2007年04月22日

ナフサとナフトとネフチについて

別に語呂合わせをしているのではなく、前回の続き。

この話を調べていて、ちょっと暗くなった。
「ナフサ」というのは、日本語にもなっている、当たり前な化学用語だったのである。
「粗製石油」のことだそうで、エチレンなどの原料になる。

「ナフト」は、どうもペルシャ語起源らしい。
らしい、というのは、アラビア語の「ナフト」とどちらが先か、私では調べきれなかった
からだ。

この辺は、以下に記してあった。

絵でみる石油ビジネスのしくみ


良識ある方には「アホかオマエ!」と言われかねないが、この本は大変よくできている。
石油関係の良識および常識のある方には不要の本だが、その辺の基本知識でお悩みの
アナタにはオススメだ。

さて、話が散漫になるのだが、ロシアの石油関係の企業で「ロスネフチ」だの「トランスネフチ」だのというのがあって、「ネフチってなによ?」と思えば、これも「石油」なのだった。

そんなこんなでロシアの地図を最近眺めてみたら、我ながら実に情けない山ほどの勘違いをしていたことに気がつく。
結局のところ、自分と縁のない「異国」とはこういうものなのだろうなあ、という実感を
最近強めているのである。

とにかく、よくわからない国が出てきたら、とりあえず気持ちをニュートラルにして
地図を眺めるのが良いようだ。
単なる机上の理論でも、地図というビジュアルにかかると、驚くほどいろいろ考え込むことが起きる。
面白い!

さて、ロシア語の「ネフチ」の語源は?

よろしければ、どなたか教えてくださいまし。  

Posted by arimaburabura at 04:56Comments(10)TrackBack(0) | Amazon.co.jp | 楽天市場 | ブログ

2007年04月11日

「オリーブ」と「油」 〜不思議なルーツをぶらぶら辿ると・・・〜

先日、ポルトガルのオリーブオイル生産業者と仕事をする機会があった。
そこで、ちょっと面白いことがあったので、その話を。
欧語の「油」の語源について、だ。

このクライアントが持ってきた商品は、100%有機生産の高級オリーブオイルだった。
私はポルトガル語などわからないので、瓶に書いてある名前が商品名と信じて疑わなかったのだが、商談先の担当者が「この"AZETE"というのが商品名ですね」と確認したら
「"AZETE"は単に『油』だ。そう書いてあるだけだ」
「ええと、じゃあ、商品名は・・・?」
「だからうちの製品は、100%純粋な有機オリーブ・オイルで・・・」
「・・・商品名は・・・」
「だから、うちの製品は・・・」

ようするに、実に素朴に、瓶に「油」とだけ書いた、手詰めの手工業製品なわけである。
「商品名」だの「ブランド」だのという発想すらない。

クライアント氏、そこでふとつぶやいた。

「スペイン語では"aceite"というだろ。スペイン語には、ポルトガル語の"z"を"c"に変えた
言葉がたくさんあるんだよ・・・」

関係ない話だし、この商談にも仕事(一応「英語の通訳」ということになっていた)にも、
実はどうだっていいのだが「あ?!」と思わずつぶやいてしまった。

「アゼーテって・・・アラビア語で油はザイトだのゼートだのと言うなあ・・・。
オリーブはザイトーンだし・・・トルコ語じゃオリーブはゼイティンだ・・・」

なぜ頭に「ア」が付くかといえば、定冠詞の「al」がリエゾンしたんだろう。
それで、ポルトガル語の「油」は"azete"、と・・・。

一瞬職務を忘れて、なんだか不思議な連想に走ってしまった。

オリーブ・オイルというものは、紀元前5000年くらいから紀元前1500年くらいにかけ、
クレタ島からシリア経由で北アフリカに広まったのが発祥だそうだ。
と、いうことは、ひょっとして遥々と地中海の縁をぐるっと巡って、オリーブとその油は
ポルトガルにたどり着いた、ということなのだろうか。
そして「油」=「オリーブ」という感覚も、地中海を一巡りしてきたのだろうか。

まあ、仕事中にそういう夢想に耽っているわけにも行かないので、帰って調べたら
語源にまつわる話がよくまとまっているサイトを発見。

http://www.eigo21.com/etc/kimagure/092.htm

面白いことにイタリア語になると「油」は「olio」で、アラビア語の影響はない。
こちらは遡っていくと、ラテン語、そしてギリシャ語に語源がある。

そして「オリーブの旅」はヨーロッパを北上し、北のほうでは英語で「油」が「oil」
のように、一見何が語源だかわからない姿に変わっていく。

厳密に言うとどうなのか、今ひとつ自信がないので、よくご存知の方がいらしたら
是非補足をお願いしたいのだが、こういうどうでもいいようなことを、あれやこれやと
考えるのは、大変楽しい。

そういえば商談のほうも、気が付いたらなんとなく盛り上がっていた。
無責任な通訳もいたもんだ、と思うのだが、この「AZETE」をいつかどこかの店先で
見かけるといいなあ、と思っている。

いまや「油」と言えばガソリン、というイメージだが、源は「オリーブ」なのだ。
そうそう、うろ覚えだけど、ロシア語では「石油」をネフチとか言うそうだが、
アラビア語ではナフトとも言うのだな・・・これは関係あるのだろうか?

