2005年07月08日

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ロンドンのテロに思う

ロンドンでテロが起きた。
本当に、忘れたころにやってくる。
でも、その辺の間隙を突くのが、奇襲の常套だろう。


当初死者二名だったが、現時点で37名。

事件の詳細については、この記事がUPされるまでに情報が出そろっているだろう。
今、私が気になるのは二点「イギリスなど欧米在住のムスリムの安全」と、
「日本の都市部の安全」である。

英国ムスリム協会会長のアハメド・シェイク氏は、
今回のテロに真っ向から反対する声明を出す一方で、
「数ヶ月前からヘジャーブ着用の女性(敬虔なムスリムで、頭をスカーフで覆っている女性たち)が、街中などで悪質な嫌がらせに遭うような事件が頻発していた。
今回の事件で、ロンドン市内のモスクなどは危険にさらされる恐れがある」
という趣旨のことを語っている。

これを受けるように、ブレア首相も二度目の公式声明の中で、
「今回の事件は、イスラームの名のもとにテロリストが起こしたものだが、
英国であれ、その他海外であれ、大多数のイスラム教徒は法を遵守する
善良な人々であり、我々と同様にこのようなテロを憎んでいることを
忘れてはいけない」と語っている。

なお、現在7月8日、朝4時の時点で、日本の某局が報道したのは、
「ブレア首相は、今回の事件はイスラム教徒の起こしたものだと声明を出した」
という内容であった(・・・あれ??!!)


●日本のテロに対する危機意識

「毎度おなじみ、ちり紙交換〜」(最近聞かないな・・・)
「さおやぁ〜さおだて」
「皆様、不審物がございましたら、駅係員まで・・・」

みんな似たようなものだ。
ある事件以来、そう思うようになった。

ちょっと前に、川崎駅のそばで友人らと飲み会をやったとき、
我が夫が悄然と現れて
「うっかり書類かばんを電車の網棚に置き忘れてしまった」と言った。
私は「鬼妻!」と周囲に罵られながら「駅には届けたよ・・・」という夫に
顔だけでなくココロも鬼にして、即刻最寄の交番に走ってもらったのだった。

とりあえず交番で手続きをし、夫は戻るも、利用路線からの連絡はなし。

なにしろ、書類かばんも中の財布も、
何度目かの結婚記念日に、それぞれ私が贈ったものだ。
その中身もさることながら
「そんな大事なもんを黙って持ってったもんは、お天道様が許すまい!」
と結構落ち込んだ翌日。

「今、大宮駅から電話があった。財布もかばんも、出てきたそうだ!」
と夫から電話。
「まったく手付かずで、被害なしだ!」という吉報が続く。

ぱちぱち、と手を叩いて一緒に喜びながら、
「はてな?」と思った。

夫が川崎で降りた電車は、
横浜からさらに大船へと向かう電車だったはずなのに、ナゼ反対の大宮?
第一、降りた川崎ですぐ届けを出したのではなかったの??

「なんだか、最後に車庫に入る時の点検で見つかったんだそうだ」

ということは、あの「怪しいかばん」は網棚の上で、
約五時間ほど一都二県の主要都市の間を行ったり来たりしていた、
ということ・・・・・・?

「触ったらお天道様の下を二度と歩けなくなるオーラ」を
強烈に発していたんだ、という説が強い。
(ハイハイ、そうかもしれないですね・・・ふん!)

でも、それ以前に「終着駅での車内点検」というものが、
たとえ今さっき、遺失物の届が正式に出ていた物に対しても
まったく行われないらしい、ということに、まず怒りを覚えた。

そして次に、乗っている乗客がまったく無関心だったらしいことに
大変な不安を感じたものである。
あれが爆弾で、横浜だの新橋だの東京だのという駅でドカンといってたら、
一体どうなるのだろう?!

日本の大都市は、欧米の諸都市に比べれば、
外国人がいると非常に目立つし、日本語という言語のハードルもあり、
比較的ターゲットになりにくい安全地帯といえなくはない。
でも、そもそも政治状況的に可能性は大いにあるわけだし、
その上に上記のようなだらしのなさでは、
なにが起きても不思議はないように思えてくる。

私が昔、イスタンブルの某ホテルでロビーの周りをうろうろしていた頃は、
PKK(クルド解放戦線)のテロ活動が活発な時期だった。
で、愉快犯の類が、現地のランドマークでもあったそのホテルに
「爆破予告電話」をかけてくることがあった。
するとひっそりとフロントのマネージャーから「全員集合」がかかり、
各自にエリアが割り振られて「危険物の徹底探索」をするのである。

もちろんセキュリティー・セクションも一斉に動いているが、
ホテルを感覚的に把握しているフロントのロビー担当も、
応援で動かされたのだ。
「あくまでさりげなくやれ」という指示つき。
幸いにして何もおきなかったが、一度だけ、
誰もそばにいない、見るからに小汚いカバンを見つけたことがあった。

情けない話をこの際告白してしまうと、
「ひっ」とか言って、半泣き状態で走って荷物からまず離れ、
セキュリティーに連絡したのだ(そういう指示だったし!!)。

駆けつけた担当者も、実は及び腰で泣きそうだったが、
「キミはそこにいろ」と言いおき(言われなくても動きません!)、
背筋を伸ばして荷物に近づいていった。

と、そこに「おっとっと〜」と、置き忘れたゲストが現れた。
二人とも脱力状態で、半泣き半笑い半怒り(一人分超えてますが)。

だから、怖いのは良くわかる・・・そんなことで死にたくない!
でも「網棚の上に忘れ物のかばん」の類の怪しいものを見つけたら、
自分で無理に触らなくてもいいから、
せめて最寄り駅の駅員さんに届けましょう。
是非そうしましょう!

で、駅のスタッフの方は、しかるべく動いてください。
忘れ物は当然ですが、テロ対策も是非お忘れなく・・・。

補足だが、夫はその後「遺失届を出した時に
『カバンは危険じゃないけど、うちの妻は危険物です』
と言っておけばよかったろうか」とのたまわったのではあった。
まったくもう・・・。

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今日のお昼頃、夫と札幌駅に行くと東口が閉鎖されてました。 近くの係員にどうして閉鎖されてるか聞くと 「不審物が発見されて、今その除去作業中です」ですって
なんだったの?? 札幌駅で不審物【パート主婦の日常】at 2005年07月09日 17:29
警察署長だった市議会議員は、「彼らの多くを知っているが、みな善良な市民であり、善良なアメリカ人になろうと努力している。テロリストの可能性があると聞いてショックを受けている」と言う。ローダイのパキスタン系アメリカ人は約2,500人。
「合理的な備え」と「行き過ぎ」との境目は?【NewsでNonfixな日々】at 2005年07月15日 07:06

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