2006年11月19日

ハラールなお食事・・・東京ではどうする?

先日、エジプト人のゲストが来日することになった。
我が夫の重要取引先だ。

トップは国際派のビジネスマンで、特にこだわりなく「豚肉以外は」なんでも食べるが、
お供の方がかなり厳格なイスラム教徒との由。

当然のように「どこか調べといてオクレ」となる。
まあ、こういう時くらいは貢献しなければ、ということで「ハラール(*)な料理が
食べられるところ」を改めて探した。
過去も未来も無いに等しい「内助の功」、こういうときくらいは役に立たないと・・・
というわけだ。

(*ハラール:今回はイスラームの教義にのっとって処理した肉を使用している、ということ。ソースはアルコール抜きは当然として、ハラールでない肉の出汁が混入していてもNG)

なにしろ彼らが中国に出かけたときは、毎日リンゴとバナナで「生きながらえた」という。
豚が絶対に駄目と言ったら駄目なので、中国の場合「何に豚が混じっているかわからない」
という不安が強烈らしい。

そういうわけで、知っている限りの店をリストアップしたのだが、都心部に限定すると難しいものだ。
いきなり行って完全にハラールなレストランなど、日本で営業が成り立つはずがないのだから、まあ想定内ではある。
その日のゲストの体調や希望で行く場所も変わるから、なかなか事前予約をしておくわけにも行かない。

一応、私が確認してあった店は二店あった。
小川町のアフガニスタン料理『神田カブール食堂』がひとつ。
しかし、なんと閉店してしまっていたのである。
味はソコソコだが、なかなか雰囲気良い店だったので、これは残念。

次は、リクエストベースでやってもらえるという、エジプト料理の『エル・サラーヤ』
要事前手配だが、オーナーが同胞だから何とか対応してくれるのでは、と思った次第。

ところが、何故か電話をしたら「夏休み中」という案内が流れていた・・・と。
ちなみに時は11月なのである。やれやれ。

トルコ料理の場合は、最初から「うちはそういうのはやりません」という店が多い。

残るひとつはイラン料理。
詳細は以下。
イラン料理 アラジン
最寄駅:六本木
料理:アラブ料理
採点:★★★★☆
一人当たりの支払額(税込み):3,000円〜5,000円
用途:夕食

私は行ったことがないのだが、店の前はよく通るので、メニューに「当店はハラールです」
というような内容が明示してあるのは知っていた。
さすが、場所が六本木ヒルズのそばだけに、そういう需要があるのだろう。

もちろんアルコールは一切出さない。
夫によると「なかなか美味かった」との由。
「でも、日本人がほとんどいなかったなあ。不思議な気分だったよ」

ここでは、ゲストもたいそう喜んでなんでも食べていた、との由。

正式な会食は、高級インド料理店で事前にハラールのリクエストを出して調製してもらう。
でも、やっぱり「肉はあんまり食べていなかった・・・」と。
結局のところエジプト人は、インド人をあんまり信用していないのである。

かくして手持ちのカードを使いきってしまい「あとはどうするの?」と聞いたら
「天麩羅と焼き鳥、と言ってるよ」

天麩羅、なるほどこれは正解だ。
基本的に肉が入らないし、植物油使用が当然だから、これはハラール。
ふむふむ・・・し・か・し!

「・・・焼き鳥って、駄目じゃないの・・・」
「鶏は小さいし、四つ足じゃないからいいんだって」
「・・・はぁ?・・・」

ヲイっ!という感じである。
小さかろうが四つ足でなかろうが、駄目なものは駄目ではないのか?!

