2006年04月01日

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春にして君を離れ 〜アガサ・クリスティーと中東〜 【第50話】 (その1)

●アガサ・クリスティー『愛のシリーズ』

連載50回を迎えて、ついに頭のネジが緩んで飛んだわけではない。
実際のところ、もう飛んでいる(大半の読者がお気づきであろうと思う)。

しかも、飛んでって見つかんないんですよ。
困ったものです。
拾ってきていただくため、最後にお願いと「いい話」があるので、
読んでください。

前回は楠公がどうたら言ってたけど、今度はアガサ・クリスティー?
中東飽きたのか??
あ、最近変なブログで安っぽい食いもん話ばっかり書いてるせいだな。
安っぽい食いもんの代名詞って、イギリスだし・・・。

いいえっ!

ちょいとネタ切れ気味で、苦しい時がたまにあるのは事実だけれど(とほほ)
まだ続ける気でいます。
当分ご辛抱くださいまし。

まあ、記念ということで、今回は私の好きな小説の話をさせてほしい。
二十歳の時に初めて読んで以来の愛読書。

さて、アガサ・クリスティーのはなし。
知っている人は当たり前のように知っていると思うけれど、ちょっと御説明。


彼女はミステリー作家としては記念碑的存在だが、実はミステリーでない
普通の小説もいくつか書いている。
「メアリー・ウェストマコット」という、別の筆名で発表されて、
併せて六冊程出ているのだが、この中でも群を抜いて素晴らしい一作が、
この『春にして君を離れ』だ。
1944年刊行。


原題は "Absent in the Spring"。
元はシェイクスピアのソネットの一節。

日本では、ハヤカワ文庫が何を考えたのかわからないが『愛のシリーズ』
として赤い背表紙のミステリーと別に、NVのほうで出版されていた。

まるでこのネーミングじゃ、ハーレクイン・ロマンスのようだ。
確かにこの一連の作品でアガサ・クリスティーの描いた「愛」は、
男女が中心にあるが、とても淡々とした話ながら、
深く、強く、悲しく、時に厭らしく浅ましい。

そして当然のことながら
「深く強く悲しく厭らしく浅ましくミステリアス」なストーリーとなる。

出版社は最近装丁やコンセプトなどをようやく変えたらしい。
でも、あんな地味な話が絶版にもならずに売れ続けたのだから、
活字媒体全滅状態の日本においては奇跡のような話ではある。

よくぞ生き残ってくれたのものだ。
素直にうれしい。

次回へつづく


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