2007年09月28日

砂漠の国の英知と横浜ベイスターズ

ある週末、地元横浜ベイスターズの応援にでかけた。
もうそろそろ冷えるころかもしれない、と、ブランケット持参だったが、
かんかん照りになった。

ハマスタこと横浜スタジアムは、外気に当たりながら伸び伸び観戦できるので大好きだ。
私はベイスターズと言うよりも、正直なところハマスタのファンなのである。
もっと詳しく言うと、ハマスタで飲むビールが好きなのである。

カイロには、Cairo American Softball Leagueというアマチュアのリーグがあって、
オットも入っていた日本人チーム(その名も"Rising Sun"だ)の応援によく出かけた。
どうも米軍がらみで持ち込むらしくて、週末にバドワイザーを売っていることもあった。
自分で持ち込むこともあった。

晴れた週末、缶ビール片手に屋外で野球観戦。
見ている野球(又はソフトボール)がどんなものでも、これは楽しいのだった。

アメリカ人のチームにひとつだけ混じった、我らが「ライジング・サン」だって、
AからCまで3リーグある中、当時は一番強いAリーグの下位に引っかかるくらいには
強かったのだ。

そういうわけで(?)、横浜に移ってからも、たまに野球を観にいく。
チケットは新聞屋さんがたくさんくれる。
ビール代がかかるが、コソコソ持ち込むよりもスタンドで買って飲む缶ビールのほうが
何故か旨い。

しかし、この日はなんとも大変な暑さになった。
背番号18番三浦のTシャツに合わせて、ベイスターズの青い帽子は被っていたが、
日陰ひとつないスタンドはあまりに暑い!

yakyuu・・・と、いうわけで、急遽「濱」のタオルを購入。
そうそう、そういえば・・・と、
ちょいとアラブ風にしてみた。
単に怪しくみえるのだが、
こうして首の辺りに陰を作るだけで
びっくりするほど涼しい。
単なる不審者にしか見えないが、この写真は・・・。


どうでもいいけれど、砂漠の国ではみんなこんな格好のバリエーションだったなあ、と
不謹慎にも懐かしく思い出した。

ちなみに、こういう気候下では、半袖よりも風通しのよい長袖のほうが涼しい。
長時間外にいる場合は、体力も消耗しないから楽なのである。
ついでに言うと、短パンよりも風通しのよい、エジプトのガラベイヤのような
裾の長い寝巻きのような服が、何より快適だ。

まあ、野球観戦にガラベイヤは着ていけませんけれどね。

と、こうするうちに、もう秋になる。
野球にビールも、そろそろ「また来年」だ。  

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2007年09月21日

近況など

久しぶりの更新時に上げるべき話だとは思うのだが、近況など。

四月に新しい仕事に入った。
この数年間は自宅で地味に机に向かっていたのだが、外の空気を吸いたくなったのだ。
久しぶりの会社勤めが始まって、自分のボケっぷりを身に沁みて感じた。
もうこれは本当に、ありとあらゆる部分で。
私のようなぐうたらは、たまには世間の風にマトモに当たって性根を入れなおすが
よいのである。

さて、この仕事、家から通いやすいというだけの理由で安直に決めたものなのだが、
なんと取り扱い地域は「ロシア」だ。
まあなんとなく仕事内容は聞いていたのだが、実際に始まって「ありゃ」と焦る。
なにしろ、ロシアの地理すら頭に入っていない。

モスクワがあんなにヨーロッパに近いなんて初めて知った。
それまでモスクワは、ロシアの真ん中へんにあると思っていたのだ。
なるほど、後の女帝エカテリーナがロシアに輿入れするとき簡単に陸路で行けたわけだと
馬鹿みたいにいまさら納得したものだ。
別にウラル山脈をはるばる越えていったわけではないのだった。
まあ、嫁入り後にウラル山脈を裸足で超えるくらいの苦労はしたようだけれど、
嫁入りの段階では「まだまだこのくらい・・・」だったのである。
ふうん。

取扱商品は資源関係なのだが、実に素朴に
「石油って、砂漠から沸いて出るもんじゃないんですね」
と、感心した。
「何でこんなに水の多いところに石油があるんですか?」と、ホケラ顔で尋ねて、
「なにをいっとるんだコイツは・・・?」と、周囲の顰蹙を買った。
中東ボケはこんなところにもついて回るのである。