まあ本人が良いと言っているのだから、しつこく突っ込むまい、と焼き鳥専門店に行ったら
ご満悦だったとの由。

実は、この「ハラールな食事」については、旅行者はある程度は免責、という教義が
一応はある。
豚肉は完全に「ゲテモノ」の類なので、まず食べようとしないが、豚以外の肉類に関しては
人によっては大して気にしないこともある。
だから、本人の考え方次第、ということなのではある。

でもねえ・・・と、なんだか不思議な気分になった。
鶏は小さいからいい、って・・・ううむ・・・。

尚、ハラールな肉は、インド料理や中東系の料理店では、事前リクエストすれば調製可能な
ところが結構あるのだが、実は肉の質は必ずしもよろしくないらしい。

実は、横浜某所勤務時代には、そういう「ハラール指定」の手配は何度となくかけていた。
あるときシェフが、厨房で最後の仕上げをしているのをみて「おいしそうだワ」と言ったら
「美味くないよ!」と、キッパリと、かつ若干怒り顔で言われたことがあるのだ。

「こういう肉って卸元が選べないから、普段使ってる肉屋の持ってくるもんとまるっきり
質がちがうんだよね。だから、俺に言わせりゃあ、煮ても焼いても食えない。
しょうがないけどさ」

やはり、プロとしては駄目とわかっている食材を敢えて使うのは、不本意なことらしい。
「ハラール」のリクエストを入れる度に、すんなりスッキリ受けてもらえないと思ったら、
どうもそういう事情だったのだなあ、とそのときに知った。

そういう料理を実際に食べる機会がなかったので、私は実感として良くわからないのだが、
某インド料理のレストランでハラール指定の「豪華ディナー」を食べてきた夫によると
「やっぱり美味くない」ということだった。

このあと、エジプト人ゲストたちは中国に向かったらしい。
あの美食の国でリンゴとバナナか・・・と思うと、それはそれでかなり気の毒な話だ。
せめて日本で栄養をつけていってもらえて、よかったなあと思った次第である。

  

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2006年11月07日

サイトの御紹介『アリフでいろは☆自習室』

SuuSuuさんの『のんびり日記』というサイトを楽しみに眺めていたのだが、諸事情で休止されたとの由。
がっかりしていたが、以下の楽しいサイトは継続中。

『アリフでいろは☆自習室』
http://plaza.rakuten.co.jp/senangsuusuu/diary/

中東界隈の記事を英語の原文とSuuSuuさんの抄訳をつけて紹介している。
彼女独自の目線で、ファッション、文化、生活などの記事が中心に紹介されていて楽しい。

時事問題を追いかけるばかりが中東理解ではない。
こういう、生活目線でとらえることが大切なのだと思う。

そもそも、そういうつもりでスタートしたのに、このところ初心を忘れがちになっている自分に気づく。
いけませんね。

例えば「湾岸のファッション流行」なんていう記事、みているだけで楽しい。
イスラームの女性は、真っ黒な格好してお洒落なんか・・・というイメージがあるかもしれないけれど、高級でステキなオーダーメイドのお品だってあるわけで。

湾岸方面の事情に詳しいSuuSuuさんならではの、記事のセレクションが楽しみです。
  
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2006年11月04日

銀杏の実

今年の秋は、いつまでも暖かい。
もう11月ならば、晩秋といってもよい頃なのに、調子が狂うほど空気が柔らかい。

ぼんやり都内を歩いていたら、思わぬ「芳香」に立ち止まってしまった。
足元には、銀杏の実が潰れている。

銀杏正直言って、芳しいとは言い難いけれど、
この時期に一度くらいは「あれ・・・?」と足元を見ることがある。

花の香で知る季節、と言えば美しいのだけれど、
こちらは潰れた実の匂いで、
まあこれも季節の便り、ということかなあ、
冬が近づいてくるなあ・・・

そういえば、そろそろ茶碗蒸しの季節だなあ・・・
と、結局のところ「食い気」につながる自分が悲しい。

銀杏の実は熟して落ちたが、葉のほうはまだ青い。
冬まで、まだもう少し時間がありそうだ。


追伸:
銀杏の種は、茶封筒に10個くらい入れてパチンというまで電子レンジに放り込んでおくと、
殻が割れて丁度いい具合に火が通る。
塩などぱらっと振ると大変美味しい。

