2005年09月18日

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アラブ・イスラーム学院 夏期講座(その2)

別に忘れていたわけではないのだが、9月3日に「その1」(http://arima.livedoor.biz/archives/50054022.html)を上げたきりになっていた。

「さて、講座参加の顛末は?
次回に続きます・・・インシャアッラー」

などと書いといて、見事にインシャアッラーな「その2」。

一応申しそえると、このインシャアッラー感覚は、本質的に間違っている。
「インシャアッラー(神が望み給えば)」は「やるかどうかわかんない」という、アラブ的アバウトさ(特にエジプト)の代名詞のようにいわれているけど、そういう風に使ってはいけません。
でも、また、この話は改めて。インシャアッラー。


ふと気づけば、ターミネーターのような残暑もようやく一段落。
やれやれ、やっと秋だ。

さて、この夏期講座、東京は地下鉄広尾駅から「結構な徒歩圏内」にある学院にて行われた。
5日間毎日、朝10時から午後2時まで授業があって、授業料はテキスト代の1万円のみ。
尚、昼間週5日と夜間週3回の講座も、休み期間以外は通年開講されていて、昼間が2万円、夜間が一万円。
産油国の余裕、などというと嫌味に聞こえそうだけれど、立派だと思う。

八月上旬の講座初日、通学途上いきなり道に迷ってしまった。
まだ10時前というのに、陽炎まで揺らぎ立ちそうな道路。
靴越しに足の裏が熱いような気がする。
あたりの道なりが、昔訪れたモロッコのカスバに見えてくる。
どうも耳の辺がベトつくと思ったら、脳みそが溶けて耳から出てきている
・・・ような幻覚がおきる。

泣きながら学院に電話して、道を教えてもらう。
しかも、心身溶け崩れかけた状態で教えてもらった道は右に向かう「坂道」だ。
もちろん、こういうときに限って「登り坂」・・・漠然と自分の人生と重ねかけたが、ネガティブな発想も出ないほどの状況。無我無心で「這い登る」。

正直に告白すると、この段階で
「もぉ勉強なんて、しなくていいや。おうちに帰る〜」
と、思った。
でも強いて坂を登ったのは、
「駅に戻るより学院のほうが近いから」
という、向学心とは無縁の事情に過ぎない・・・。

まったく、あの季節に「勉強」ができると思いつくなど、自己過信もいいところだ。
もういい年なんだから、ちったぁ己を知れ!

で、門に入る時に思いっきり柵に向う脛をぶつけた。
弁慶の泣き所、というやつ。

すでにとっくに授業は始まっている。
あまりの痛みにうずくまる、その背中に、情け容赦なく放射能のような日差しが照りつける。
「・・・核兵器反対・・・」とうっすら思いながら、
夏のサウジアラビアの路上で丸くなるような馬鹿な真似は止め、立ち上がる。

だって、学院の入り口が「一番近い日陰」だったのだ。

ヘロヘロと教室に入っていくと、当然授業は始まっている。
「アッサラーム・アレイコム・・・」(遅刻したくせに、もっとマシな挨拶はないのかい?!)

テキストもらって、呆然と席につくと、全身から汗が改めて吹き出した。
でも、これでもか、と効いている冷房のおかげで、一時限目終わりまでには人心地ついた。

そう、そういえば、この学院からきた「注意書き」に、
「女性は肌の露出の高い服装は控えてください」とあったのだ。
ちょいと悩んだが、ゆったりしたパンツに半そでに、大き目のTシャツでいった。

で、ここの場合、空調はきっちりきりっと効いているので「肌の露出の高い格好」で半日過ごすほうが根性がいりそうではあった。
要するに、そういうときに寒くないような格好でよい。

授業は結構なスピードで進む。
アラビア語がまったく初めてな向きは、一通りの文字くらいは覚えていったほうがいいかもしれない。

(続く、インシャアッラー)

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