2005年07月28日

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【第21話】 エジプトの夏について

●追悼

去る7月23日、エジプトはシャルム・エル・シェイクで
陰惨にして凄惨な事件が起きたのは御周知のとおりである。

この場を借りて、失われた生命に、心から哀悼の意を捧げたい。
何の神であれ、あなたがたの信ずる神が魂に平安を賜りますように。

今回はまたエジプトのお酒の話をする予定であったが、次回としたい。
御理解いただきたい。


●エジプトの夏は、どのくらい辛いのか? 

・・・といって、本当に休載などにすると、これはただの手抜きなので、
せめてノン・アルコホリックなお話を。

さて「エジプトの夏」といわれると、日本人はたいてい
「アッチッチのチ」状態を思い浮かべるようだ。
確かに一面正しくはある。

夏の一番暑い時間帯に外を出歩くと、凄まじく消耗する。
日陰から日陰へとジグザグ移動を繰り返す羽目に落ちるのだ。
「紫外線を避ける市街戦」の様相である。
しかも援護射撃ははない(あるわけないし)。

肩で息をしながら「二度とこんな馬鹿げたことをすまい」
と、何度思ったかわからない・・・
が、気質的に猫型なので、三歩歩けば忘れてしまう。
結局毎年、似たり寄ったりの行動を繰り返していた。

だから、日中はなるべく屋内で過ごしませう、と強調したい。

「空いているから」という理由で、日陰もろくにないゴルフ場で
18ホールをスルーで回る・・・などというのは、問題外である。
ハイ、うちは夫婦でやってしまったことがあります。

「空いている」というより「人の気配がない」「犬すらいない」
という状態でしたっけね。

とはいえ、エジプトの場合、屋内は涼しく過ごせるように作られており、
屋外でも日陰に入れば何とかしのげるものだ。
日本の東京あたりのように湿度が高いと、日向も日陰も暑いもんは暑いが、
湿度が低いエジプトのような土地では、日陰に入るとすうっと涼しくなる。

日本では「暑いねえ」と窓を開けるが、
エジプトでは窓を閉め、雨戸も閉めてしまう。
すると、建物が古い場合などは特に、
結構ひんやりしてくるから面白い。

湿度が低い場合、
肉体的な不快指数は少なくとも気温で10℃は下がる、と思う。
カイロの35℃は、日本の25℃ということだ。快適な初夏の陽気である。
でも40℃は30℃だから、ちょいと辛い、と。


●エジプトのホテル営業マンの夏・・・

カイロのホテルでは営業だった。
営業マンに付き物なのが「外回り」。
これは、程度の差はあれ洋の東西南北(?)を問わぬ宿命である。

しかし夏の外回りはきつい。
日本の都市部のように、
ちょいとスタバだ、ドトールだというわけにはいかない。

だから、なんとなく皆、事務所にたまりがちになる。
が、それに勘付いた総支配人Mr.O(絵に描いたようなドイツ人)が
オフィスに抜き打ちでやってきて
「営業マンの半分以上が、この時間にオフィスにいて何をやっとる!」
と怒号を飛ばすようになったことがある。

しかし、エジプト人の社内ネットワーキング・パワー(?)
というものは侮れない。
二度ほど急襲を受けたあとは、
誰がどう作ったかわからんネットワークが確立された。

さっきまで、でれでれと雑談していた連中が、
突然にわかにPCに向かい、ファイルを引っ張り出し、
背筋を伸ばして「何かやるフリ」を始める。

「Mr.Oがくる!」という極秘緊急情報は、彼が総支配人室を出て、
我らが営業マーケティング部に達する数分間のうちに伝わっているからだ。
尚、当時のオフィスは日本で言う「うなぎの寝床」の一番奥にあったため、
いかな典型的ゲルマン民族の総支配人といえども、
宴会、料飲という途中にある部局をスタスタ無視して過ぎるわけにはいかない。この辺のチームワークは立派で、うまいこと引き延ばしまでかけてくれる。

