、美味いは美味いが「わんこモロヘイヤ状態」を覚悟の上で臨まれたし・・・。
エジプトの家庭料理は、レバノンやトルコと比較すると繊細さや微妙な味わいなどでは落ちるものの、やっぱり「おふくろの味」の和やかさはよいものだ。
また、クセが薄いので、日本人には食べやすい料理が多い。
さんざん馬鹿にしてきたくせに、やはりときたま無性に、あの素朴さが懐かしくなる。
懐かしさと美味美食は、やはり違うところにあるのかなあ、とこの頃思う。