2006年06月24日

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カイロ住宅事情 其の二 〜住居探しと大家の弱み〜 【第59話】(前編)

 カイロ住宅事情 其の二 〜住居探しと大家の弱み〜(前編)


●カイロ生活はメイド付き

前回、ピンからキリまであるけど、とにかくだだっ広い、という話をした。
そんなだだっ広いアパートメント(カイロでは「シャッア」という)を一人で
維持管理するのは大変なことだ。

しかも、風通しよくできたカイロの住居は、砂漠から砂埃の押し寄せる、
その名も「埃及(エジプト)」にあるわけで、当然のことながら、床に食卓に
拭いても拭っても半日もすれば砂埃が積もっていく。

この漢字名、元は中国語らしいけれど、見事なネーミングだといつも感心する。

でも、なんと、カイロではメイドを雇うのがアタリマエなのである。
メイド、というと「萌え」なるイメージが最近の日本で蔓延してるらしいが、
この場合は単に「お掃除のオバサン」だ。
「シャッガーラ」という。

「ご主人たまぁ」などと可愛らしい声でいったりはしない。
「ヤ、マダーム!」と、太くドスのきいた声で呼びかけてくれる。

だから、お掃除は基本的に「やってもらえるもの」だ。

料金は色々だが、週に3〜4日きてもらって月5千円〜1万円くらいが相場だ
ったと記憶している。
掃除洗濯片付けの類が、病気のように不得手な私には有難い話だった。

そう、ついにカイロを離れるとき、上司のイギリス人に
「カイロで一番懐かしくなりそうなものはなんだい」と聞かれて、
ごくシンプルに「シャッガーラ」と答えて呆れられたものだ。

一度は、腹を立てて思いっきりメイドを一人クビにした。
その時、カイロを離れていた夫にそう報告したら、
「で、掃除とかは誰がやるわけ?」と聞かれたこともある。
「私がやります」
「・・・無理だと、思うなあ・・・」

前回から嫌味くさい話ばかりで、読者の皆さんも辟易しているだろうが、
私は結婚生活初日から「メイド付き」だったのだ。
で、この巨大なシャッアを一人で掃除してまわるなんぞ、可能性以前の問題、
ということに二日ほどで気がついたものだった。


●住居探しの方法

1989年にカイロへ渡ってから、本当によく引越しをした。
最初の二年のカイロで四軒、次のミュンヘンで二軒、イスタンブルで二軒。
その後カイロに戻った五年間で、四軒。

カイロに関していえば、下は月100US$から上は2000US$まで、実に色々なところ
に住んだ。
だから、カイロの住居探しはかなり上手い方だと自負している。

方法は色々ある。

1980年代末ごろは、何故か街角のそこここに「不動産の口利き屋」を生業に
しているオジサンがいて、この辺なら住んでもいいなあ、と思うあたりで
「部屋探してるんだけど」とその辺の商店主あたりに言うと、どこからともなく
そういうオジサンが出現するのだった。

ただ、この類で成功した例はあまり聞いたことがなく、化け物屋敷のような
ところに連れて行かれるのが常だったので、結局のところ私はやらなくなった。

その後、ちゃんとした不動産屋が出てきたので、もうこの類の
「どこからともなく出てくる家捜し口利きオヤジ」は多分もういないのだろうな
と思う。
もういないと思うと、なんとなく寂しい気がする。
あれはあれで、なんともエジプトらしい存在ではあったから。

不動産屋だと手数料はとられるが(たいてい家賃一か月分)、まあまあまともな
ところを見つけてきてくれる。

外国人向けのスーパーマーケットにある「掲示板」にも、何度かお世話になった。
この辺に出ている広告は、大家本人が出していることも多いので、不動産屋の
手数料が不要だから便利だ。
ただし、当たるか否かは運次第。

幸い私は、二回当たりを引いた。

もう一つ多いのは「口コミ」で、これが意外によくある。
何故かカイロのエジプト人は、複数シャッアを持っている中〜大金持ちが
結構いて、まわりにそれとなく「シャッアさがしているんだけれどね」と
いっておくと、どこからともなく噂が広まって「オレの友達の弟が・・・」
「私の親戚が・・・」「姉さんのダンナの友達が・・・」と、パラパラ話が出
てくるから面白い。

こういう時、特に紹介料が出ているわけでもなさそうなのに、話を持ってきた
自分の知り合いが、たいてい一緒についてきてくれて、その友達なり親戚なり
姉さんとそのダンナなりが一緒にぞろぞろと現れて、家主と一緒に部屋を
見ることがよくあった。

で、気に入らなければ「ごめん」の一言ですむから、エジプト人は面白い。
まあ、好きというほどでもないが、なんだか憎めないところだと思う。


(後編に続く)

(6月23日配信)




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