だから、こういう情況がいつも出先なのは、ちょっと悔しい。
  
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2006年11月03日

レストラン『カルタゴ』で「ミイラと古代エジプト展」タイアップ・メニュー

カルタゴ
最寄駅:中野
料理:アラブ料理 / トルコ料理
採点:★★★★☆
一人当たりの支払額(税込み):5,000円〜10,000円
用途:夕食


カルタゴというアラブ・トルコ料理のレストランが、東京は中野にある。
オープン以来17年、ということは、このジャンルのレストランとしては都内で最古参のひとつと言ってよい。

今回は、開催中の「ミイラと古代エジプト展」とタイアップして、エジプト料理の特別メニューを時期限定で出している、とのことで、横浜から遠征してきた。

コース内容としては、前菜盛り合わせ、ターメイヤ、チキンモロヘイヤ、デザートという
ところ。
もう季節も過ぎたので、モロヘイヤをどうしているのかたずねたら、最近は年中出回って
いるとの由。
全国的にどうかはわからないが、都内近郊ではそれだけ食卓に定着したということだろう。

エジプト時代の仲間と二人、食べて驚いた。
以前に御紹介した、カイロの『アラベスク』というレストランで出しているものと、
そっくりなものが再現されていたのだ。

お話をうかがうと、お店ではサービスを担当している奥様が先日しばらくカイロに滞在された折、このレストランで食べたものが非常に美味しかったので・・・との由。
だから、ドカンとヘビーな現地風よりは上品だが、非常に美味しい。
久しぶりに懐かしい味だった。

モロヘイヤだけ御紹介するとこんな感じになる。

モロヘイヤ(ソース)

このようなソースを・・・





モロヘイヤ(ソース投入前)

グリルしたチキン(カリッと焼けてジューシー)にバターライスを添えたものに・・・





モロヘイヤ

このように、ドドドとかけていただく。






モロヘイヤのトッピング

お好みでかけるトッピングは、トマトソースに生タマネギ。
これは『アラベスク』のスタイルだ。




他にも、前菜各種やターメイヤ(ソラマメのコロッケ)がコースででてくる。
ターメイヤは、見たところカイロの街角で食べるものとは掛け離れて上品だが、中身はしっかりとニンニクの効いた「あの懐かしい味」だ。

エジプトではターメイヤは干しソラマメを戻したものを使うのだが、こちらでは生のソラマメを擂り潰して作っているそうな。
手間がかかっているのだ。

こちらのお店、都内近郊では知る人ぞ知る名店で、本来はモロッコやチュニジアなどのマグレブ料理とトルコ料理がメインとなっている。
こじんまりした店だが、ファンが多くていつも賑わっているので、事前予約がベターだ。

また、こちらのタイアップ・メニューは要事前予約。
「ミイラと古代エジプト展」の半券を提示すると、カルカデ(ハイビスカス・ティー)一杯サービス、とのこと。

「しかし、どうしてトルコ料理とマグレブ料理という組み合わせになったんですか?」
と尋ねたら(ほとんど所謂「アラブ料理圏」の、西と東の端だ)、マグレブ料理はパリで修業されて、トルコ料理は東京の某トルコ料理店で覚えたもの、なのだそうだ。
なんだか不思議な組み合わせだが、違和感がない。

次回は、畑中シェフ自慢のクスクスかタジンを是非食べたいものだ。

Elle a table (エル・ア・ターブル) 2006年 09月号 [雑誌]

こちらの雑誌の特集にも、マグレブ代表で取り上げられている。
ご参考までに。

ちなみに、私はまだ行っていないのだが、上野の国立科学博物館で開催中の「ミイラと古代エジプト展」も、過去行われた古代エジプトの遺物を展示するだけのものでなく、映像を取り入れた「ミイラを科学する!」というコンセプトが非常に興味深い。

