2006年04月02日

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春にして君を離れ 〜アガサ・クリスティーと中東〜 【第50話】 (その2)

前回からの続き)

●アガサと中東

フルネーム書くのも大変なので、以降「アガサ」と呼ばせていただこう。

彼女の最初の結婚は、非常に不幸なものであったらしい。
その後の人生は省略させていただくとして、
14歳年下のマックス・マローワンという考古学者と再婚した後は、
優秀な考古学者の妻という別の顔を、大いに楽しんだ様子がある。

誰がどうというのではないけれど、考古学者、特にオリエント系の考古学者
というのは、妙にだらしない飲んだくれの癖に、かたや偏狭で生真面目で、
人付き合いが下手なくせに、懐いた相手には人種国籍かまわず笑顔を見せ、
感情が激しいが妙に冷静で、どこかふざけているわりに現実的で、
その癖にロマンチスト・・・というイメージが私にはある。
間違っても結婚などしたくない相手だ。

でも、そんな若い男性と、作家として名をなした彼女は、
結婚生活を楽しんだに違いない。

マックスはシリアの辺りに毎年発掘調査に出かけていた。
妻としてアガサも毎年同行していたそうだ。

『さあ、あなたの暮らしぶりを話して』という、当時の生活を描くエッセイに
は、発掘を終えて帰る夫を、近くの高台で暮れかけた陽に照り付けられながら
待ち受ける様子などが描かれている。

サーフボードを抱えて海から上がる恋人をまつ、若い女の子のように。

砂漠の真ん中のそんな風景を想像すると、不思議と暖かい気持ちになる。

次回へ続く


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