2005年04月28日

【第8話】〜愛し懐かしトルコとトルコ料理編〜 其の一

【もくじ】

・執筆方針を変えます・・・
・ミュンヘンから、カイロ経由イスタンブルへ・・・
・トルコとエジプト〜この『似て異なる』国
・イスタンブル到着
・美しい初夏のイスタンブル
・しかし、冬は・・・
・補足
・仕草


● 執筆方針を変えます・・・
さて、本連載も8回目に至った。
「隔週ということだったのに、いきなり毎週になるということは、早く終わってしまうんですか?」という、涙が出るほど嬉しいコメントまでいただいた。
ありがとうございます。

ブログには一応書いたが、週刊になったのは「ただなんとなく」である。

当初は編集主筆のエンリケ殿下に「10回連載」というお話をいただいていたので、本人10回で何とか『序』『水』『食』『言語』『宗教』・・・というように、ざっくり諸情報を一回づつまとめる方針でやっていたのではあるが、ありがたくも「25回にとりあえず延長」というお話となり、本人少し気楽に無駄話ができる体制となった。実は「何とか十回でアレとコレとコレとアレと・・・」と焦っていたのだけれど「ボチボチいってOK」となったわけだ。
アル・ハムドリッラー(神の恩恵により)。

『食べ物シリーズ』が三回から五回になり、あらま、という間になし崩しに消えていく・・・。
ま、そういう「鷹揚さ」が中東諸国の得意とするところ。いいかげん?いえ、受容と許容、そして寛容と鷹揚が、イスラームの真義なのだと私は理解している。
キリスト教よりもはるかにリラックスした形でそういう観念が存在する。
良くも悪しくも。

毎度前振りが長くて申し訳なし。では、トルコのお話に。
今回は、トルコ異動のいきさつなど、再び回想記、印象記。
お料理の話は次回のお楽しみ(?)ということにする。

● ミュンヘンから、カイロ経由イスタンブルへ・・・

「ワタシは昔、トルコで働いていたんです」というと「え、はぁ、そうなんですか?」という大層微妙な反応が返ってくる。

「えーと、あの、どのあたりで」
「イスタンブルです」

もうそろそろ若い世代にはわからない語彙となっているだろうし、それはよいことだと思うが、過去何故か「男性専門の特殊浴場」を「トルコ」と呼んでいた時代があったのである。トルコ政府が抗議したところ、あっさりとひっくり返ったようだ。良かったですね。

どうせ下世話に落ちるなら、落ちるところまで言っちゃうと、当時の勤務先は略すと「H系ホテルチェーン」だったのだ。言うまでもないが、Hはあくまで社名の略である。私が過去の職場を略称にせず、全て「某」で通しているのは、以前一度、頭文字の略称で書いてみて「わ、こりゃいかん!」と思ったからだ。
西のほうから某主筆殿下が黄色いカードを出す気配が感じられるので、この辺でやめておくことにしよう。何しろ「シモネタ厳禁」と連載開始当初に釘をさされているのだ。

さて、イスタンブルへは、ミュンヘンから「H系」の異動で行くことになった。
何故そんなことになったのかというと、これもまたシンプルな話だ。
「ドイツはどうも相性悪いから、中近東あたりに空きがあったらいいな・・・」と当時のドイツ人上司にふと愚痴ったところ「ある。本当に行く?」と聞かれたのである。
お返事はもちろん元気に「ハイ」であった。ヤー・ヴォール!

なんと恐ろしいことに、私がぶつくさ言う少し前に、その上司はたまたま出張してきていたイスタンブルの系列ホテルの某イギリス人副総支配人に会っており「そっちに日本人スタッフが4人もいるなら、一人くらい回してよ。たのむよ、うち困ってるんだ」と因果を含められていたのである。

その場で面接となり、その後しばらく古巣のカイロでガイドのアルバイトをしつつ息抜き(?)してから、イスタンブルに向かった。ちなみに、夫に出会ったのもこの「息抜き中」だ。

●トルコとエジプト〜この『似て異なる』国

両国に行ったことのない人々にとって、トルコもエジプトも「同じような国」というイメージだろう。無理もない。私だって、実際にトルコに行くまではそう思っていたのだから。

トルコ航空でカイロからイスタンブルに向かった。
とにかくとりあえず、はじめていく国の状況をみるには機内誌だ。
開けて一瞬、目を疑った。「単なる普通の医薬品関連の広告」に、ブロンドの女性がヌードで八人出ていたのである。
「おおっ!」と「懸念のあまり」乗り出した、某殿下他の皆様・・・みーんな「後姿」でした。健全でした。よかったですね。

でもしかし、こういった一般広告に女性の裸が当たり前に出るという事実に「むやみに肌を出してはいけない」というエジプトの感覚になじみきった私は、軽いショックを受けたのである。
「ヤ、ハラーム」と内心思った。

街に入ると、タンクトップにミニスカートという、思いっきり健康的に素肌を出した若い女の子が闊歩している。「ヤ、ハラーム」と内心繰り返しながら、思わず物珍しさに目が行ってしまう。
当時交際中だった我が夫など、遊びにきて街を歩くたび、毎度毎度首がエクソシスト状態で回っていましたね。ヤ、ハラーム!!