ロシアのシベリア辺りなど、地図を見ただけで「ミズミズしい」感じがする。
水資源も豊かな国らしい。
ふむ。へえ。

とりあえず押し寄せる仕事(一応本業どおり、英語の翻訳なのではあるが)を
とりあえずこなしているうち、とりあえず東シベリアからサハリンが生えている
珍妙なロシア地図が出来上がってしまったりした。
これを何とか修正するのに数ヶ月かかった。
生来方向音痴で、地図を読むのが苦手な私なのではある。
右も左も、どころか、地図の東西南北皆目見当もつかない。
嗚呼!と、強く激しいため息をつく日々だ。

そうこうして、仕事にも慣れずにバタバタしていた6月頃、母が逝った。
自分でも信じがたいほどにヘコんだ。
ひょんなきっかけで母を思い出して、ふいと涙ぐんだりしているのだ。
ほんとかよ、と、我ながら驚いたが、そういうことも起きるものである。

亡くなってみてはじめてわかったのだが、なんだか私は日常的に彼女のことを
何かしら考える習慣があったようなのだ。
まあ、たいていは食べ物がらみであって、
「ああ、この和菓子は美味しいから、今度持って行ってあげよう」だの
「この味噌、母の分も買っておくか」だの、
まあ食べ物が絡まなければ
「この猫の写真集(置物、小物など)は、もうひとつ母の分も・・・」だの
「ああ、こんな本が出ているなあ。買っておいてやろうか」だの
「おお、ジャイアンツがベイスターズにボロ負けだ。電話してからかってやるか」
(*母は熱狂的巨人ファンだった)だのという、実に単純な話だ。
実家が現在自宅のある横浜からは、かなり距離のあるところに引っ越したこともあって、
訪ねていくのは数ヶ月に一度で、普段ろくに電話をするわけでもない。
母と私がべったりと仲がよかったかといえばそういうことでもなく、
世間並みの母と娘にしては、かなりクールな関係だったといってもよい。

まったく、人の心の中になにが棲んでいるのかなんて、本当にわからないものだ。

しかし自由業をやめてしまっていたわけで、ヘコんでばかりもいられず仕事に出た。
正直言って、ベッドにもぐりこんで心ゆくまで団子虫になっていたい心境だったが、
そうも言っていられない世間のしがらみが、うっかり発生していたのである。
ブツクサと甘えた不満を垂れ流しながら、なんとか家を蹴飛ばすように出て、ぼんやりと
オフィスのデスクにしがみつき、ふらふら家に帰り着く、という日々が続いた。

ぶよぶよしたジェル状フィルターに全身覆われたような気分で、なんだかぐったりと
体調も悪い。
んあぁ〜、マッタク、なんだってこんなに体調までおかしくなるんだ?!と、
よくよく考えたら、ナンのことはナイ、天敵の「梅雨時」真っ只中だったのである。
周囲の母の逝去を知らない友人知人が「天敵の梅雨時だけど、どうしてる?」と
声をかけてくれて気がついた。
おかげさまで、梅雨明け宣言とともに体調は回復した。
体の不調は「母を喪った悲しみのあまり」という美しいことではなかったようだ。
単なる中東体質のなれの果て。
悲しいほど湿気に弱い体質は健在(?)である。
がるる。

このように、私事に加えて、ロシアという巨大な象を盲状態で撫でさすり探りまわって
いるうちに、いつの間にか自分の中で中東が「遠いところ」になっていた。

だから中東の話をやめてしまいましょう、というのも短絡な話だと思うし、
今の仕事だって永遠に続くわけではないので、またぶらぶらと適宜、思い出した頃に
更新しようかと思っている。

そうそう、ロシアからパイプラインでギリシャに送られた天然ガスが、海を越えて
エジプトに輸出される計画、なんていうものもあるようなのである。
「世界はひとつ」としみじみ思った。
そうか、どこかでやはりつながっていくものなのだなあ、と。

ロシアの話は、ついこの間まで東シベリアからサハリン生やしたイメージだった者が
語れることなどあるはずないのでやめておく。
こんな話を公開しといてなんですが、皆さんも聞かないでください。
わかりません。