誰か詳しい方、教えてください。  
Posted by arimaburabura at 18:45Comments(8)TrackBack(0) | Amazon.co.jp | 楽天市場 | ブログ

2007年04月07日

イスラム教徒の車の中には・・・

MPB
先にも話の出た
ムバラク・ピース・ブリッジの遠景。
2001年に開通した。



橋を越える車で橋を越えていく。

日本ではフロントガラスのところに
「交通安全」のお守りなどがかかっているが、
ここエジプトでは、お祈り用の数珠(スブハ)になる。
日本の数珠と似ている。


それもそのはずで「9世紀半ばごろにインド方面の仏教徒から借用し、一般化したもの」だそうだ(平凡社『新イスラム事典』より)。

ぶら下がるものは違うが、車の運転はどこの国でもやはり「神の守り」が求められるのは
変わらない。
そういえば、カイロの我が家の車には、夫が実家から渡された「交通安全」のお守りが
ぶら下がっていたっけな・・・。  
Posted by arimaburabura at 01:21Comments(0)TrackBack(0) | Amazon.co.jp | 楽天市場 | ブログ

"Mubarak Peace Bridge" と、大統領の専横

ムバラク大統領ムバラク大統領、御年この五月で79歳。
年齢的な限界が見えてきたのか、最近また専横が目立つ。
一時期かなり物分かりのよさそうなポーズをとって、
大統領を選挙制にしたり(やらせの出来レースとはいえ)
国内での反ムバラク的な発言を
かなり許容するポーズをとったりしていたが、
やはり本音は
「俺の国エジプトを確実に俺のものに!」
ということに思える。
こんなジョークのネタになるくらいで
元々人気者とは言い難かった大統領だが
最近はさらに不人気と国民の不満が増しているようだ。


実は、ひょんなことで御本人がすぐ目の前に現れたことがあるのだ。
まあ、その話はまたの機会に(たいした話ではないが、笑えることは笑える)。

ガマル・ムバラク息子のガマル・ムバラクの話は、
過去の記事で少し触れた。
見たとおりの「ちょいイケ面」ではある。
この息子を何とか次期大統領に!
と、パパは必死らしい。
(以上、写真二件はウィキペディアより)


サダト暗殺当時から、延々と続いてきたエジプトの国家非常事態法発令下の状態(つまり「戒厳令発令中の状況」)も、そろそろ引っ込める、いや、まだしばらく(こちら参照)・・・と押し問答だったが、結局憲法改正で強引に立法化してしまった。
こちらのニュースに詳しいが、こうなると今までゆるゆると「なんちゃって戒厳令」だった状況が、常時戒厳令下同様の状態にあることが合法化、ということになる。

一方で、かなり言論の自由が認められている昨今、エジプト国民は大ブーイングだそうだ。
声高にそれが言えるところに、過去に比べてずいぶん開けたなあ、という思いはあるが、
そんな中で「俺様は俺様!」という行動を貫く大統領・・・。

前置きが長くなったが、一例を。

MPB看板日本政府の援助で建設された
スエズ運河を越えて
アフリカ大陸とアジアを繋ぐこの橋
最初は単なる「Peace Bridge」だったのが
なぜかいつの間にか「ムバラク」の名前がくっついて
Mubarak Peace Bridgeとなってしまった。

「おかしい!」と怒るエジプト国民が相当いるそうだ。


なんにでもかんにでも自分の名前をくっつける、という行動は、今も昔も独裁者の得意技。
そしてムバラク大統領、この一事にも見えるように最近かなり行動が露骨さを増している。
今年から来年にかけて、ますますエスカレートしそうな気がするなあ・・・。  
Posted by arimaburabura at 01:21Comments(10)TrackBack(0) | Amazon.co.jp | 楽天市場 | ブログ

2007年04月01日

カイロの紫の・・・まぐろ 〜カイロ日本食事情〜

カイロにも日本食の店はある。
もう過去20年以上もの間、さまざまな紆余曲折有為転変を経て、結局のところ
めざましくレベルアップした、ということはなさそうである。

地元のエジプト人の食志向がいたって保守的で、生の魚どころか魚が全部ダメ、という
人が結構いるくらいだ。
どうしても現地在住の日本人に、マーケットがほぼ限定されてしまう。
私がいた当時で、最大700人くらいになったことはあるが、今はどうなのだろう?