街角には『プレイボーイ』などのヌード雑誌が平然と売られており、テレビでは当たり前に『プレイボーイチャンネル』のようなアダルト向け番組を深夜放映していた。
イスタンブルの空気は、そういう意味合いではカイロよりはるかに軽いものだったのである。
これは予想外だった。

尚、ハラームとは本来『宗教的タブー』を指すが、そこから派生していろいろなネガティブな意味で使われる。反対語は「ハラール」だ。ハラール・ミートなどというと、イスラームの戒律にのっとってきちんと処理された肉のことだ。
『宗教的に正しい』という意味である。

●イスタンブル到着

さて、イスタンブルへはカイロから直接飛んだので、トルコ語を一言も知らなかった。
本を探したけれど、たまたまカイロで見つからなかったのだ。まあ、同じイスラーム教国なのだから、何とかなるだろうとタカをくくっていたところもある。
空港のインフォーメーションで行く先のホテル(もう略称はやめ!)を告げて、おおよそのタクシー料金をきく。で、外に出た。
同じ六月なのに、カイロの照りつけるような日差しと違う。揺らぐようにきらめく。
まあ、風景が揺らぐのは、前夜遅くまで飲んでいて、機内でもまた朝から飲んだせいだろう。
寝不足でもある。ふらふら。
ふう、と吐く息は、ハッキリと酒臭い。サングラスをかけた。
だから酒臭さがどうなるわけでもないが、まあ、色々な意味で酔っていたのだ。
若き日のひとコマである。かわいいもんですよ。許してやってください。

タクシーの運転手と目が合ったので「アッサラーム・アレイコム(あなたに平安あれ)」と挨拶すると、軽く引く気配を見せながら「ワレイコム・アッサラーム(あなたにも平安あれ)」という返事が返ってきた。
タクシーを拾い、「フンドゥク某、インシャアッラー(某ホテルへ、神の御心のままに)」と告げた。
最初の挨拶もインシャアッラーもイスラーム的語彙なので、この国でも通じるだろうと思ったのである。確かに通じたらしい。

フンドゥクは正則アラビア語で「ホテル」。とりあえず言ってみた、というところだった。
ドライバーは私のほうを振り向き、何かいいたげにしていたが、とりあえず通じたようで車は走り出した。海沿いを通る。海を見るのは久しぶりだった。

25歳でカイロにきて、30歳くらいには日本に帰ろう、と漠然と考えていた。
でも、28歳のその時、ゆらりのたりと凪ぐ海を見ながら「30歳前は無理そうだなあ」とぼんやり思ったのだった。

●美しい初夏のイスタンブル

すべてが美しかった。
穏やかな海、きらめく日差し。それなりに警戒しているにせよ、ドライバーの言葉も柔らかに響く。一生懸命、あれはなに、これはなに、と英語とトルコ語を混ぜて説明してくれる。まあ、要するに、酔っ払って海がきれいで気分が良かったのである。

さて、ここで御忠告をひとつ。
私もそうだったが、こういう例に限らず、4月から6月というのは各企業の「次期駐在社員候補」が必ず送り込まれる時期でもある。
そして多かれ少なかれ、私と似たようなトランス状態で「は〜い」といわされてしまうのだ。

で、いきなり身も蓋もない結論に行ってしまうと、冬が始まったころ皆「騙された!」と気づくのである。ひどい会社は、5月か6月に下見にこさせて、赴任が12月などというケースもあった。はっきり言って、詐欺である。

●しかし、冬は・・・

イスタンブルの冬は、悲惨だ。

寒い(緯度は盛岡と同じである)、暗い(理由は同様である)、しかも当時はおそろしく空気が悪かった。質の悪い石炭を暖房用に使っていたからである。
今はかなり良くなったそうだが、当時はちょっと外に出るだけで顔がススで黒くなるほどひどいものだった。
エジプトと同じような気候の良い国ではない。寒くて空気が本格的に悪い冬がくるのだ。
ひどい話である。

先から書いているが、エジプトの気候は盛岡と違うわけだ。だから「カイロと同じような街だよ」という言葉は、ある意味まるっきり嘘ではないが、罪深いところがある。
イスタンブルは、冬は思い切り寒く暗い。私は札幌、ミュンヘンと、寒い町には住んだことがあるが、このイスタンブルの冬ほど耐えがたい冬を越えたことはない。

ツアーにしても、冬のさなかのツアーは思いっきり安い。
まあ、見たい対象が遺跡関係であればそれも良かろうが、雰囲気を求めると失望する。
安いからには安いわけがあるのだ。
住むとなればそれなりのしのぎかたがあるが、一生一度旅行にくるのならば、トルコとギリシャだけは『冬は止めましょう』と御忠告しておく。
エジプトと違って、値段の分だけ楽しさ美しさが違うのだ。