でも、結局のところ、Mr.Oはわかっていたらしい。
あれは営業マンに緊張感を持たせるためのデモンストレーション、
と後できいた。

でも、エジプト人の「内部諜報能力」には感嘆したそうだ。


●「熱い」夏をすごす飲み物

カイロの夏ときたら「暑い」を通り越して「熱い」!
こうなるとほとんど清々しくさえある。
日本では体中が汗でじっとりするので気持ち悪いが、
カイロでは、汗は出た瞬間に消える。

でも、慣れないと
貧血、高血圧、消化不良、熱中症などなどの症状が出てくる。
自分でも気付かぬうちに脱水症状を起こすようなケースもあるので
水分補給は必須だが
「冷たいミネラルウォーターのがぶ飲みは御法度!」と以前書いた。
こういうときに、適度に飲むといいのは「土地の飲み物」だ。

土地のものというのはうまくできていて、丁度いい飲み物がある。
例えば「カルカデ」と「アシル・リモーン」だ。

オーガニックハーブティハイビスカス(ティーバッグ25袋入)カルカデは、ハイビスカスのお茶。
最近日本でもティーバッグのものなどよく見かけるが、
主要原産地がスーダンと南部エジプトで、
ルクソールやアスワンなどのホテルのウェルカムドリンクでよく出てくる。
もちろんカイロでも注文すれば出てくる(注文したらどこでも有料)。


暑い熱いアツイ外から戻ると、本当に美味しい。
ハイビスカスは薬草でもあって、高血圧によく、鉄分豊かで貧血にも効く。
温かくして飲めば、もたれた胃もさっぱりする。
現地では、1キロ25〜30エジプトポンドくらいで売っている。

「アシル・リモーン」はレモンジュース。
エジプトでいうレモンは、直径2〜3センチ程度の小さな緑の柑橘類。
日本の黄色いレモンより、香りも甘味もある。

これを絞り、砂糖を加えたジュースも、夏の飲み物だ。
実にうまくできたもので、このレモンジュースもビタミンC豊富で、
カルカデ同様に体の熱をとってくれる。
多少砂糖が多めでも、結構おいしく飲めてしまうのは
土地のものの不思議だろうか。

Garden of the Andes ペパーミントティー香り豊かな第1級品。JAL国際線エグゼキュティヴクラス...そして、お腹の調子が悪いといえば「シャイ・ビ・ナァナァ」が出てくる。
ミント・ティーだ。
現地では胃腸の不調の特効薬。
こってりした食事の後にも良い。
ただし、エジプトでは一般に冷やして飲むことはしない。
どこかのお婆さんがいってたが、胃が冷えすぎるからよくないそうだ。


付け加えると、日本では触ろうとすら思わなかった「コカコーラ」が、
当地では妙においしく感じられるのは不思議だった。
これはいまだに謎である。
「強烈な暑さに対抗できるナニカ」が入っているのだろうか?
それも、日本製には入っていない「ナニカ」が・・・なんだろう?


●だからエジプトの夏は快適

ところで、ブログのほうには先日から、
ひっそりと「カイロのお天気」を載せている。
そちらを見ていただければ一目瞭然だが、湿度("humidity")が25〜30%程度。一方で日本は全体に70%を超えている。
気温はカイロで日中最高が35度程度、最低が25度程度。例えば東京と比べると、平均して5度ほど高い。

気候の不快指数を決めるのは、結局「湿度」なのだと思う。
私はカイロの夏は快適に過ごしていたが、
梅雨から夏にかけて日本に戻るようなことがあると必ず体調を崩していた。

「どうせあんたは・・・」という向きもあろうから、一応申しそえれば、
権威ある(?)「カイロ日本人会」が在留日本人全体に調査を行ったところ、
7割ほどが「カイロの夏のほうがラク」と答えたのである。

私だけじゃないんです。少しは信じていただけますか?

そういうわけで、エジプトの夏は日本よりもラクなのである。
それでもカイロにいるころは、
サウジアラビアなどから「避暑」にくる人たちを見て大変不思議だったが、
横浜在住の今、その気持ちがわかる。

私もカイロに「避暑」に行きたい!
私の場合「避蒸暑」だけれども。


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