まあ、とりあえず「田舎の小さな村に食堂が何軒かある」と思えばよい。
そういう村では「食事は家でするもの」となりがちで、勢い「外食グルメ」などという
発想は薄くなり・・・といった状況を想像していただけると、まあまあ近い線かと思う。
とりあえずはカイロの「日本食」に限った話だ。
他の料理が素晴らしく美味いか、というと、また色々言いたいことはあるが、今回は
割愛する。きっぱりと。

カイロの日本食は、そういうわけで需給のバランスが反映して結構高い(味や質を
云々するのは敢えてやめておく)。
時々瞬間的に良心的な素晴らしい板前さんが、どこかしらに現れることもあるが、
まあこれは長い歴史の中(?)では「夢の一瞬」でたいてい終わる。
過去も現在も、その繰り返しらしい。

だから、自炊さえできれば敢えて外で日本食を、とは思わなくなってくるのだが、
ここで困るのは料理の苦手な独身者や単身者(男女問わず)、そして日本からのお客を
接待しなければいけない駐在員・出張者だろう。

しょうがないので、そういう日本食のレストランに出かけては「諸々の感慨」を抱えて
店をでる。
私もそういう場にいたことがあるが、ある日「あの魚は何ですか?」と寿司ネタのケース
の「紫色の物体X」を指差してたずね、

「メジマグロです!」

と元気よく答えてもらったときには、かなり萎えた(為念言っておくが、この店は
もうない)。

その時まで「茶色くなったマグロなんて最低だ」と思っていたのだが、
「それならばまだ許容範囲。紫はダメ」という幅の広さが身に付いた経験ではあった。

さて、そんな時代から早くも10年近くが経過。
最近はマリオット、ハイアットといった一流ホテル内にも日本食レストランができて、
選択の幅は一応増えたらしい。

Luxorザマレク地区にマリオット・ホテルがある。
そこでオットが「新作のビール」を
撮影してきてくれた。
「ルクソール」という。なんとヴァイツェンだ。
まあまあよかった、との由。
最近ビールの種類も増えている。

Meister Maxこちらも同じレストランで、
「Meister Max」というもの。
「どうだったの?」
「うん、まあいいんじゃないか」
・・・まあ、わざわざ写真を撮ってきてくれた、
という事実に感謝すべきなのであろう。

(どなたか飲んで前向きな感想のある方、お知らせください)

しかし、テーブルの上に立っている「腹減った」というのはなんです?
そうたずねたら「日本食屋だったんだ」との由。
マリオットの「とりい」なるレストランで「寿司食べ放題」をやっていた、と。

「どうだった?」
「まずかったよ。アレはヒドイね」

打って返すようにストレートな感想だ。
彼がここまで言うとなると、これはひどいに違いない。
詳しく聞いてみる。

「一人LE120(LE=エジプトポンド、1LE=約20円)だけど、なんかワケワカランものが
寿司にのってくるんだ。
シャリはちゃんと炊けてなくて、酢飯にもなってないんだよね」

日本人の板前はいなくて(以前いたという噂を聞いたことがあるが、今はいないの
だろうか?)、東南アジア系のコックが作っているらしい。

なお、手元の資料によると以下のように書かれている。

「座ると暖かい濡れタオルを出してくれる(*注:オシボリのことであろう)。
『センバ・シロー(魚とエビのスープ)』と『アラスカ・ロール(クリームチーズ、キュウリ、魚のペースとサーモンのスシ)』を試してみるべし。カリフォルニア・ロールには、残念ながらアヴォカドが入っていない。テンプラの揚げ具合と塩加減は完璧。サービスは抜群だ」

「センバ・シロー」なるものは、ここのオリジナルらしい。

資料はちなみに"Egypy Today"という英語の現地在住外国人向けの月刊誌(2007年3月号)。
いろいろな意味で結構面白いので、たまに誰かいくと買ってきてもらうことにして
いるのだが、レストランガイドは「参考情報程度」にしかならない。

だって、英語圏といえばイギリス人かアメリカ人で、それがエジプト人と一緒に書く
グルメ記事なのだから、期待のしようがないではないか。
その他の特集などはなかなか面白いので、カイロに行くことがあればとりあえず最新号を一冊買って読むとよいかもしれない。

まあ、そんなようなこんなようなわけで、カイロのビール事情はよくなっているが、
「日本食事情」は相変わらずらしい。

イスタンブルや湾岸諸国などには、かなりグレードの高い日本食レストランがあるので、
やっぱりこれも「エジプト的お国事情」なのだろうな・・・。  
Posted by arimaburabura at 23:30Comments(8)TrackBack(0) | Amazon.co.jp | 楽天市場 | ブログ