● 補足

空港での言動を、勤務先の前任者のS氏(日本人というよりは、もうすでにトルコの人になっちゃった人だ。男性独身)に言ったら、爆笑された。

「アッサラーム・アレイコムとか、インシャアッラーとかって、確かに使う人はいるし、みんなわかるけれど・・・でも、それって、トルコではものすごいド田舎からきたオヤジが言う言葉ですよ」
どうもイスタンブルでは、イスラーム的ご挨拶は「都会的でない」ようなのであった。
とくに、洋服を着た明らかに東洋人に見える女性の口から出たら、タクシー・ドライバーはさぞやギョッとしたことであろう、と(しかも酒臭いのだ・・・問題外である)。
「まあ、ぼられなくて良かったですね」・・・はぁ、まことに・・・。

また、ホテルを意味する「フンドゥク」という正則アラビア語は、トルコ語ではほぼ同じ発音で「ハシバミ(ヘーゼルナッツ)」の実のことなのだった。端的に言えば「どんぐり」みたいなもので、私は「どんぐりHホテルへ、神が望み給えば」といったわけだ。よくぞ行く先がわかった、と、ドライバーをほめてあげたい。

そして、イスタンブル最初の住居の近所には嫌味のようにフンドゥクという名の雄猫が住んでいた。
デブで、顔は極度にブサイクであり、我が家の「お嬢様」モモちゃんに「あれだけはやめてね」と言っていたのに、ああ、言っていたのに・・・今でもうちには、彼の仔らが三匹いる。うち一匹の雄は、顔だけは美猫のお母さんに似てくれたから幸いだったが、あとはハッキリ父ちゃんそのものの姿である。
やれやれ。

● 仕草

なまじエジプトで変なクセをつけているので、イスタンブルではいろいろとおかしなことをやったものだった。

ちょっとまっ手-前からの図の巻
例えばエジプトで、親指、人差し指、中指の腹をくっつけて、手を上に向けて上下させる(といわれても今ひとつわかりにくいだろうから、写真をご参考に・・・)と「ちょっと待って!」という意味になる。




ちょっとまっ手-横からの図の巻ある日、向かい側のフロントからロビーのデスクに座っている私に呼び出しがかかった。
しかし、私の目の前には別のゲストがおり、その場を離れて待たせるわけには行かないから、この「ちょっと待って!」をやって見せた。
呼んでいるフロントは両手を広げ「なにやってんだ?!」という仕草を返す。
「だ〜か〜ら〜、ちょっと待ってってば!」と再度激しく右手を上下させる。

あとで言い争い。
「よんだら来いよ!」
「待ってって合図したじゃないの!」
「チョク・ギュゼルって、あの客がそんなに気に入ってたのかよ?!」
「はぁ・・・?」

よくよくきいたら、この仕草は「大変よろしい」「ベリー・グッド」つまりトルコ語の「チョク・ギュゼル」という意味で「待て」などという意味はないのだった。同僚らと大笑いする。
「アリーマは日本人みたいに見えるけど、中身はエジプト人だからみんな気をつけなきゃな〜」と、散々からかわれたものだ。ふん!

同じイスラム圏で似たような国に思えるが、鏡写しを見るような、不思議な気分になることがよくあった。なまじ似たようでいてまるで違う国に慣れていたので、その辺の微調整は結構大変だったが面白くもあった。

同じイスラム圏とはいえ、国によってかなり習慣や感覚は違うのだ。
当たり前だろうけれど。

ついでだが、癖というのは恐ろしいもので、日本帰国後の職場でも無意識のうちにやっていたのだ。
「電話です。海外からです!」
「・・・(手を上下させる)・・・」
「すみません、待たせますか?折り返しますか?」
「・・・(手を上下させる。待てというのに!)・・・」

通じるわけ、ありませんね。
こちらの職場でも「あの人、エジプト人だから」といわれるようになったのは結局同じではあった。


さて、そして、今度こそ次回より「トルコ料理のお話」にはいる。
インシャアッラー。

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『トルコで私も考えた』(1)〜(4) 高橋 由佳利(著)

『トルコで私も考えた』(1)〜(4) 高橋 由佳利(著)ヤングユーコミックスワイド版

漫画なので、実際の生活の様子などがビジュアルに楽しくわかる。
描かれている人々や生活スタイルは『庶民層』のそれで、作者の見た世界がすべてではない、という印象はあるが、作者の視点が飄々としていて嫌味がないので好感が持てる。第1巻は1996年出版で、最近第4巻が出た。こちらは未読だが、早く読みたい。

(追記 5/12)
この4巻は未読だったが、この前読んだ。
巻を追うごとにパワーアップしている。しかもこの4巻目は、現地で結婚して子供をもった女性でなければわからない、男児の割礼の儀式などのエピソードが飄々と明るく描かれている。肩肘張らないニュートラルな視点はもともと好感度が高かったが、内容も益々充実。しかも漫画なので、文字だけでは描けないところをビジュアルに見せてくれる。


中東関係で何か面白い本があったら是非紹介してください。
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『犬と三日月ーイスタンブールの七年』 加瀬由美子

『犬と三日月−イスタンブールの七年』 加瀬 由美子 (著) 新宿書房

実は作者は私のイスタンブル時代の朋友のお母さんである。すでに友人が5年以上住み着いていたイスタンブルにやってきて、あれよあれよという間に根を下ろした、肝っ玉母さんのイスタンブル生活記。
身びいきでなく、トルコへの愛着がパワフルに語られていて面白い。是非どうぞ。