開催は2月18日まで。
当日売りもあるが、3Dシアターの席数の関係から日時指定予約制になっているので、週末や夜の部は予約したほうがよさそうだ。

チケット購入や予約などについては、以下ご参照のこと。
http://www.asahi.com/miira/ticket/index.html
  
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2006年11月01日

日本・トルコ協会 創立80周年記念シンポジウム

上記シンポジウムが、11月9日に行われる。
なんとはなしに内容を見たら、これはなんと、盛りだくさんで内容充実。
万障繰り合わせて参加の価値あり、とみて早速申し込みをした。

詳細は以下の通り。

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日本・トルコ協会 創立80周年記念シンポジウム(助成:(独)国際交流基金)
「21世紀の日本・トルコ関係 〜世界平和の礎に〜」
 
日時:2006年11月9日(木) 15時〜18時15分
会場:第一法規株式会社 講堂(東京・青山)

プログラム *総合司会 永田雄三(明治大学文学部教授)

第1部(15:00〜16:30)

基調講演1 内藤正典(一橋大学大学院社会学研究科教授)
「イスラーム世界と西洋との架け橋としてのトルコ〜
21世紀における日本との友好関係の意義」

基調講演2 ジャン・エルキン(アンカラ大学助教授)
「トルコ語に翻訳された日本文学の“日本−トルコ関係の将来”における意義」 


第2部(16:45〜18:15)

講演3 ヤマンラール水野美奈子(龍谷大学国際文化学部教授)
「21世紀の文化交流“日本とトルコにおける美の接点”」

講演4 森永堯(元・伊藤忠マネジメントコンサルティング代表取締役社長)
「ビジネスマンから見た“日本人とトルコ人の特別なパートナー・シップ”」
パネル・ディスカッション、質疑応答 *司会:鈴木董(東京大学東洋文化研究所教授)

参加費:無料

申込み:
《「シンポジウム参加希望」、氏名、所属(勤務先・学校名等)、
連絡先(住所、電話番号)》を明記の上、事務局へ電子メール、
ハガキ、ファックスでご送付ください。
セキュリティーと準備の都合上、事前に申込みがない場合は
ご入場いただけませんので、ご了承ください。


交通手段:東京メトロ 銀座線・半蔵門線/都営地下鉄 大江戸線 「青山一丁目」駅
より徒歩3分
第一法規蠅悗里問い合わせはお控えくださいますようお願いいたします。


(申し込み・問い合わせ先)
日本・トルコ協会
 〒107-0061 東京都港区北青山2−5−1伊藤忠ビル内
電話:03-3497-8039 ファックス03-3497-8038
メール tkjts@itochu.co.jp


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特に個人的に関心大なのは、内藤正典教授の基調講演1と、森永堯氏の第4講演。

内藤教授は、イスラームとヨーロッパの関係について、非常に深い考察をおもちの方で、お話も迫力ある。

ヨーロッパのイスラーム系移民の状況に通じた方で、トルコとも関わりが深い。

以下、著作などご参照を。
ヨーロッパとイスラーム―共生は可能か

以前にも御紹介したが、最近よく取り上げられるヨーロッパのイスラーム系移民の現状がまとまった一作。

イスラーム戦争の時代―暴力の連鎖をどう解くか

こちらはその後発刊された著作で、前作をさらに掘り下げた内容になっている。

また、森永氏はかつてイスタンブル駐在時代に、政財界との前向きなパイプを築いて「この人あり」と知られた方だ。
ビジネス面でのトルコが見えようかと思う。

しかも、司会はかの鈴木董教授。
私の興味はいつも偏っていけないが、何度か御紹介した「トルコ食文化史」の名著、
食はイスタンブルにあり―君府名物考
はじめ、トルコ関連の好著多数の方だ。

なかなか贅沢なシンポジウムなので、関心ある方は足を運ぶ価値ありだ。



  
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