私事で恐縮だが、だらだらぶらぶらと、以上が近況である。
仕事との兼ね合いで、ブログの更新に割ける時間も限られてしまい、今後も停滞しそうな
予測ではあるが、まあ気が向いたときに気が向いた話を、たまに書いてみようかな、
とも思う。インシャアッラー。

遠くなったとはいえ、このブログがワタシと中東をつなぐよすがでもある。
また思い出したように記事が上がったら、のぞいてやって下さい。  
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2007年09月18日

ティーン・ショーキ

ティーン・ショーキ
「ティーン・ショーキ」はウチワサボテン。
確かに団扇のような形だ。
アラビア語名のティーンは「無花果(イチジク)」
ショーキは「棘」の意で
あわせて「棘無花果」とこちらもわかりやすい名前。



エジプト各地の街角では、暑くなってきたかなと思うと街角にリアカーが現れる。
郊外の農村地帯からやってくる「ティーン・ショーキ売り」だ。
棘だらけの、アボカドくらいのサイズのサボテンの実を、山積みにしてやってくる。
「一個おくれ」というと、いつ洗ったかわからんようなタオルでナイフを拭いてから、
素早く剥いて食べさせてくれる。
枇杷をもっと瑞々しくしたような味だ。
無花果にも似ている。
ちょっとだけ青臭い。
エジプトにいた当時はこれが好きで好きで、街角で行き会うと買い食いしていたものだ。
「あのナイフは、大丈夫なのだろうか」と思わないでもなかったが、
当時は「まあいいや」で片付けていた。
本当のところ、体調の気になる旅行者の方などには、あまりオススメしないほうが
よさそうではある。
実はよいとして、皮むきナイフが今ひとつ衛生的ではないように思えるので・・・。

じゃあ、自分で剥けばよかろう・・・と思って実ごと買って帰ると、結構しぶとい棘と
文字通り「痛みを伴う戦い」を強いられる羽目に落ちる。
やるならゴム手袋着用のこと。

実際、冷やしたらさぞかし美味しかろうと、剥いてもらったものを冷蔵庫で冷やして
食べたこともある。
これはきちんと洗って食べたのだが、あとで軽くお腹をこわした。
十個も冷えたのをイッキ食いしたからいけないのである。
夏休みに西瓜を食べ過ぎて、お腹がピーピーになる子供と同じことだ。
やれやれ。

写真はこの夏、伊豆の弓ヶ浜近郊で撮影。
以前にも出かけた保養所の庭先に立派なティーンショーキが一本生えているのだ。

この団扇の先にくっついている小さな丸い実が、アボカドくらいの大きさに育つと
食べられるのだが、残念ながら伊豆の夏ではまだ時期が早いらしい。
さて、一体食べられる大きさになるのか?
だとしたらいつ頃なのだろうか?
なぜ知りたいって、食べに来たいからだ。

そう思いつつ何年かがたった。
いつかそのうち、とは思っているのだが。
  
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2007年09月16日

「世界最大の少数民族クルドの宴」開催!

久々の更新となりますが、お知らせです!

『報道できなかった自衛隊イラク従軍記』の著者にして、我が旧友の金子貴一がまた面白いイベントを企画中。
「世界のエスニック料理シリーズ第2弾」ということで、今回はクルド料理です。

実は第1弾は「絶品のイラク料理を食べながら、イラク人と語る会」で、6月末に開催。
なかなか好評だったとのこと。
参加できず、残念でした。

今度はクルドです!


「世界最大の少数民族クルドの宴」

日時:9月30日(日)12:00〜14:00
場所:ダイニング・バー「たまにはTSUKIでも眺めましょ」別館
東京都豊島区池袋3丁目54-2  TEL:090-9322-8722 oh.moonset@nifty.com
http://job.yomiuri.co.jp/corporate/idomu/co_id_06122801.cfm(お店について)
地図: http://caretaker.blog.ocn.ne.jp/tsukimap.jpg 
    別館はお店から徒歩1分です。会場には、お店からご案内します。
費用:4,000円 NEW!
定員:25名(最低催行人数15名)


詳しくは「金子貴一ブログ」をご参照ください。

さて、どんなものが出てくるか・・・私も何とか参加すべく予定を調整中です。

トルコ料理の流れを汲んでいる、と聞いてはいるけれど、クルド料理を口にする機会は
日本にいるとまず滅多にありません。
貴重なチャンスだけに、関心のある皆様のご参加をお待ちいたしております。

  
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