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2005年04月25日

「ルッコラ」=「ガルギール」の写真

ルッコラの花「ルッコラ」つまり前号(第7話)で紹介した「ガルギール」です。
自宅テラスの片隅に、去年のこぼれ種からひょっこり芽を出しました。
今年一番だし、と面白がって放っておいたら、いつのまにか1mほどの高さまで伸びました。
このままにしておいたら、また来年こぼれ種から花を咲かせてくれるのでしょう。

花は白く、十字型に4片花びらをつけます。
地味だけれどなかなか可愛らしい花です。

虫食いルッコラ「虫に食べられたルッコラ」
勝手に虫の餌になります…  
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2005年04月21日

【第7話】 『食べ物』シリーズ 其の三 〜懐かしのエジプト料理〜

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■『食べ物』シリーズ 其の三
〜懐かしのエジプト料理〜
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【もくじ】

・まずお詫び
・マーレーシュとインシャアッラー
・さて、懐かしのエジプト料理
・輝けるトップ 〜 モロヘイヤ・スープ!
・その他いろいろ
・ついでに、ガルギール
・しかし、日本では・・・
・でもやっぱりトルコ料理・・・


● まずお詫び 

やってしまいました。
いつかナンカやらかすのではないか、と思っており、配信前の原稿は一生懸命見ていたつもり・・・が、これです。

前号で書いて、ご丁寧に参照用URLまで貼り付けた"Mt. Difficulty"というワイナリーは、ニュージーランドにあります。食事をしたレストランで「オーストラリア産」といわれたのを素直に信じていたのですが、URLを張るなら内容をきちんと確認すべきでした。ここにお詫びとともに訂正いたします。

しかも、書いてあるのは『オーストリア』・・・・・・・。
人気漫画『ごくせん』(愛読書)に、オーストリアとオーストラリアの区別がつかんアホアホ高校生の話がありますが、私も仲間入りです。


ブログにアップした分は訂正して、同様のお詫びを告知いたしましたが、ここに繰り返し訂正するとともにお詫び申し上げます。マーレーシュ。

あと、まぐまぐ分の配信の件名が「ア」で終わっていました。
本人意図せぬところでスパムメールまがいの姿に化けるとは・・・日頃の行いの問題でしょうか。

この辺はエンリケ航海王子殿下のブログをご参照ください。

ともかく、マーレーシュ。

●マーレーシュとインシャアッラー

ところで、マーレーシュというのは、ちょっと和訳し難い言葉だけれど、要は「ごめんなさい」というニュアンス。で、言われた側も同じく「マーレーシュ」と返す。
その場合「まあ、残念だがしょうがないね」というような意味になる。

「悪いけど許してよ」「まあ、しょうがないな」と日本語にしてしまうと、なんだか身も蓋もない感じだが、エジプトではシンプルに日常生活に溶け込んでいる。悪く言うとアバウトでいい加減な国民性が反映しているのだが、反面寛容でおっとりしたエジプト人特有ののんきな明るさも感じられる。

昔、カイロのホテルでイギリス人の上司にこれを言ったら「アリーマ、頼むからお前だけはそれはやめてくれろ・・・」と、渋い顔で言われた。
「インシャアッラー」と返事をしたら「止せといったろうが!」と怒っていたっけな。
「これは本来立派な言葉でありまして、説明すると・・・」
「今は聞きたくない!仕事に戻れ!」
「へ〜い」

イギリス人の上司が耳を傾けてくれなかった説明を続けると、口語的な「マーレーシュ」と違い、こちらの「インシャアッラー」は純粋にイスラム教的な語彙だ。直訳すると「アッラー(神)がそう望みたもうならば」という意味になる。コーランの教えで「人は卑小なものであって、未来を語るなどという大それた事をしてはいけない。ただし、『神がそう望みたもうならば(インシャアッラー)』と一言申し述べれば、許される」というような内容の教えに基づいている。
まことに正しい。私はこの言葉は大変好きだ。

尚、きちんとした謝罪の表現として「アナ・アッシフ」という「申し訳ありません」にあたる言葉がきちんとあることは補足しておく。

と、いうわけで、皆様、マーレーシュ。
以後気をつけます。インシャアッラー。

と、薀蓄でごまかしてお料理話に戻る。

●さて、懐かしのエジプト料理

「単純で芸がない」「トルコ料理の地方版」などと、前回かなり手厳しく言ったが、エジプトでしか食べられない名物料理はあって、決して悪くないものも勿論ある。
中には衝動的に「あ〜、あれが食べたい」と目が潤むものも、トルコ料理ほどではないがある。
お気に入りの食材もいろいろあった。極私的な好みでいくつか挙げてみよう。

●輝けるトップ 〜 モロヘイヤ・スープ!

日本でも最近はおなじみの野菜となった、モロヘイヤのスープ。
丸ごとのチキンでスープを取って細かく刻んだモロヘイヤを投入。チキンは出して焼きなおし、ご飯を添えて上からどっとスープをかける。
揚げたニンニクをジュッと音をさせて入れる。チキンが一般的だが、ウサギも使う。

スープ、といっても、現地での扱いはメインディッシュだ。
実際現地でも「ショルバ」つまり「スープ」と呼ばれているのだが、このスープは正式には「肉にライスを添えたものにかけるソース」である。
実は私もかなり後になるまで知らなかったのだが、あるとき某日本企業のVIP会食用にアレンジした特別メニューで、先方の希望に従い「スープはチキン・モロヘイヤ」とオーダーを入れたら、料飲部のエジプト人トップに「フォーマルな会食でそんな妙なことができるか!」と怒鳴り込まれたのだ。
ヘェ〜、ヘェ〜、ヘェ〜・・・と内心思いながら、取引先との調整に苦労した。
「日本人は猫まんまが好きだから、いいのっ!」といって押し通したかったが、そういうわけにもいかず・・・ふう。

さて先ほど、細かく刻む、と単に書いたが、家庭ではこれを如何に徹底的に細かく刻み込むかが、主婦の腕の見せ所だ。半月刀の両側に持ち手をつけたような「モロヘイヤ刻み用の包丁」で丹念に根気よく刻む。結構大変な作業である。
夫の会社の現地スタッフの奥さんが、私が好きだからというので、シーズンになるとしょっちゅう刻んだものを差し入れてくれたものだ。

喜んでお礼をすると、しばらくしてその倍量が届けられた。そして、お礼をすると・・・。
エジプト人のホスピタリティーというのは胸を打つほど厚いと同時に、若干胸焼けするほど重いことはある。嬉しいけれど。

手がかかるので、エジプト人にとってもこれはご馳走だ。
独特のヌメリ感が欧米系には不評らしいが、なめこ、とろろ、納豆など粘り気のある食物に慣れた日本人の支持は圧倒的に高い。
私自身もこれは一押し!である。家庭の味なので、なかなかレストランでお目にかかれないのが残念だった。初夏から夏の野菜なので、それ以外の季節にあるとしたら冷凍品か粉末のモロヘイヤを使っているから味は落ちる。だから、モロヘイヤの季節がやってくるとなんだかソワソワしたものだ。
ああ、懐かしいな。

●その他いろいろ

■鳩料理
鳩はハマーム。単にグリルしたもの(マシュウィ)も良いが、米やら雑穀やらを詰めて焼いたハマーム・マハシが好きだ。野趣のある独特な味がする。
なお、ツーリストが主体の店では胴体と足だけだが、通常は頭ごと出てくる。

■ジャンク・フード各種
上記二種は高級なご馳走だが、街のあちこちで売っているジャンク・フードも捨てがたい。

【ターメイヤ】
ソラマメのコロッケ。小さく丸めたものを揚げて食べる。ニンニクが効いて、後を引く。ビールの肴によく買って帰ったっけ。

【コシャリ】
好き嫌いは別として、まことにエジプトらしい食べ物だ、という気がする。米とマカロニとレンズ豆を混ぜたものに、揚げたタマネギとトマトソースをかけた、炭水化物の帝王みたいなものだ。好みで『シャッタ』(唐辛子ソース)や酢をかけて食べる。

【シュウェルマ】
羊かチキンがある。トルコのドネルケバブのエジプト版。最近は日本でも都心部のランチタイムでよく見かける、肉の塊がぐるぐる回っているやつ、といえばイメージできるだろうか? 挟むパンの形やトッピングは各地でいろいろだが、エジプトではエーシュという平たいパンの中にサンドイッチ状に入れて、トマトとタマネギにテヒーナ(胡麻ペースト)をかけてくれる。

【フティール】
エジプト風ピザ。ピザといっても、パイ生地のようなもので包んでくれて、中身は肉、野菜、チーズなどから、レーズン、砂糖、蜂蜜といった甘いものまで好きに選べる。クレープとピザとパイを足して三で割ったようなもので、これはなかなか捨てがたい。

■前菜とパン

前菜にもいろいろと凝ったものがある。ただ、種類はトルコ料理と大体共通している。
エジプト特有なのは、先のシュウェルマでも出てきた「テヒーナ」という胡麻のペーストだろうか。要するに練り胡麻なのだが、それに塩にレモンや唐辛子などで味付けする。エーシュにつけて食べる。
元が胡麻なので、日本人には馴染みやすい味だ。

説明が前後したが、エジプトではパンのことを「エーシュ」という。
大概は平たい、日本でも最近良く出回っている「ピタ・パン」のことだが、パン全体のこともさす。

面白いのは、湾岸とくにオマーンあたりに行くと、エーシュは『米』になることだ。
正則アラビア語でも、湾岸あたりの方言でも、パンは「ホブズ」。
始めてヨルダンに行ったとき「エーシュ頂戴」といったらウェイターに「あんたエジプト人?」と笑われた。

方言関係の話は長くなるのでまた改めるが、エジプト弁というのはちょっと特殊なのだ。

● ついでに、ガルギール

エジプトは、野菜などの食材が豊富な国だ。
当然現地の物価に合わせて、ということだが、とにかく安い。
特に、トマト、ジャガイモ、タマネギ、ニンニク等といった基本食材は、政府が値段を統制しているため日本の感覚では「ただ同然」の値段である。
「貧しい層が多い」ということになるので、単純に喜ぶのは愚かなことだろうが、それでも有難いものである。

以前にも書いたが、エジプト人の買い物の単位は「キロ」で、買出しの量も桁が違う。
野菜などは「トマト2キロ、たまねぎ3キロ・・・」という調子。ニンニクなんて「二玉欲しいんだけど」なんて言うと「ハイ、あげる」となる。

その中でも、これだけは絶対に日本でできない贅沢!という貴重な食材があった。

ルッコラの花←[ルッコラの花]

最近は日本でも、ロケットとかルッコラなどといって、こじゃれたイタリアン等で出回るようになった青菜、エジプトではガルギールといって格安で売っていたのである。
ちょっと味が濃いが、まあ大体同じようなものだ。そしてこれが、なんとも安い。ほうれん草の大きな一把分くらい買って、日本円で10円するかどうかだ。格安がどうした、という問題ではない。

門番に「いくらだった?」と聞いてバクシーシ(チップ)込みで30円ほど上げようとしたら「うちでもどうせ買うから、そんなものもらえない」と拒否された(カイロではアパートの門番が買い物などいろいろな用を足してくれる)。
まあ、お遣いに行ってもらったわけなので「まあまあ」と当時30円相当の1エジプトポンドを渡していた。なんと言っても、彼らが野菜を買う場所は、安い上に物がいいのだ。

注:エジプトの門番(バワーブという)が、全てこのように正直だとは限らない。私はたまたま良い人たちにあたったが、良かった人がひょんなことで悪くなっていくケースも多く見た。ただ、最後に住んだこのアパートメントのバワーブは、最後まで本当に正直で親切で助かった。

カイロの自宅では、これを一山刻んだものをニンニクやアンチョビーと一緒に炒め、パスタにあえてワシワシ食べていた。休みの日の定番だった。

●しかし、日本では・・・

で、帰国後それが何となく食べたくなって、スーパーマーケットでルッコラを手にとってブチ切れかけた。一口分くらいにしか見えぬ量が200円だかするのである。あきらめきれずに自家菜園などやってみたが、この葉っぱがおいしいのは虫もよぉく知っているようで、虫との攻防戦に疲れてやめた。

カイロでは、なんと贅沢なことをしていたものか、と溜息が出る。
あのころは単純に「安くてうまい!」なんて喜んでいたけど、ああいうことはもうできないのだ、あ〜あ。
ちなみに今は、試行錯誤の結果「大根葉」か「春菊」におさまっている。
人生アキラメが肝心なのではある。

尚、最初は知らなかったのだが、このガルギールは栄養満点で元気がつく、精がつく、ということで「新婚家庭の常備品」とも言われているのだそうだ。一度、家人出張中に、アパートメントの門番に「ガルギール買ってきて」と頼んだら、一瞬無言無表情になり「・・・御主人、出張中じゃなかったのか?・・・」と言われたことがある。
「んにゃ?」と要領を得なかったが、後で知ってヤレヤレと思ったものである。
若干赤面しつつ・・・私はなんだと思われたのだろう。

私のカイロ在留時の某友人は女性で独身だが、近所の八百屋で買い物をして、最後に問答無用でガルギールを二束ほどサービスで無理やりふんだくっていたそうだ。
本人は「近所でどうも怖がられてるみたいよね〜、ハハハ」と、明るいものだったけど。

あと、コリアンダーも「クズバラ」という名で、束で売っている。値段も似たり寄ったり。
今考えてみれば、いい暮らしだったなあ。

● でもやっぱりトルコ料理・・・

と、言うわけで、エジプト暮らしも食生活に関してはそう悪くなかったと思うが、思いっきり充実していたのはやっぱりトルコのほうだ・・・そう、数回前に「トルコ料理などの話は次回に」などと書いてしまったが、ついつい先延ばしになっていた。

次回はそんなわけで「本家本元大絶賛編」となる、予定。インシャアッラー。

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『ひとり歩きのアラビア語自遊自在』&"Courtesies in the Gulf Area"


『ひとり歩きのアラビア語自遊自在』JTB刊


アラビア語の会話集、というのは、まず現地に持っていっても役に立たない。
しかし、これだけはお役立ち本だ。何しろ面白いのは、正則アラビア語(フスハー)、エジプト方言、湾岸方言、シリア方言、モロッコ方言と、あれこれ並べて書いてくれていることだ。こういう本はなかなかないので、読み物として面白いし、参考にもなる。しかも、英語訳プラスモロッコ編にはフランス語つき。
アラビア語は方言が多様、と言われても今ひとつピンとこないだろうが、こうして眺めると「ふぅ〜ん」と納得できる。

"Courtesies in the Gulf Area"  Sir Donald Hawley著

洋書なのだが、ぺラッとしたハンディーな本。
湾岸方面の方言をまとめているが、主にUAEとオマーン方言である。オマーン方言の本など、まず日本ではお目にかかるまいと思っていたが、見つけてびっくり。ただ、『元在オマーン英国大使閣下』の御著作、ということで、若干生活感は薄い。その代わり、武器・兵器、軍隊の階級というあたりは出ているので『軍事情報』の読者向けかもしれない。


中東関係で何か面白い本があったら是非紹介してください。
硬い政治軍事関係は数多あるけれど、ソフトに中東にアプローチした本は、
意外に少なく、是非こちらで取り上げていきたいと思います。
  
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2005年04月18日

タンポポ

タンポポタンポポが咲きました。もう初夏が近いですね。  
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2005年04月16日

お詫び

お詫び

やってしまいました。
いつか何か何かやらかすのではないか、と思っており、配信前の原稿は一生懸命見ていたつもり・・・が、これです。

"Mt. Difficulty"というワイナリーは、ニュージーランドにあります。
しかも、書いてあるのは、『オーストリア』・・・・・・・。
人気漫画『ごくせん』(愛読書)に、オーストリアとオーストラリアの区別がつかんアホアホ高校生の話がありますが、私も仲間入りです。
大体、紛らわしいよねぇ・・・と文句を言う筋合いでないのは百も承知・・・。

ブログにアップした分は訂正してありますが、配信分はそのままです。
次回配信時、再度訂正を入れますが、取り急ぎこちらでお詫び申し上げます。

今後、気をつけます。
けれども、また何かやったら「ははは」と笑ってやってくださいましまし。

以上、お詫びと訂正まで。  
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2005年04月15日

【第6話】 エジプト料理 VS ギリシャ料理

【2005年4月14日配信】
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■『食べ物』シリーズ 其の二
〜エジプト料理 VS ギリシャ料理〜
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●とりあえず、羊の続き…

前回、羊肉の話を書いていたら、いきなり全身の細胞が「羊肉食べたい!」と
叫びだした。すると、何故か救いの神は現れるもので、知人が某ホテルのステ
ーキハウスに連れて行ってくれた。メニューを見たら『オーストラリア産ベビ
ーラムのラムチョップ』という一行が燦然と輝いていた。

知人のオーダーも聞かずに「ワタシ、これ」と口が勝手に言っていた。
失礼な奴だ。
お味の方はといえば、さすがに一流ホテルで、中東のものとは違うけれど大変
おいしくいただいた。フィンガーボウルまで持ってこさせて、骨を未練たらし
くしゃぶる始末である。
失礼な上に行儀まで悪い。困ったものだ。
どうも飲食のことには節操がなくて困る。

赤のハウスワインはニュージーランドのピノ・ノアールで、ボトルを見たら
"Mt. Difficulty"とアラビア書道風の文字で書いてあった。
(映像はこちらでどうぞ: http://www.mtdifficulty.co.nz/index.shtml )
この連載の今後の展開を予告されているような気分になって、ちょっとだけ鼻
の頭に皺が寄ったが、羊に良く合うなかなかおいしいワインだったので、即ニ
コニコとなった。まあ、なるようになるさ、インシャアッラー。  続きを読む
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2005年04月13日

中東関係の何か面白い本があれば紹介してください

☆今回から関係書や資料などをご紹介していくことにした。
「この程度の本しか読んでないのか〜?」と言われそうだけど、何かのご参考
になれば幸い。

エキゾチックなパン』中道順子:著 グラフ社 
実はこの本「各国各地のパンの焼き方、作り方」を紹介する、いわゆるお料理の本なのだけれど、中国、インドからトルコ、湾岸、エジプト、そしてマグレブに至るまで、各地のパンを徹底的に拾い出して写真入で紹介している。表記に若干ブレがあるけれど、よくもまあここまで細かく取材したものだと感心する。『パン』という対象を追いかけて並べていくだけで、結構な各国文化俯瞰図になるから面白い。お料理の紹介ついでに、(というかこちらがメインなのだろうけれど)ちゃんとレシピもついている。

地球の歩き方 エジプト '05~'06
昔は『地球の迷い方』などと酷評されていたし、相変わらず国によって内容に差はあるが、このエジプト編の最新版はしっかりしている。ガイドブックなので100%情報源として当てにする、というものでもないが、現地資料として十分使えるレベル。遺跡をかなり広範囲に徹底カバーしているし、諸々の基礎情報も詳しい。


また、中東関係で何か面白い本があったら是非紹介してください。
硬い政治軍事関係は数多あるけれど、ソフトに中東にアプローチした本は、意外に少なく、是非こちらで取り上げていきたいと思います。

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やれやれ・・

JETROの情報によると、2004年にエジプトを訪れた観光客は810万と、過去最
高を記録したそうだ。詳細を問い合わせたところ、国別の内訳は「1.イタリ
ア101万人、2.ドイツ99万人、3.旧ソ連諸国81万人、4.英国54万人、5.
フランス46万人で、日本は約7万人」とのこと。旧ソ連諸国というのは、私が
カイロを離れる数年前くらいから各ホテルが営業攻勢をかけ始めていたが、急
速に伸びたようだ。日本の7万人も、ほぼ96年のピーク絶頂前の数字に近い。
「やっと軌道に乗ったなあ」と元同僚同業者のために喜んでいたら、「あの事
件」である。

コメントは「軍事情報第194号」に出したけれど、二つの情報がほぼ同時に
きたので、ちょっと頭を抱えた。
今回は明るい情報を発信できると思っていたのだけれど。やれやれ。

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ギリシャにも住んでました

第6話ではギリシャの話が出たけれど、実はアテネにも半分住んでいたような
ものだったのだ。家人が仕事の関係で、アテネとカイロの二重生活を送ってい
たので、アテネにも住居があったのである。

外で食べるギリシャ料理は今ひとつだったが、食材自体は豊富だった。
それより何より、ちょっと郊外に出ると自然が豊かでうれしかった。
そう、もうそろそろ、アテネの郊外が野花の絨毯で埋まり始めるころだ。ギリ
シャは実は植物の種類の多さは世界でもかなりのレベルなのだそうで、日本か
らもわざわざ植物を見にやってくるツアーがあると聞いた。

カイロ生活の泣き所は緑が乏しいことで、たまにアテネでのんびり過ごすのは
良い息抜きになった。特に今頃から初夏にかけての花盛りの頃。ギリシャに行
くならこの時期が一番だと私は思っている。

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2005年04月11日

お花見に行きました

人ごみ
靖国神社というのは『お花見ポイント』としては絶好です。
場所柄か、放歌高吟馬鹿騒ぎの集団がほぼまったくおらず(上野や井の頭公園あたりでは暴徒と化す若いやつも、さすがにこの場所で同じ事をする勇気はないらしい・・・)、お祭り状態の巨大な縁日よろしく立ち並ぶ屋台。屋台の後ろ側に椅子やテーブルがセットされていて、テキヤの衆が場を仕切っており、写真のような桜天井を構えてじっくりと飲めます。




マッコリマッコリの差し入れにニッコリ。§^。^§
『持ち込み原則禁止』ですが、仕切りの店から基本的に買って飲み食いすれば、マッコリくらいは目をつぶってくれます。
マッコリお差し入れは、その前にソウル駐在経験のある某氏。彼が「アリーマってなんだ?」というので説明してあげたら「なんだ、『人に言えない』とか言うから、俺はてっきり下半身がらみかと思ってたな〜」
「バカタレ」とビンタをくれたくなりましたが、この場所のセッティングは彼でしたし、『冷蔵庫に常備している』マッコリをわざわざ持ってきてくれたので、許してあげることにしました。
まことに私は、この類のカイロ時代のお客さんたち(50代の「素敵なおじ様」が多い…と一応書いとく)に結構助けてもらってるのですが、不惑を越したとはいえ最年少の私を『姉さん』挙句には『姐さん』と呼ぶのはやめてくださいっ!といい続けてはや5年・・・もうあきらめたわ・・・。

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2005年04月08日

【第5話】 ああ、羊肉! 迷える子羊の群れの行き先について

●横浜の某トルコ料理屋へ・・・

「次は中東の『食』のオハナシ」などと前振りしていたくせに、ソウルで週末
過ごしてから、頭の中は韓国の食べ物のことでパンパンとなってしまった。
困った。あれほど好きだったお料理のあれこれを思い出しても、激しい思い入
れが沸かないのである。

そう、私は「食い意地が汚い」のだ。
ついでに言うと、好き嫌いもない。呆れるほどない。
遊びに行く先は、ほぼ「あれが食べたい、これが食べたい」で決まる。
ちなみにこれは完全に亡父の遺伝なのだが、この体質と嗜好のおかげで、世界
中どこに行っても食べるものに困らないのはありがたい。
オトーサンありがとう、というべきだろう。

さて先週金曜日、私事で恐縮だが、帰宅途中の家人が電話をしてきて外で夕食
にしよう、と言った。
「韓国料理!」「・・・いいかげんにしたら?・・・」
で、自宅近くに最近オープンしたトルコ料理のレストランに行くことになった。

中東界隈の食事というと、メインもいいけど前菜が多彩で、しかも手の込んだ
ものが多い。この店はいいオリーブオイルをかなり使っている。シェフに聞い
たら、彼の出身が地中海沿いでシリアの国境近くだから、普通より多いかもね、
との由。

なかなか美味しい店だった。これは実は案外珍しいことで、日本の中東料理の
店は、大概どこかピンとこないところが多いのだ。
懐かしい味のする前菜を、アレのコレのといただいているうち、やっと頭がこ
っち側に戻ってきた。食い意地汚く、かつ単純とくる。困ったものだ。

挙句「うう、アレが食べたい、コレが食べたい。しくしく、トルコに行きたい
よう、カイロに帰りたいよう、一度でいいからレバノンに行ってみたいよう」
と、ガイドブックなど引っ張り出して涎と涙(涎の余りらしい)をぬぐい始める
始末。
一応「内助の功」(?)を果たした家人は呆れ顔である。

●いきなりメインディッシュ

やれやれ、前振りが長くなってしまった。
さて、本題の『中東の食べ物』。今回は三回連続でお送りする。  続きを読む
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今日日比谷に行ったら、桜満開でした

今日日比谷に行ったら、桜満開でした今日日比谷に行ったら、桜満開でした

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2005年04月07日

私は何故カイロの韓国人コミュニティーと仲良くなっていったのだろう?

「韓国人の観光客をとれるまで、いろいろなことがなかったのですか。同じア
ジア人くらいで動く人たちには見えないのですけれど」というご質問。

一つマイナーな誤解があるかもしれないので補足しておくが、私が「うまくい
っていた」と前回書いたのは「在カイロの駐在員」で「在ソウルの旅行エージ
ェント」ではない。
  続きを読む
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